金利は正常、日本は異常:今日も値上がりに泣く俺たちの明日はどっちだ

僕は経済については素人なのだが、素人だろうが玄人だろうが経済的ショックは等しくやってきて、僕の小銭がめちゃくちゃになる恐怖、というのはある。そうでなくても経済と仕事の関係は切っても切り離せないので、一応人並みにニュースを追いかけて、自分なりに後悔のないよういろいろと考えて対策を打っている。

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金利のある世界は正常なのか

最近の気になるニュースは、日本国債10年の利回りが2%近くまで急上昇している(「長期金利1.935%、18年ぶり高水準 利上げ観測と財政悪化懸念:朝日新聞」)、というものだ。

https://stock-marketdata.com/jgb.html#toc15

これはリーマンショック前くらいの水準で、歴史的には別に高いわけではなく、リーマンショック前くらいと同じレベルだ。なので、「今までが異常だった、これは正常化だ」という風にも言われる

それ自体は多分論理的にそのとおりなのだと思う。金利は資本のコストで、金利がゼロなら理論上は永遠に借り続けることができる。まぁ現実はそこまで極端ではないにせよ、金利が下がるほどそういう世界に近づく、のはそうだろう。政府が補助金などで企業を救うような道を作り、それを利用して借り続けるならば、それは資本主義というより社会主義というべきに思える。

日本は正常なのか

一方で、金利のある世界が正常なのはそうだとしても、それでは日本は正常なのか、という疑問はある。たとえば財務省のデータによると、日本の債務残高のGDP比率は2025年現在230%とのことだ。

https://ecodb.net/exec/trans_country.php?type=WEO&d=GGXWDG_NGDP&c1=JP&s=&e=

ヤバいヤバいと言われるアメリカが120%であることを思うと、ヤバいどころの話ではなく、少なくとも金利負担の重さはアメリカの倍だ。これだと本当に政府は借金を返せるのか?という疑問が生じる

これに関しても、政府の借金は国民の資産だ、とか、日本はアメリカなどと違って自国通貨建てだからデフォルトしない、という風に言われる。それらは論理的にそれぞれそうだと思う。

一方で、確かに紙幣を増やせば最終的に借金を返せるかもしれないのだが、紙幣を刷ってもヒトやモノが増えるわけではないので、それは結局インフレになるだけじゃないのか?つまり、過去の借金を薄めるだけで、貸した側、つまり国民が大損する結果になるのでは?という風に思う。

成長の期待なの?

なので、今の状態で金利が上がるのは、やっぱりヤバいんじゃないのかなぁと思うのだけれど、これについては「成長期待だ」という風にも言われる。これは論理的にそうだというよりは、そのように解釈することもできる、かと思う。実際株価は確かに上がっている。

未来がどうなるかはわからないが、少なくとも現在についていうならば、過去30年日本が成長してきたとは言えない、とは多くの人が頷くだろう。指標はいろいろあるだろうが、少なくとも、日本人の実質賃金が過去30年上がってないのは言わずもがなだが、近年はついに始まったインフレに負けてむしろ下がり続けている(参考「2024年までの日本の実質賃金の推移 - Genspark」)。

つまり、これが成長期待だというには、今までの超低金利では成長しなかったが、金利のある世界、つまり企業にとって厳しい世界になるが、それでもなお成長するのだ、という理屈になる。これは端的に「なぜ?」と思う。

金利のある世界では必然的に企業の選別が起きるため、優良な企業にリソースが割り振られるからよいのだ、という理屈があるかもしれない。なんか親の仇のように中小企業を潰せと言って回る有名人もいることだし。

あるいは、高市早苗の経済政策を支持する人ならば、政権の積極財政が呼び水となって成長するのだ、という風になるのかもしれない。というかこの論からすれば、そもそも金利の上昇自体が成長の見込まれる積極財政を始めた結果なのだから問題ない、ということになるのかもしれない。

本当に期待できるか?

僕としては、この衰退を招いてきた日本の政治が、突然覚醒して適切な投資ができる、という風には思えない。これまで超低金利だったのだから血の巡りは良かったはずであり、それにも関わらず成長していないのは、血の巡る先が社会の役に立っていなかったからだと思う。だから各所に局所最適化された利権団体、政治勢力、企業があるだろうし、それはとりもなおさず今の政治体制が作ってきたものだ。

血の巡り方自体がおかしいのだから、単に金利があがれば優良企業が残る、というのは楽観的にすぎると思うし、また積極財政とやらで適切な投資ができる、というのも疑わしい。というか今までの政治を思うと、さらに血の巡りが不自然かつ悪くなる方向にいくのではなかろうか。

意味のないことをやらない(やってる)

そんならどうしたらいいと思っているのか、といえば、諦めつつも言うのであれば、無駄を削ることだと思う。不必要な手続き、意味のない規制をやらない。

たとえば、さっき流れてきたニュースに、エアコン規制が厳しくなって安いエアコンが消えるとされるエアコン2027年問題がある。

安いエアコン消える? 2027年問題 - Yahoo!ニュース

こういう、一部の企業が得するだけで、社会全体が損することをわざわざコストかけてやらない

まぁでも現実にはやっているので、成長の期待とは裏腹に、残念ながら成長しないんだろうなぁと思う。

そんならどうする

そんなわけで、ここまでの考えをまとめると、日本は必然的に高金利かつインフレでしかも賃金は上がらないという、という悲観的な結論になってしまった。少なくともその懸念は払拭できない。

そうすると、今の間にできることは、とりあえずのインフレ対策になる。だからポートフォリオはディフェンシブになる。金銀(できれば現物)とか、株……については今後くるかもしれないAIショックなど思うと難しさがあるが、個人的にはグローバルに展開している日本企業は長期的にはポジティブだと思っている(円安になるだろうし)。ドルは……アメリカも大した変わらない状況だから、やめといたほうがいいんじゃないかな……。

まぁとにかく、仕事としては、本当に実のあることをやりたいし、またそのような仕事が評価されてほしいものだが、こればかりはどうなるか……。しかしまぁ、なるだけ腐らずに粘りたいところだ。

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