この前Twitterで「陰キャの私が好感度下げずに人の誘いを断れる最強戦術"コロナだから…"」みたいなのが流れてきた。これはネタとして面白おかしく書かれたものだから、真面目に突っ込むのは野暮なんだけれど、見た時はふふっとなったものの、思うところはないでもなかった。恐らく、半分くらいは真面目に書かれたものだろう、という風に感じられた。なので、半分くらいは真面目に受け取ってしまったんだな。実際引用リツイートはそこそこの地獄で、これだからバズは面倒だなと思うものの、つい一言言いたくなってしまう気持ちはわかる。
ということで、十くらい思ったことを言う記事。
陰キャだとか陽キャだとか
最初の違和感として、そもそもいい大人が陰キャだ陽キャだということ自体、なにか小っ恥ずかしさを感じる。ああいうキャラ付けは閉鎖的でやることのないキッズたちによる学校的価値観の産物だから、働き始めたらなるべく早く捨て去ったほうがいい。具体的には、自分や誰かを陰キャとか陽キャで雑に括らない。
ただ現実問題、依然としてそういう学校的価値観を引きずっている職場があることは確かだ。個人的には、そんな環境からはなるべく早く脱することができるようにキャリアアップを目指すべきだと思うけれど、まぁそう簡単にできることではないので、当面は耐え忍ばないといけないかもしれない。
ただせめて、自分で自分のことを陰キャと雑に括るのはやめたほうがいいよなと思う。ソシャゲのキャラ属性じゃあるまいし、人間はそんなにシンプルではないので、実態と乖離していて意味がない。それどころか、誤っているにも関わらず自己暗示的で、有害ですらある。
まぁ限られたスペースの中で、陰キャという言葉が端的に表現できて便利だったというのは大いにあるとは思う。楽な言葉ではあるんだよね。近い言葉では「根暗」があるけれど、ちょっと言葉が強い。陽キャとの対比もあるしね。これらの言葉は常にセットで、比較のニュアンスがある(そしてそれがすごく学校っぽい)。まぁでも、やめたほうがいいな、やっぱり。
好感度は下がる
次に「好感度を下げずに誘いを断れる」というような表現がされていたが、これは明確に違っていて、現実には好感度は下がる。というか、「うん、仕方ないね……」と言いながら、みんな腹の中では「そう言ってるけど、本当の理由は別にあるよね」って、それくらいのことは感じ取っている。言わないだけ。大人なので。そして陰で言うw
まぁでも、いいと思うんだよね。嫌なものは嫌なんだから断ったほうがいいし、角が立たない言い訳があるなら採用すればいいと思う。ただみんなバカじゃないので、言い訳されてもその奥底にあるそもそもの否定的な感情を敏感に感じ取るし、それを実際の行動に移されたことによって、好感度が多少下がるのも人間だから仕方ない。
ただ下がったところでなんなの?という話。人間誰しも性格はあるし、行きたくないものに行く必要はない。そんなことより業務時間中に仕事ちゃんとしてくれるかどうかのほうが100万倍大事。その程度の信頼の損失は業務で取り戻せる。仕事は仲良しグループを作ることが目的じゃない。
……というのはある程度の職場の話で、それがかなわないところは正直ある。誘いを断るのは侮辱だと受け取る、人間関係を上下関係でしか捉えられない種族が蔓延る環境は現実にある。まぁ件のツイの職場にはきっとそういう雰囲気があるんだろうな、と思う。
そういうところでは、大義名分は非常に重要なので、コロナが言い訳になるならどんどん使えばいいと思う。ただそれが建前だということはバレているので、角が立たないだけで好感度は下がるし、なんなら反感を買う可能性もあるが、その程度のリスクは背負わないといけない。逆に言うと、その程度のリスクでしかない。
まぁでも、上と一緒なんだけれど、やっぱりもっと良い職場環境を求めてキャリアアップすべきだと思う(結局それ)。
学校的な価値観は捨てるに限る
それにしても一つのネタツイがどうしてここまで気になったんだろうと我ながら不思議だった。こうして書いてみると、なんだか学校みたいで嫌だなぁと、学校嫌いの人間として感じられたのかもしれない。実際、学校を引き摺った職場なんだろうなと推察されるし、ツイ主もその価値観に知らずしらず染まっているんじゃなかろうか。
まぁでもね、あそこはね、本当に監獄みたいなもんだからね。捨てたほうがいいんだよ、さっさと。
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