
NASに期待する機能
僕のNASに求める機能は以下である。
- デバイス間でのフォルダ同期
- データのバックアップ
- メディアサーバ
デバイス間でのフォルダ同期: Qsync
デバイス間でのフォルダ同期とデータのバックアップを一挙に解決するものとして、Qsyncが期待された。これは同期フォルダを作成して常にNASとクライアントのデータを一致させるものだ。まぁ一言で言うと自分専用のDropboxを作る機能といえる。
しかしこの同期というやつはやはり難しいもののようで、いざ運用してみるとなかなかうまくいかない。特にファイルが消えないようにするためか、移動や削除、ファイル名の変更をしていると、「消えているべきファイル」がゾンビのように復活する。まぁ安全面に倒すとそうなるのはわかるが、Dropboxの静かな有能さが際立つ結果となった。
まぁでも、これはそうなるかなという気はしていた。テラバイトクラスの巨大なデータフォルダを監視するようなものではあるまい。もしこれをやりたいのであれば、これを専業でずっとやってきたDropboxを大人しく使うのが良いと思う。
また、MacだとQsync クライアントがしばしば落ちている。ただこの落ちるというのも中途半端で、たとえば別デバイスで保存されたファイルの同期はされるのだが、Mac側での削除処理などがサーバに伝わっておらず、「あれ?クライアントアプリ落ちてるな」と思って再起動させると、落ちていた間に削除したファイルが次々と復活するなどかなり鬱陶しいことになる。
以上を踏まえたうえで、要所要所「ここは同期する価値がある」というフォルダについて適用するのが良い運用法だろう。Dropboxのように脳死でまるっと全部同期フォルダにしてしまう、などはやらないほうが無難だ。しかし、Dropboxと違って、色々な場所に散在するフォルダを同期フォルダにできるのはQsyncの強みといえよう。
データのバックアップ: rsync最強伝説 もう正規化問題はないんだ……
NASの本懐というべきか、データのバックアップもNASに求められる重要な機能だ。Qsyncはバックアップツールに使うのはやめたほうがよさそうということがわかったので、何かいいツールを探す必要があった。真っ先に思うのはrsyncなのだけれど、今更rsyncとか使いたくないなぁと思い、FreeFIleSync(Download the Latest Version - FreeFileSync)というソフトを使ってみたりした。これはWindows用とMac用がそれぞれあり、けっこううまいこと使えた。
うまいこと使えたのだが、毎度起動するのが面倒である。ってかこれだったらrsync使うほうが楽なのでは?WindowsでWSL経由したら面倒だけれど、Macならフツーにターミナルから実行できる。
rsyncなら慣れてるし、何よりも我々を悩ませてきたUnicode正規化問題はAPFSになってから概ね片付いている。というか多分僕がなんとなくrsync使いたくないなぁと思っていたの正規化のトラウマのせいだと思う。傷深すぎんよ。
戦いの歴史貼っとく。



しかし今記事を読み返すと、SMBでマウントしてるのにssh使ってrsyncしてたりするの謎だなぁ。SMBのマウントが不安定で勝手に切れてたりしたからだろうか。
まぁなんでもいい、すべては終わったこと……。我々を悩ませた悪魔はもういない。存分にrsyncしていいんだ……。
ということで、結局rsyncに落ち着いている。WindowsだったらFreeFileSyncを使うほうが楽かも。
なおTimeMachineについてまったく書いていないが、過去色々と痛い目を見たので、ネットワーク越しでは使わない。NASじゃなくて、ローカルにケーブル接続して使うならいいと思う。でもそれはそれで面倒だし、システムごと復元したいことって実はそうないので、rsyncによるデータバックアップのほうが汎用性も高くて良いと思っている。
あとはまぁ、災害とかで全データ消失しちゃうリスクか。Dropboxだとこれの心配がないんだよなー。しかしそんな災害やら火事やら、データよりもっと心配すべきものがあるだろという話ではある。
メディアサーバ: 検討中
最後にメディアサーバとしての役割だが、これはまだ検討中。
LAN内ではMacがメディアサーバとして役割を担っている。Mac mini常につけっぱなしだからね。コレは別にこのままでもいいかなぁという感じ。Macのほうがスペック的にも高いのだし。
インターネット経由だと、今はDropboxにアップロードしている音楽ファイルをストリーミングとかしているんだが、これをできないかなぁと思っている。QNAPのソフトウェアにこれができそうなのもあるので、もうちょっとちゃんと検討したい。
Dropboxは便利だけれど、自宅NASには自由さがある
色々やっていて思ったのは、Dropbox便利だなぁということだ。専門的な知識がなくても、ここまでにあげた機能はすべてカバーできる。ソースネクストから買える3年契約だったら定期的にセールしていて年間1万くらいだし、それくらいの価値はあるよなと思う。容量が2TBなのがつらいってことくらいか。あと円安で今後はどうなるかわからないな。
まぁでも、やっぱりNASには自由さがある。クラウド業者にデータを覗かれる心配がないし。GoogleとかMicrosoftとかで、家族の風呂写真あげてるだけでアカウントBANされたみたいな話聞くと、おいおい何してくれてんだビッグブラザーって思う。ここらへんは同じように悩んでいる人がたくさんいる(参考: 機能的で検閲のないクラウドストレージ、ゼロ説 | 点と接線。)。
クラウド事業者がユーザのファイルをスキャンして、挙げ句「お前のデータはポリシー違反だ」として削除あまつさえBANするのは、ド直球の検閲だ。そんなビッグブラザーの運営サービス気持ち悪くて選ばれるわけないから、片手間にオンラインストレージサービスやってるGoogleやMicrosoftの傲慢がそうさせているんだろう。経済合理的にはそんな検閲して1ミリの得もないと思うが、GoogleにせよMicrosoftにせよ、なんかアレゲな連中にコア部分を乗っ取られている感あるなぁ。
しかし、専業のDropboxはそんなことでユーザが離れたら死活問題なので、しないんじゃないかな、多分。スキャンはしているらしいけど(クラウド検閲問題について)、実際にBANされたって人は聞かない。少なくとも僕は今まで無事です。調べても、Googleブラザーがバンバンしている検閲問題で一緒に名前が挙げられているという感じで、少なくともエロやらのせいでDropboxから永久追放されたという話は聞かない。サービス内容が地味でキラキラしてないし金も有り余っているわけではないため、アレゲな連中にまだ乗っ取られてないんじゃないか説。まぁこれは勝手な邪推だけど。
まーでも、今後はどうなるかわからんし、僕はこの機にアレなファイルは全部NASに移行した。別にアレなファイルじゃなくても、データがネットに流れないってのは、存外開放感があるものなんだな、と思った。ま、NASも悪くないな。Dropboxの契約2年くらい残ってるけど。
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