メルカリってほんとすごいよね。いや、個人的には使ってないんだけど。まぁでもシステムとサービスはやっぱりすごいなって。転職の時に受けてみたけど余裕で落ちた思い出。でもメルカリは数少ない国産ITの雄だし頑張ってほしい。
そんな雄のメルカリの山田氏のインタビュー記事が上がっていた。
「男性中心の会社のままでは絶対に成長が止まる」メルカリ創業者が抱いた危機感の正体 多様な顧客をつかむ不可欠な要素 | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)
雄のままじゃダメらしい
雄じゃダメなんだよ、ということで、言っている内容について特に異存はないんだけど、ただそれはそれとして、こういう話を聞いていつも思うのは、「それ男同士でも一緒なんやけどなぁ」ということだった。
たとえば以下の言葉。
僕自身、スタートアップの世界で生きてきて、ハードワークも厭わないマッチョなタイプだったのですが、今はそういう働き方や意識では、企業として持続的な成長は難しい。
これ自体はそうなんだけど、ジェンダーの文脈で語られるのはなんでだろうと思う。男だってハードワーク大好きな人ばっかりじゃない、というか嫌な人が多いと思うけどな。
ちなみにこの話は世代論でもよく出る話で、「今どきの若者はハードワークしたくない」説とかよくみるけど、今どきじゃなくても昔からしたくない人のほうが多いやろ、といつも思う。ただそういう考えをぶった切ってきただけでしょ、っていう。
あとここ。
欧米や新興国では女性にもコンピューターサイエンスが人気です。スタンフォード大でも女性が多い。それはエンジニアが稼げる、フレキシブルに働けるという利点が理解されていることも大きいと思います。
男も稼ぎたいしフレキシブルに働きたい人のほうが多いと思う。男だったら稼げなくて硬直的な働き方が好きとかそんなことはないです。
それとここ。
今のメルカリのように、大規模なサービスをみんなで作っていくような仕事では、エンジニアとしての能力だけでなく、仲間とコミュニケーションを取りながら円滑に進めていく能力も求められます。その部分では女性が得意なところもあり、能力を発揮しやすい世界になってきているのです。
男でもコミュニケーション(ここでいうコミュニケーションとはもちろん決してうぃーいとかオラオラなことではない)が得意な人はたくさんいるわけで、特別女性にとって能力を発揮しやすいということはないんじゃないかと思う。むしろ、男でそういう人を評価してこなかった面もあるんじゃない。逆に、女だからって調整仕事してよねとか言われたら嫌な人はたくさんいるだろうし。
男というか、マッチョだね
結局のところ、男というより、マッチョ中心社会、ということなんじゃないないかな。マッチョなんて男でも一部の趣味であって、大半はマッチョなんか御免被りたいんだけれど、男同士だと、なんかそれが言いづらい、っていう空気はある。軟弱の誹りを恐れて、つい気張っちゃう、みたいな。
でも男が女に「なんでお前マッチョじゃないの?」は言えない。男同士だったら暗黙の了解でマッチョが勝っていたけれど、今までのやり方が通用しない。かといって、昨今の情勢からビジネス的にも女性の存在感は大きくなっているし、また社会的な問題もあって、女性を無視するわけにもいかない。
ということで、女性を組織に取り込むにはどうしたらいいか、ということが話に登るのだが、そこで語られることっていうのが、「無理のないフレキシブルな働き方」であったり「共感、理解、コミュニケーションを重視する」であったり、いや、それ、男同士でもそうしてほしいんやけどなぁ、っていう。
男同士でも一緒やで
男女平等の文脈で語られる具体的なことって、だいたい「本当は男同士でもそうあってほしいんだけどな」と思うことが多い。
昔、男しかいないチームで、そこではまぁ普通に半裸で歩き回るとかもあったんだけれど、そこに女性が合流することになって、「女性がくるのでそういうことはやめましょう」みたいな話がミーティングで上がったのさ。いやね、正直、男同士でもやめてほしかったよ僕は。あれ、半裸問題だっけ?なんかよく覚えてないけど、そんな感じの話。要は男子校ノリやめようねっていう話なんだけど。みんないい人たちだったけどさ。ノリは多少しんどい面もあった。
女性がきてからは、なんか全体的にみんなシュッとしたというか、人に気を使う傾向が出てきて、「もう、やっぱりちょっとカッコ悪いなって、わかってたんやん」と思った。そんな経験もあって、僕はあらゆる組織の男女比率は同数が最適論者である(まぁ実際はそうはならんだろうけれど)。
属性が一緒だと偏る
「属性が一緒」であることによって、同調圧力みたいなものが生まれやすいんだろうな、というのはすごく思う。で、そこで求められる同調って、実は思われているほど皆に受け入れられているわけではなかったりする。でも、否定しづらい。
繰り返しになるけれど、男の話でいうなら、仕事第一でハードワークも厭わず、男たるものかくあるべし、なんていうマッチョな考え方は、男だって嫌なんだけど、男同士だと何か否定しづらいものがあった。
マッチョなだけじゃダメだったんだね、ってそんなこと男同士でもそうなんだけれど、まぁ是正されるなら、そのきっかけが男女平等だろうがなんだろうがなんでもいいよ。
男女平等は(だいたいの)男を救う
もっとも、男女平等を語るうえで必ずといっていいほど出てくるジェンダーギャップ指数は、実際の幸福とほとんど関係ない、という指摘もある。
世界120位「女性がひどく差別される国・日本」で男より女の幸福感が高いというアイロニー 男性優位社会で男が低幸福度のワケ | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)
これはまぁ実際そうだろね。僕も、ジェンダーギャップ指数はあまりに恣意的な指標だと思う。まぁでも、日本の場合、つべこべ言わずジェンダーギャップ指数の順位を上げることに注力するのは一手だと思うよ。その過程で、少なくとも男性の幸福度は上がると思う。
男女平等社会っていうのは、個人的には女性よりむしろ多くの男性にとって救いのある社会だと思っている。一夫一妻が、女性よりもむしろほとんどの男性にとって有り難い制度であるように。そして、それは最終的に社会を強くするだろう。だって、そのほうが実はみんないいんだからね。
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