[最終更新] 2016年8月12日
ダメ元で言うだけ言った感じだったのですが、職場でTektronicsのMDO3024を買ってもらえてたいへんハッピーです。これはオシロスコープなのですけれど、オプションでスペクトラムアナライザ、ファンクションジェネレータ(以下FG)、ロジックアナライザ、さらにプロトコルアナライザの機能などを付けて、すべて一台で済ませられるという優れものです。
オールインワンな測定器
スペアナはもちろんソフトウェアのなんちゃってではなく、ハードウェアとして実装されます。以前「テクトロニクス Chris Witt氏:“6-in-1”オシロに手応え、RFとパワーを狙う (1/3) – EE Times Japan」の記事を読んで、これは欲しいなぁと思っていました。
測定器として考えればたいへんお値頃だと思いますが、やはり安くはないものなので、使わない機能を無駄に付けてもしようがありません。ロジアナは正直ちょっと欲しかったのですけれど、ひとまずスペアナとFGの機能だけ付けてもらいました。それだけでも、3台の測定器を使って行っていた試験が、たった1台の測定器で行えるのですから、有難いことです。荷物は少なくて済むし、設置スペースも小さくて済むし、なにより電源コードが一つで良い。たいへん嬉しいですね。精度がいかほどかはちょっとわかりませんが、この測定器一台で済ませられる試験は多いと思います。これと、ハンディなVNA(ベクトルネットワークアナライザ)を用意すれば、もうほとんど全部出来てしまうのは、素晴らしいことだなぁ。
自分で自分に正弦波
現在差し迫って何かしなくてはいけない試験があるわけではありませんが、普段使っておかないといざという時にも使えません。というわけで、早速いじらせてもらいました。適当な写真ですが、背面にあるFGの出力から、前面のRF入力で受けて、スペクトラムを表示しています。
しっかりピークがたっています。オシロスコープとは思えません。オシロスコープとして使ってないのだから当たり前ですが。もちろん、4chのオシロスコープとしても便利に使えそうです。計算機能もついています。ただ、FGの出力設定がVpp単位しか見当たらないのですが、dBmでの設定はできないのでしょうか。まぁ無いとどうにもならないものではないですが…。
とはいえ、実際の使い勝手は実践で使ってみないことにはわかりません。重さも軽くて持ち運びも楽そうでしたし、早く使ってみたいですね。
追記:使ってみました
あれからしばらく経ちまして、使う機会がありました。というか使っています。
感触としては、基本的にオシロスコープとして使い、時々スペアナやFGとしても使う、という使い方にマッチしますね。オシロスコープとしての機能は十分です。一方、スペアナ、FGの機能は、おまけとまではいいませんけれど、本格的にちゃんと使うのであれば、やはり専用機が欲しいなと思いました。
オシロ中心の試験で、「ちょっと周波数帯域でもみたいな」と思ったときは、そのためにいちいちスペアナ立ちあげなくてよく、またオシロのFFT機能よりは扱いやすくかつ信頼性もあると思うので、良い感じでした。ちょっとちゃんと思い出せないのですが、使っていて「あれ、この機能がないのか」と思ったりもしたので、やはり専用機ほどの使い勝手はさすがに望んではいけないでしょう。FGは、出力設定にdBmが無いのが高周波を扱っている身だと不便です。
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