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サクラレビューってなんでヤラセってわかるんだろう

なんだかんだでAmazonは便利なんだけれど、レビューについてはもうほんと終わってるというか、サクラで溢れてしまって機能していないジャンルもけっこうある。Amazon側も全然真面目に対応する気はないらしい。

まぁそれはいいんだけれど(いや良くないけれど)、それにしても人間が一見して「これはサクラレビューだな」ってわかるのは何故だろう、なんて考えていると、これはこれで興味深いことだと思った。

目次

レビューの分析

たとえばこういうレビューがあるんよ。

タイトル:良品質、買う価値がある!
元のAirPods充電ケースが壊れています。 これまでのところ、見た目は良く、急速充電、非常に手頃な価格です!私はこれで満足です。

AirPods充電器互換品のレビュー。

別に日本語として完全に間違えているわけじゃないし、意味もわかるんだけれど、あーこれは日本人のレビューじゃないし、一生懸命日本語で良さを伝えようとしているレビューでもないな、売り側のヤラセだな、ってわかる。なぜだろう。一文一文考えてみる。

良品質、買う価値がある!

これレビュータイトルなんだけれど、もうこの時点でひどいよな。お前はヨドバシの店員かよ。いや店員もこんなこと言わないと思うんだけれど、なんかこう、拳を振り上げ唾飛ばして力強く製品を売りさばこうとしている店員の姿が思い浮かぶんだよな。

良品質、ってね。High Qualityをそのまま直訳したのかな。

まず品質、という言葉を日本人はレビューであまり使わない。業務ではよく使うけどね。僕なんかはレビューで使うこともあるけれど、それだって「品質が良い」ということはあっても「良品質」とは言わない。まぁ強いていうなら高品質かな。ただ品質という言葉を使う人のレビューはね、もっとマニアックで長ったらしいし内に秘めた熱みたいなもんが伝わってくるもんだよ。多分、qualityよりも品質という言葉のほうがニュアンスとして強いんだろうね。

買う価値がある!の違和感。なんだろうね。言わないよな。こんなこと。「買う価値がありますか?」って疑問文ならおかしくないんだけど。

売り手なら使うかもな。つまりこの人は、売り手目線でレビューを読む人に向けてこの言葉を使っているのだが、そこに店員感が滲み出ているわけだ。

日本人がカスタマレビューで読み手を後押しするようなレビューを書く時って、よほど気に入って人に薦めたい時なんだが、それならばこの簡素なレビューはなんだよっていう、熱量のアンバランスさ。

一般の消費者が書くときは、(自分にとって)価値があった、というような書き方になるだろうな。購入者が書くなら、「買った価値がありました!」か。でもこれも変だな。「買う価値がありました!」も変だ。「買う価値」は買う前に使う言葉なんだよな。

「値段分の価値はある!」ならば使う。でもこれは高いがそれだけの価値はあった、という時の用法だ。このレビューは純正品の互換品のレビューで、互換品のウリは安さなのだから、やはり適切ではない。

あーそうか、日本語で価値はあるか?と聞く時って、そもそもある程度高い製品について、「それだけの価値はるのか?」っていう思い込めて聞く言葉なんだ。だから、安さがウリの互換品で価値云々の言及はそもそも不適切ってわけだ。

というか、互換品を買う人は、その製品の本質に価値があることを既に知っている。なので、「純正品に劣らない!」とかそういうアピールになるはずだ。これは日本語だろうが英語だろうが中国語だろうが言語によらないと思うので、元のレビューがそもそも適当ってことなんだろうな。

あと、あんまり「!」は使わないね。頭悪そうに見えるよ。

元のAirPods充電ケースが壊れています。

違和感の塊。元のAirPods充電ケースとは。

「元の」より「付属の」かな。でもそもそも「付属の」はなくていいね。AirPods充電ケース…フルネームで書かないよな。充電ケース、だけで十分だな。「付属の充電ケース」または「充電ケース」。

時制も変だな。「壊れています。」じゃなくて「壊れた。」だろうな。壊れていますって書かれると、部屋の中で壊れた充電ケースを呆然と眺め、どうすることもできないまま時ばかりが過ぎていく、そんな光景が思い浮かぶ。

というかそもそも充電ケースってそんなに壊れるだろうか、という疑問。あれが壊れたらまずAppleに対する怨嗟が文章からにじみ出ると思う。買う価値がある!に!つけるなら、ここでこそ!を使いたいね。「充電ケースが壊れた!」。ついでに「ちょうど一年たって」、なんて言葉がつくとなおよしか?いや、ある日突然充電ができなくなってしまった、という状況説明をするのが日本的な気もする。

うーん。そもそも状況設定が無理があるよな。「充電ケースをなくしてしまいました。」くらいじゃないかねぇ。

そして……あれ、充電ケースなのかな。充電器じゃないのかなぁ。まぁこれは微妙なところなんだけど。

これまでのところ、見た目はよく、急速充電、非常に手頃な価格です!

付属の充電ケースの話から唐突な製品説明。しかもまず言及するのが見た目。なんでやねん。looks goodか?おそらく元の言語では「ちゃんと動いているっぽいね」くらいのニュアンスだったのだろうと思う。

そして突然の機能アピール。急速充電の唐突さよ。そうだよね、機能アピールしたいよね。店員かよ。

続いて突然の価格アピール非常に手頃な価格です!だから店員かよ。あとここで!使うのかよっていう。まぁでもそうだね、一番のアピールポイントだもんね。店員かよ。

私はこれで満足です。

中学生の和訳か。不必要な主語・目的語、指示語・助詞の不自然さ。ある意味完璧な和訳である。

まぁ日本語なら「満足です」の一言だね。ただそもそもいるのか?とは思うが。使い勝手について個人の感想的なものを入れよ、というマニュアルでもあるのだろうか?まぁそれにしたってやる気のない感想だ。

アレンジしてみた

全体的にヘタクソなチラシを中学生が直訳したような感じだ。もうちょっとマシにできないか書き換えてみた。

タイトル:純正品より安い

付属の充電器をなくしてしまい、純正品は高いので、安さに惹かれてこの製品を買いました。今のところ問題なく使えています。満足です。

まぁ違和感はないがお前ほんとに使ってんの?って感じはする。もうちょっとアレンジしていいなら。

タイトル:純正品と変わらずに使える

付属の充電器をなくしてしまいました……。純正品はお高いので、安さに惹かれて購入。本当に使えるか不安でしたが、購入して1ヶ月、今の所問題なく充電できています。急速充電もできて、充電速度も問題なし。

くらいにしておくとヤラセ臭さを減らして商品アピールできるのではないか。

いやまぁそもそもヤラセすんなよって話なんだけどさ。

まとめ

  • 主語・目的語・指示語・助詞に見られる日本語としての不自然さ
  • 言葉のニュアンスを訳しきれてない
  • 元言語で書いた思われるレビューがそもそもクソ

こんなのが溢れている。Amazon.co.jpのレビューは多くのジャンルで既に機能していない。おかしいって、普通の人が見たら一目瞭然なんだけどね。AIだのなんだの言ったところで、現実はこんなもんさ。

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