少子化対策より労働生産性の向上を目指すべき

僕は独身で、アラフォーも見えてきた今、そろそろ生涯独身かなという覚悟を固めつつある。これは今どき珍しい話ではなくて、98%が結婚していた皆婚時代はとうの昔に終わっており、男性の生涯未婚率は3割にまで達しようとしている。

生涯独身とは? 未婚率上昇の背景・課題と新ビジネスへの動き:日経ビジネス電子版

ちなみに女性は2割弱。記事によるとそれぞれ10年後には5%ずつくらい上がりそうということだが、もっと上がるんじゃないかな。

結婚した男女の出生率ってあんまり変わってないので、少子化の問題って結局未婚男女が増えている問題やね。で、この問題は解決しないので、日本の少子化は今後も続くし避けられない。

なので、少子化対策なんてできもしないことを目標に掲げるより、確実にできるしどうあってもやるべきである、労働生産性の向上に力を入れたほうが社会の向上に役立つだろう。

ついでに、それができれば、結果として出生率も上がるものと思う。

少子化は必然

日本の少子化は絶対に避けられない。国は異次元の少子化対策とかなんとか言い張っているものもあるが、キャッチコピーはパクリで中身はただの中途半端なバラマキという、岸田文雄という人そのもので悲しくなる。恐らくこれを増税の言い訳にするのだろう。当然のことながらこれが一切出生率に寄与しないことは明白だ。なんならむしろ下げるだろう。

とはいえ、別に岸田文雄じゃなくても少子化に歯止めをかけることは極めて難しいだろう。結婚して子供を作るのは国民の自由意志に委ねられており、国に「産めよ増やせよ」と言われて作るものではない。

一人の未婚の国民として、何故結婚して子供作らないのか、あるいはできないのかと言われれば、様々な要因が思い当たる。そしてそういう国民が何千万といて、そこに通底するものはあるかもしれないが、しかし、原因を突き止めることは極めて難しいし、突き止めたところで、それが対応できるものかどうかはわからない。

個人的には、とどのつまりキャリアと金の問題だと思う。結婚に必要なキャリアと金を形成するのに時間がかかる。また、形成した後も、結婚と出産は主にキャリアにとって不利に働くことが多い。特に女性はそうだ。だから時宜に恵まれないとどうにもならない。

まぁこれについては色々な議論があるだろう。少子化の原因について考えることが無意味だ、とは言わないが、成果が出るとちょっと思えない

できることをやろう

それよりも、現実にできることをやるべきだと思う。それは労働生産性の向上だ。より少ない人数で、より多くの仕事をできるようにする

これはつまり機械化であり、システム化である。

日本には多くの無駄な仕事が存在する。僕も今週、年末調整で電子化された控除証明書を印刷して指定の封筒に入れるという、謎の儀式のためだけに出社した日がある。これは本来不要なはずの仕事だ。

こういう無駄をなくしていくことが大事だ。レジの店員は不要だし、公の場で叫んでる頭のおかしい人はさっさとガードマンに連行してもらってよい(なんなら戦闘用アンドロイドを配置してよいと思う)。

人間の仕事は機械化できない、システム化できないことに注力していくべきである。

人間は素晴らしく、できる仕事は常にある

このように言うと、一部の頭の良い人間しか仕事ができないのではないか、と思われるかもしれないが、そんなことはない。人間と機械の得意分野は大きく異なるからだ。

人間には多くの特筆すべき能力がある。まず認知能力。見てすぐにものを判別したり、雑音の中から自分を呼ぶ声を聞き取ったり。まぁ認知能力については、AIの発達によりかなり代替えされる部分も出てきたが、しかしそれは完全ではない。

そのうえ、高い身体能力を持っている。特に指が素晴らしい。僕は非常に不器用な人間だが、僕と同じように動く機械を作れと言われれば、天才ハードウェア技術者も生涯をかけることになるだろう。この素晴らしいハードウェアと認知能力を一体として持っている時点で、人間には価値があるのである。

もっとも、そうしてできる仕事はいわゆる雑務と呼ばれるものが多く、けっこうしんどかったりもする。退屈なことは全部Pythonにやらせよう、というプログラマなら一度は目にする書籍があるが、現実には退屈なことばかり全部人間がやることになる

しかし、退屈であろうがなんだろうが、仕事は仕事である。それによって人の役に立ち、経済的、社会的報酬が得られれば、決して悪いものではない

信頼の問題と仕事の未来

ここで問題となるのは、評価と契約だと思う。つまり、仕事を誰がどのように評価するのか、だ。そしてその評価が適正であると、どうして言えるのか。

これができないと、つまらない仕事を低い報酬で、しかしそれしかないために、皆が必死に取り合うことになり、しかも仕上がる仕事は安売りの結果なので低品質という、誰がどう考えてもディストピアでしかない世界が出来上がる。そうなってはいけないが、現状だとそうなりそうにも思う。現状のクラウドソーシングの実態がどうなっているのか気になるが、厳しそうな印象はある(その結果が今のGoogle検索なのではないか……)。ここらへん詳しい人がいたら色々話を聞いてみたいもんだ。

現状、人間のアドバンテージを使った仕事はどうしても低単価かつ、低単価には色々な意味で色々な人が集まるので、なかなかどうしてたいへんである。仕事の依頼人と受注者の間で信頼関係を築くのは容易ではない。恐らくだが、その信頼関係を築くための足がかりとしてクラウドソーシングを利用している人が多いのではなかろうか。

つまり、これは信用の問題である。これは解決できるのか?僕はビットコインにその可能性を見た。貨幣の源泉は発行元である国家の信用だが、ビットコインは信用を電力と仕組みで作ることに成功したのだ。これはすごい!ビットコインは電力を信用に変換する装置として広められた、最初の例だと僕は思う。

ビットコインができたように、信用は自然エネルギーと仕組みで作れるはずだ。これについて僕は今考えていることがあり、友人の発起したプロジェクトにのっかって、やろうとしていることがあるが、まぁこれについて書き始めると長くなるので、また別で。

現実を生きるしかない

まぁ最後にはちょっと胡散臭い話をしてしまったが、別にビットコインだのブロックチェーンだの言わず、今ある技術で今できるシステム化と自動化を進めるだけでいい。PDFを印刷して封筒に入れなくてもよいようにするところから始めようっていう、本当にそのレベルなんだ。これは技術の問題じゃないんだよ。政治と組織の問題なんだ。完全にできなくてもいい。少しずつでも、できればできただけ、その分だけ豊かになれる。

その先に、働きやすい社会ができる。働きやすい社会は過ごしやすい柔軟な社会だ。人々にも余裕ができる。余裕ができれば、結婚して子供でも作ろうかな、と思える人もきっと増えるあろうし、結果として、少子化にも歯止めがかかるんじゃないかなと、そんな風に思う。

将来の夢を語るのもいいが、我々が生きている世界は夢の世界ではなくあくまで現実の世界だということをゆめゆめ忘れてはならない。現実の努力を積み上げれば、かつては夢でしかなかったものも、現実となって見え始めるよ。

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