スペクトル線幅を周波数差から波長差に換算する

[投稿日] 2017年4月1日

レーザーのスペックにスペクトル線幅があります。1MHzとか狭いやつだと10kHzとか。とあるレーザーでこれを波長差に変換するとフェムトメートルとかそんな単位になると言われ、そんなにと思い、ちょっとちゃんと計算してみることにしました。やってみると案外ひっかかりました。

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換算式

以下のようなスペクトルがあるとします。

スペクトル

ここで、\(\lambda_{1} = \lambda_{0} – \lambda, \lambda_{2} = \lambda_{0} + \lambda\)とします。また、\(c=f \lambda\)です。

さて、図のように線幅が波長で与えられていれば、波長差⊿λはすぐわかりますが、周波数差⊿fで与えられている場合、波長差⊿λは計算しないとわかりません。この計算はけっこう面倒で、結論を書くと以下のように書けます。

\[
\Delta\lambda = \frac{\Delta f \lambda_0^2}{c} = c \frac{\Delta f}{f_0^2}
\]

ここで、\(\Delta\lambda\)が波長差[m]、 \(\lambda_0\)が中心波長、\(\Delta f\)が周波数差[Hz]、\(f_0\)が中心周波数、cが光速です。

たとえば、\(c = 3 \times 10^{8}\)として、1550nmで1MHzの線幅だとすると、約8fm(\(8 \times 10^{-15}\)m)になります。フェムトメートル……。

式変形

実際に式を変形させて、上式を導出します。

\[
\begin{align}
\Delta f & = f_{1} – f_{2} \\
& = \frac{c}{\lambda_{1}} – \frac{c}{\lambda_{2}} \\
& = c \frac{\lambda_{2} – \lambda{1}}{\lambda_{1}\lambda_{2}} \\
& = c \frac{2 \lambda}{\lambda_{0}^{2} – \lambda^{2}} ( ∵ \lambda_{1} = \lambda_{0} – \lambda , \lambda_{2} = \lambda_{0} + \lambda) \\
\Delta f(\lambda^2 – \lambda_{0}^2) & = -2c \lambda \\
0 & = \Delta f \lambda^2 + 2c \lambda – \Delta f \lambda_{0}^{2}
\end{align}
\]

2次方程式の解の公式よりλについて解くと

\[
\begin{align}
\lambda & = \frac{-2c + \sqrt{4c^{2} + 4 \Delta f^{2} \lambda_{0}^{2}}} {2 \Delta f} \\
& = \frac{-c + c \sqrt{1 + \frac{\Delta f^{2} \lambda_{0}}{c}^{2}}}{\Delta f}
\end{align}
\]

ここで、\(\sqrt{1 + x}\)においてxが十分0に近い時\(1 + \frac{x}{2}\)と近似できることを利用すると(参考「一般化二項定理とルートなどの近似 | 高校数学の美しい物語」)

\[
\begin{align}
\lambda & = \frac{-c + c(1 + \frac{1}{2} (\frac{\Delta f \lambda_{0}} {c})^{2})} {\Delta f} \\
& = \frac{\Delta f \lambda_{0}^{2}} {2c}
\end{align}
\]

よって

\[
\Delta \lambda = 2\lambda = \frac{\Delta f \lambda_{0}^{2}} {c} = c \frac{\Delta f} {f_{0}^{2}}
\]

以上。

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