ROMライター PECKER 11 の使い方

ROMライター PECKER 11 の使い方メモです。使用方法がわからず途方に暮れていましたが、このような古い機械にも関わらずネットで使用報告があり、たいへん助かりました。「AVALのROMライター PECKER-11で2732Aを焼いてみました - きょうのかんぱぱ」にあるとおりなのですが、自分なりに必要なところをまとめました。

目次

やること

やることは以下。

  1. ROMの中身の見方
  2. PECKER 11とPCで通信する
  3. ROMを焼く

また、PCとしてはWindowsないしMacを用います。Linuxは試していませんが、Macのやり方で大丈夫と思います。ただし、PC→PECKER 11にデータを送信するところはWindowsでしか成功していません…。また、関連記事として簡易ROMイレーサーの製作記事を置いておきます→予算2000円でROMイレーサー作成 : 或る阿呆の記

ROMの中身を見る

ROMのピン数に注意しながら、ROMを差し込みます。たとえば28pinの2732であれば、真ん中のBに取り付けます。

取り付けたら電源を入れます。操作に入るわけですが、まず基本的な操作体系について。 [SET] と [-] でセレクトして、[JOB] で決定、[RST] でキャンセル、のような操作になることが多いです。[SET] で決定することも多いですが。[A] [B] [C] [D] をポチポチ押していくと、どのような操作が用意されているかがわかります。

ROMの認識

さて、電源投入後はROMの認識を行います。[JOB] [SET] [0] でデバイスの自動認識を行ってくれるのですが、これで認識できない場合はマニュアルで認識させる必要があります。以下のように行います。

  1. [JOB] [SET] [1] [0] -> メーカーの設定
  2. [JOB] [SET] [1] [1] -> 型番の設定(2732とか)
  3. [JOB] [SET] [1] [2] -> 容量の設定(4KBとか)
  4. [JOB] [SET] [1] [3] -> 書き込み方式の設定(多分STANDARDでOK)

RAM Buffer にコピー

認識が終わったら、[LOAD] [SET] でROMの中身を RAM Bufer にコピーします。次に、[JOB] [0] でRAM Edit。これで中身を読むことができます。[SET] および [-] でアドレスを移動します。

PECKER 11とPCで通信する

PECKER 11とPCでシリアル通信を行うことができます。今のPCはシリアルポートのないやつがたいていだと思いますが、USB変換してやればOKです。

構成

59

PECKER 11 -> PC(USB) として考えます。まずPECKER11 のシリアルポートは25pinなので、25-9pinに変換してやます。また、端末 to 端末なのでクロスケーブルである必要があります。9pin変換後、今度はUSB変換し、PCに接続します。つまりは、
PECKER 11 -> RS-232C(25pin,クロス)ケーブル -> 25 - 9pin変換 -> RS-232C - USB変換 -> USBケーブル -> PC
というような構成になるでしょう。RS-232C - USB変換は恐らくドライバが必要ですが、PCのOSに対応しているものならなんでもよいと思います。下記のものはMacのドライバがあるし、メーカーよりLinuxでの動作報告(但サポートの対象外)もあります。私もRaspbian(カーネル3.18)で検証済です。この場合特にドライバを入れたりなどはしませんでした。

ちなみに、Raspberry Piでのシリアル通信については設定が必要で、そのあたりについては「Raspberry Pi でシリアル通信(Macも同様) : 或る阿呆の記」にまとめています。

PECKER 11 の通信設定

通信設定はなんでもよいといえばなんでもよいのですが、以下のように設定します。

  • [SET] [0] → D8 S1 NO # データビット 8bit, ストップビット 1bit, パリティ無し
  • [SET] [1] → 9600 # ボーレート 9600bps
  • [SET] [4] → Disable # フロー制御なし
  • [SET] [5] → Intel HEX # データ・フォーマット Intel Hex形式

PECKER 11から送信、PCで受信

設定したら、PECKER 11より信号を流してPCで受信します。このとき、PC側の設定はPECKER 11で行ったものに準拠するようにします。

Windowsの場合

Windowsの場合は、TeraTermなどのターミナルソフトを利用することになるでしょう。TeraTermの使用方法はいろんなところで解説されていますし、まぁそもそもメニューをいじっていればだいたいわかるはず。各種設定はメニューの「設定」→「シリアルポート」からいじれるということだけ記しておきます。

Mac、Linuxの場合

Mac、Linuxにおけるシリアル通信については、「Raspberry Pi でシリアル通信(Macも同様) : 或る阿呆の記」の「各種プログラム」節にあるとおりです。ここではscreenを使うものとすると、たとえば以下のように入力すると、待ち受けます。

$ screen /dev/tty.usbserial-FTFMT9HX 9600

tty以下については、/dev以下を ls してそれらしいものにします。screenの終わり方は、Ctrl-a Ctrl-k です。また、cuコマンドを用いる場合は以下です。

$ sudo cu -s 9600 -l /dev/tty.usbserial-FTFMT9HX

cuコマンドの終わり方は、~.と入力です。

PECKER 11からPCに送信

準備が完了したら、[JOB] [C] [SET] でPECKER 11から送信します。すると、下図のようにダラダラとIntelHex形式で流れてきます。

skitch

ROMを焼く

任意のバイナリデータを作成して、それをROMに焼きます。

PECKER 11の設定

基本的に前節と同様ですが、バイナリデータの送信ということで、[SET] [5] → BINARY でバイナリ形式を選択します。[JOB] [D] [SED] でPECKER 11が受信状態になります。

PCからPECKER 11にデータを送信

PCからPECKER 11にバイナリデータを送信します。WindowsではTeraTermなどのソフトで、バイナリであることに留意しながらファイルの送信をすればよいです。ただ、最初に書いたとおり、Mac・Linuxでのやり方がわかりません…。cuコマンドでは、~> でファイルを送信できるのですが、どうにもうまくいかない。binay変数をtrueにしたり、XON/OFFをOFFにしたり、バイナリではなくSTX/ETX設定してアスキーでやろうしたり、いろいろ設定をいじりましたが、何が間違っているのか…諦めました。やり方わかる人がいたら教えてほしいです。なおcuコマンドについては「cu - manned.org」が参考になります。

PECKER 11の受信が完了したら、RAMの中身を確認します。この設定だと、バイナリをそのまま流しているだけなので、データがちゃんと合っているかどうか、できればPCで受信して、元データとの整合性を確認したほうがよいでしょう。

ROMに受信したデータを焼く

RAMの中身が問題なければ、書き込みを行います。空のROMをセットして、[BLNK] [SET] で確実に空であることを確認した後、[PRG] [0] [SET] でROMの書き込みを行います。

以上で完了です。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次