理由があったらできなくても仕方ない
と思ってるな、と感じることがある。これは特に甥に勉強を教えていて感じたことだが、会社の若い子(自分もこの言い回しを……)に対して感じることもある。これはなんやろ、今の学校ってそういう感じなんやろか。
と思ったが、そういえば昔は僕もそうだった気もする。少なくとも研究室に入るまではそうだったかな。自分のことを棚に上げているかもしれないが、しかしどこかで学ばねばならないことだと思う。
理由があってもなくても世界は変わらない現実
理由というのはその気になれば何事にもつけられるものなので、理由があってできない……と言っていると、永遠に言い続けることになる。つまり、永遠にできなくて仕方ない、ということになる。
というとなんだかマッチョっぽいが、別に僕は「だから無理してでもやれ」と言いたいわけではない。ただ、理由があろうがなかろうが、世界は変わらないし、起きるものは起きるし、その影響を受けるのは自分やからね?という話なのだ。
たとえば明日台風がくるとしよう。家はオンボロで、台風が来る前に戸締まりをしっかりしないと、めちゃくちゃになってしまう。ところが悪いことに、風邪引いてめっちゃしんどい。風邪引いてるから、そんな作業をするにはハードなのだ。
これは実に同情に値する。同情に値するが、残念ながら台風は来る。風邪引いてるなら仕方ないね、来週にするからそれまでに準備しといてね、とは当然ながらならない。よって、しんどかろうがつらかろうが、台風が来るまでになんとかしないといけない。ちゃんとできなくても仕方ないかもしれないが、少なくとも家がめちゃくちゃにならない程度には、がんばってやらないといけない。でないと、もっとしんどいことになる。
自然現象ならばわかりやすいが、程度の差こそあれ本質的にはあらゆることについて同じことが言える。自分の事情がどうあれ、それで世界は変わらないし、起きるものは起きるし、起きた結果は他ならぬ自分に影響するのである。
仕事も同じ
仕事もそうだ。期日どおりにできなかったとして、もちろん理由があれば聞くし、斟酌もする。でも、当たり前だがそれは成果にはならない。報酬がある以上成果は出して当たり前なので、成果がでなければ、評価が下がることはあっても上がることはない。
したがって、まずこのままでは成果が出ない、成果が出ないので評価もされない、という現実を見据えなければならない。そのうえで、対応を考える必要がある。
成果が出ない原因が一時的なもの(体調不良とか)であれば、とりあえず今回は仕方ない、次で取り返そうといえるかもしれない。そもそも構造的に問題がある(雑務が恒常的に降り掛かってくるとか)場合は、環境を変えられないか相談するのが良いかもしれない。
そもそも仕事が無理すぎ、しかも上はそれをまったく理解する気がない、自分はできる限りのことをやっているのに、というのであれば、転職するのが一番かもしれない。そもそも評価されなくていいんだぷー、成果なんぞ知るか、明日暮らせればそれでいいんだベイベーというのであれば、クビにされない程度にのらりくらりやるという選択肢だってあるだろう。
やるにせよやらないにせよ、すべてのことは選択だ。たとえそれが無自覚であったとしても。
世界は自分に影響されないが自分は世界に影響される
世界は変わらないし、自分は世界の影響を受ける、そういう現実を見据えたうえで、納得できる対応をしているかどうか。理由があったのでできませんでした、でも別にいいけど、それを積み重ねた結果の責任は自分が取ることになる。いいとか悪いとかじゃなく、現実にそうなる。現実の話。
未来は常に過去と現在の先にある。だから未来はある程度想定できる。未来は必ずくる。もちろん外乱は常にあるが、それでよくなることはあまりない。少なくとも、宝くじが当たるはずだと予定帳に書き込むべきではない。
このままいくとやがて訪れるだろう未来が思うようなものでないならば、たとえ理不尽でも、不合理でも、自分のせいじゃなくても、やるせなくても、そのリスクを回避するために、やるべきことはやらないといけない。
体得が難しい
なんて思うわけだが、こういうことは言ったところで伝わらんしね。まぁ伝える必要もないんやろうけど、正直仕事できるようになってくれんと僕がしんどいんやなぁ。これも現実。そして現実はだいたい変わらない。
僕も結局、自分のせいであろうとなかろうと、そんなことには関係なく変わらない現実が僕を追い詰めるという理不尽と向き合うしかないのだ、と体でわかるには時間がかかった。
しかし、そんな思いをしてほしくもないし、するべきとも思わないし、でもそうでないと学べないのだとしたら、人生はつらいものだなぁ。いや、でも戦争で徴兵されていないし、道を歩いていてマフィアに襲われる心配もあまりしなくていいし、よくなっているのはそうなんだろうけれど。
おおぉ……。
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