GoogleのChatGPT競合「Bard」のデモ回答に誤り──天文学者らが指摘 - ITmedia NEWS
今更だけれど、Googleさんのやらかしたクソダサ案件につきまして。これ、Googleの公式ブログでサンダー・ピチャイ名義で書かれてたんだよね。最初RSSで配信されたのを読んだ時、「まーたGoogleはクソキモい例だしよってからに」と思ったんやけど、その回答が後日間違っていたことを知って爆笑。
まぁでも、あれだな、GoogleもTwitterと同じような状況に、少なからずなってるんやろなぁとは思った。
そもそも質問がイラッとする
先日、サンダー・ピチャイが公式ブログで世界に向けて晒した恥は、alphabetの株価を大いに下げたようだ(「ChatGPT対抗Google BardのPVにまさかの誤回答。株急落 | ギズモード・ジャパン」)。これは投資家の失望を表していると思うが、それは恐らくBardの信頼性というより、Googleという会社の現状に対する不安なのではなかろうか。Chatbotが間違えるなんて当たり前のことで、それ自体が問題視されたとは思えない。
まぁ間違いを堂々と公式ブログで発信してしまう体制が大いに問題なのはもちろんあるが(僕の所属する会社の技術ブログだってもう少しチェックが入るぞ)、それより僕が思うのは、まず質問内容がなんだよってことなんだ。
ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)による新発見の中で、9歳の子供に教えられることは何?
例示としてめちゃくちゃイラッとする。え、もしかしておしゃれなこと言おうとされてます?あ、すみません、普通でしたか。すみません下賤で。
いや卑屈になっても仕方ないんだけどさ。でもこれが初めてじゃないからなぁ。Googleっていつ頃からか、こうなんだよ。
ユーザ目線じゃない
あれはGoogle Meetの時だったかなぁ。ちょっと該当記事が見つからないのでうろ覚えなんだけれど、公式ブログで待望のGoogle Meetが出ました、これでヨガのオンラインレッスンがクールにできますわよみたいなこと書かれていて、相当イラッときた覚えがある。ヨガのオンラインレッスンってそんなにメジャーか?最初に言うことがそれでいいのか?お前らの設定するペルソナは六本木の有閑マダムなのか?
ってなことを思った記憶があるんだよ。確かGoogle Meetの時だったと思うんだが。ビデオチャット系のはず。記事保存しとけばよかった。
まぁいずれにしても、「お前はダサいからうちの顧客にふさわしくない」と言われているような気分になったのは確かだ。Google Meetはスタバとヨガ教室以外での実行は許可されないのだ。
まぁ今回も本質的には似たようなもので、限られた時間であげられる数少ない例示に「9歳の子供にJWSTによる新発見について教える」なんてシチュエーションを採用すること自体、市井の庶民の求めるものではなく、キラキラした何かを優先しているように見えるんだよ。とにかく、ユーザ本意ではない。なんかいい感じなだけで、中身がない。
いやさ、サンダー・ピチャイがめっちゃ天文大好きの元天体少年で、お小遣いためて天体望遠鏡を買っていたとかならわかるんだけど、絶対天文なんか興味ないやん。興味ないからこんなことになったわけやん。
つまり、別に知りたいとも思ってないし興味もないんだけれど、「なんとなくいい感じ」だから質問例として採用したんやろ。それ自体が、Googleという会社の現状の一面を表出してしまったんじゃないかと思える。
Twitterもキラキラするだけのイキリ専門家たちにコアを乗っ取られていたことがイーロン・マスクの買収で白日の下に晒されたわけだが、GoogleもTwitterほどひどくはなかったとしても、けっこうやられているんやろね。まぁビッグテックというか、有名企業はだいたいどこもそうなんかもしれんが。
本物じゃないんだよな。興味もない、関心もない、ただいい感じというだけのまがい物。
Googleはかつて憧れだった
Googleはかつて憧れだった。Google検索はたしかに素晴らしかった。まぁそれは、昔サイトを制作する人は商売っ気のないアーリーアダプターでクオリティが高く、天然のフィルタリングがかかっていたからこそだったのは大いにある。でも、Googleはあの頃確かに世界を広げてくれる側だった。
今なおGoogleは巨大であるし、エンジニアにとって憧れの企業の一つだ。だがそれは雇用条件と社会的ステータスによるものだろう。Googleのサービスやプロダクトに惚れ込んで入社を熱望する人が、今果たしてどれだけいるのだろうか。またいたとして、彼らの熱意は続いているのだろうか。
今のGoogleはユーザを見ていない。Googleはユーザが調べているのはJWSTではなくJKだという現実を認めない。でも自分だって本当は興味がないから、間違いに気づかず世界に恥を晒してしまう。だっさいなぁ。
港区女子じゃあるまいし、キラキラした自分の演出はやめて、もう一度ユーザを見てくれないだろうか。かつてそうしていたように。それができれば、GoogleのAI Chatも多少は期待できるかもしれない。
コメント
コメント一覧 (2件)
はじめまして、拝読いたしました。「なんかいい感じなだけで、中身がない。」というご意見がとても痛快です。
あと、twitterで紹介されていた記事の「Googleが始めたサービスで生き残ってるのはHotmailのコピーだけ」も笑いました。
この記事を読んで、Google検索の強みはシンプルで見やすくて高速で正確な所にあって、それがゴチャついたYahooなんかと比べて輝いて見えたんだなあと思えて来ました。
検索した先でどんな思いをするかなんてユーザーの勝手で、昔の彼らはそんなトコまで首を突っ込んでこなかったと思います。
絶頂期にあるストリーマー文化だって、Youtubeというシンプルで分かりやすくて使いやすい箱の中で自由にやらせた結果やろと。
でもどこの企業も高付加価値路線に何とかして乗ろうと右往左往した挙句「顧客体験」なんて物に余計なお世話を焼き始めて……
行きつく先は頭キラキラ西海岸にはオレみたいなヤツがいっぱいいるぜ路線なんですよね…。
名著「ビジョナリー・カンパニー」に書いてあった、「自分たちの絶対的な強みとなるポリシーを見出し狂信的に実行しろ」ってこういう事なのかぁと思わされました。
実行すべきは「かつてキラキラした天才たちが生み出してユーザーが評価したものを見出すこと」であって、「キラキラすること」じゃないでしょうに。
長文失礼しました。今後も拝見させて頂きます。
はじめまして。
昔の彼らは自由でしたね。少なくともそうさせてくれた、その結果を拾い上げてくれていた、という実感が一個人としてあります。
検索窓が一つ置いてあるだけのHOME画面は、Googleの哲学そのものでした。
いつ頃からか、ユーザが見たいものではなくユーザに見せたいものを見せるようになってしまったのは悲しいことです。
かつてユーザとGoogleは相思相愛でしたが、今は相互不信で、互いに利用する対象になってしまいました。
更新頻度が上がったり下がったりする拙い個人ブログですが、どうぞ見ていってください。
色々と考えるきっかけになれると嬉しいです。