リップルノイズの小さな(数mVp-p以下)電源を探しています。できるだけ小型のものをと、当初はスイッチング電源を探していましたが、市販のものではどれも厳しく、結局リニア電源(シリーズ電源)を使うことに。
スイッチング電源でいけるか
直流安定化電源の重要なスペックの一つに、リップルノイズがあります。たいていの用途ではあまりシビアに考える必要もないかもしれませんが、たとえば高精度の観測機器に用いる場合などはノイズとの戦いですから、電源ノイズは一つ大きな問題です。
電源には大きく分けて、スイッチング電源とリニア電源があります。違いについては「第10回 電源のEMC対策|なるほどノイズ(EMC)入門2|TDK Techno Magazine」が参考になります。リニア電源はシリーズ電源ともいいます。恥ずかしながら、なぜシリーズ電源というのか調べて見るまで知らなかったのですが、安定化回路において抵抗を直列(シリーズ)に入れて制御することから、シリーズ電源と言うそうです(参考)。
リニア電源はでっかいトランスの塊なので、大きくて重い。排熱も大きく効率もよくない。できればスイッチング電源でいきたいところです。しかし、24Vくらいで探すと、だいたいのスイッチング電源はリップルノイズが100-200mVp-p程度、低ノイズを謳っているもので50mVp-p程度というのが標準的なスペックのようです。これではちょっと厳しい。これ以上のものを求めるのであれば、自分たちで設計して頑張るしかないのでしょう。
結局、リニア電源で探すことになりました。
電源探しの旅
必要な電圧がどうもハッキリしないのですが、可変式のものはやはり図体がでかい。その中でも比較的コンパクトなもので探していくと、以下のようなものが見つかりました。
- 菊水電子工業 PMX-Aシリーズ…コンパクト直流安定化電源(CVCC)
- 菊水電子工業 PMC-Aシリーズ…汎用コンパクト電源(CVCC)
- 菊水電子工業 PMCシリーズ…ローコスト・コンパクト電源(CVCC)
- 高砂製作所 TPシリーズ…【TPシリーズ直流電源】仕様
24Vなどよくある電圧のものであれば、COSELやTDKラムダの比較的小型なものが扱えるのですが。
- TDKラムダ NNSシリーズ…リニア電源 NNSシリーズ
- COSEL Gシリーズ…Gシリーズ|製品情報
TDKラムダは「スイッチング電源の専業メーカーです」といいながらしれっと出していますね。COSELのGシリーズは消費電力次第で幅50mmのものもありなかなか小型。リップルノイズも3mVp-p程度で問題なし。通販サイトでサクッと買えるし、これでよければ使いたいところです。
関連コンテンツ
関連記事
電子工作 の記事
- [2017年5月30日] KiCad 4.0.6でSW_PUSHのシンボルがすぐに見つけられなかったメモ
- [2017年4月1日] スペクトル線幅を周波数差から波長差に換算する
- [2017年3月21日] 光の位相速度と群速度が一致する場合
- [2017年2月23日] dB(デシベル)の計算を習得するための練習問題30問
- [2017年2月21日] データシートを読んで学ぶ、光ファイバ超入門
- ---本記事---
- [2016年6月8日] どうしてRJ45とD-sub 9pinのケーブルがあるんだろう
- [2016年4月8日] 一台でオシロ、スペアナ、FG他になるTektronicsのMDO3024が素敵だった
- [2016年2月8日] アナログオシロスコープとデジタルオシロスコープの違い
- [2016年2月3日] PCのカードから同軸の相手先にTTL信号が送れない場合(インピーダンス不整合)
- [2015年8月14日] ROMライター PECKER 11 の使い方
スポンサーリンク