メインデスクトップマシンのMac mini 2012をFusion Driveにしてから一ヶ月以上経ちました。実際の使用感から、どういう人にオススメできるか、考察します。
2016年10月追記:使い始めて1年ほどたちますが、調子よく使えています。
2018年3月25日:まだ調子よく使えてます。最近SSD容量は大事かもと思いました「Fusion Driveと純SSDの分かれ目…5年前のMacBook Airが最新のiMacに勝つ時 – 或る阿呆の記」
Fusion Driveにしました
今回構築したFusion Driveは、SSD 480GB + HD 1TB の構成です。この構成は贅沢な構成だと思いますが、それでもiMacを購入していたかもしれないことを思えば、25万円近い節約なわけで、1TBのSSDを買ってもよかったんじゃないかと思ってさえいます。まぁしかし、ストレージを換えたところでロジックボードなどが故障すればどうしようもないし、また次のMacで2.5インチSSDが果たして使えるかも未知数ですから(現行ラインナップだともはやMac miniくらいですが、そのMac miniがもうちょっとねぇ)、まぁこんなものでしょう。長く使えるとよいのですが。
Fusion Driveの良い点
Fusion Driveの良い点は、なんといってもローカルにデータを気兼ねなく置けるところです。
iTunesのデータなど、どうしてもローカルに置いたほうが勝手がよいけれど、SSDだとちょっともったいないなぁというデータはけっこうあります。安定した運用という面からいくと、なんだかんだでローカルが一番です。しかもパーティションなど余計なことを考える必要もないので、とても楽です。標準のミュージックフォルダやピクチャフォルダ、ドキュメントフォルダにもガンガンデータを突っ込めます。標準のディレクトリ構成をそのまま使えるのは外付けにはない良さですね。個人的に、一番の肝はそこだと思います。外付けだと、リンクを張ったりとか、アプリ側で保存先を変えたりといった作業が必要になりますから。
まぁとはいえ外付けも手軽で悪くはないのですけれど、どうしても五月蝿いし不格好です。電源も余分に使うし。最近はバスパワーで静音・コンパクトなものが出て久しいですが、それだと容量が微妙ですし(3TBくらいならあるようですが)、だいたいそういったものは持ち運んでなんぼのものであり、据え置きにしてしまうと本来の携帯性を発揮させられず、また安定性など考えると果たしてどうだろうかと思ってしまいます。ケーブルを机の上から1本減らせるだけで嬉しいですしね。
Fusion Driveの使い勝手
さて、ではFusion Driveは実際のところどうなのか、1ヶ月以上使用した経験から書きますと、SSD寄りの体験ができます。あくまでSSD寄りであって、SSDと同一なんてことはもちろんないです。Fusion DriveはHDをSSDに変える魔法ではありませんから、HDのデータを使った作業になれば、当然HD並の速度になります。
これがもっとも顕著だったのは仮想マシンでの作業時で、明らかにHD側のデータだったせいか、「あーそういえばHDって遅かったなぁ」ということを思い出させてくれました。最近はSSD側に移されたのか、だいぶ快適になりました。学習してくれたのですね。
冒頭に書いたように、私の構成はSSD 480GB + HD 1TBという贅沢なものですから、多分ほとんどのデータはSSD側にあるはずです。ですから、これが一般的な構成、つまりSSD 128GB程度であると、作業によってはかなり不便を感じるところが多くなるのではないかな。少なくとも、仮想マシンなど大容量かつストレージの速度が大きく響くようなアプリケーションを使う人間は、結局大容量のSSDを用意しないと辛いでしょう。
ただ、前節で述べたとおりFusion Driveは音楽データなども気兼ねなく置けるのがよいところです。気兼ねなくというのはほんとうに気兼ねなくで、標準のフォルダに何も考えずにデータを突っ込める。パーティションとか考えなくてよい。わざわざリンクとか作らなくてよい。これがとても嬉しい。人間がかけてきた一手間をマシンが肩代わりしてくれるのだから、これは技術の正しい使われ方だと思います。
ただこれ、デュアルブートなどはどういうことになるんでしょう。普通にできるのかな…(Dual boot OSX/Ubuntu on iMac fusion drive (step 3 install ubuntu ??)」)。それと、SSDとHDのどちらかが故障してもダメなわけで、リスクは単純に倍以上だなぁという。実際、HDだけが故障した場合とか、どういう症状になるんでしょうね。SSDとHDのどちらが故障したかなんて、どうやって判定すればいいのか……一個一個試すしかないんだろうなぁ。トラブル対応は面倒臭そうです。
Fusion Driveはどんな人にオススメか
以上、Fusion Driveを使ってきた雑感ですが、結局どんな人にオススメできるかと言うと、大きなアプリケーションを利用せず、かつ音楽など大量のメディアデータを保有している人にはオススメです。一般的な人ともいえます。NASというものも世の中にはありますが、ネットワーク経由よりもローカルのほうが当然データは扱いやすい。特にiTunesを使うならそのほうがよいです。NASはトラブルの種です。
一方、仮想マシンなど大きなアプリケーションを利用する人にとっては、微妙なところです。まずこの手の人にとっては大容量のSSDはマストで、必要なものです。しかし、大容量のSSDを用意すると、Fusion Driveの有り難みが薄れます。それどころか、トラブル時の対応が煩雑になりそうですから、考え方によってはデメリットのほうが大きいかもしれません。しかし、ローカルに標準構成で気兼ねなくデータを置ける恩恵には預かれますから、それを大きいと見るか、それとも運用のシンプルさを選んでSSDオンリー+NAS、外付けなどの構成にするか、それはその人の考え方次第となりましょう。なお私はFusion Drive + NAS です。トラブルどんと来い。嘘です。平和が一番。
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