Kindle端末のキャンペーンが実施されています。ノーマルのKindle端末が8,980円 -> 2,480円、さらにKindle Paperwhiteが14,280円 -> 6,980円。Kindle端末は定期的に安売りをしていますが、これほど安くなるのは珍しい。KindleはE-inkの専用端末として、ストアといい、性能といい、値段といい、間違いなく王者です。Kindleストアを利用している人であれば、これを機に購入を考えている人もいるでしょう。
Kindle端末が向いている人は?
私は、先代のKindle Paperwhiteを持っています。しかし、寝ています。有効に使っているとは言い難い状況です。それは、読書端末としては、5インチのXperia Z3と10インチのiPad Air 2を使うことが多いからです。しかしながら、Kindle Paperwhiteを評価していないわけではなく、条件が合致する人には良いと思います。向いているのは、液晶は目が疲れ、主にKindleストアで購入した小説を集中して読みたくて、かつ少しでも最適な画面サイズで読みたい、という人です。これに合致するところが少しでもある人ならば、検討の余地がありますし、まったく当てはまらない人は、Kindle端末は銭失いになる可能性が高いでしょう。以下、説明します。
E-inkであるメリットとデメリット
電子書籍端末として見た場合、Kindle端末のライバルとして各種スマートフォン、タブレット端末があります。それらでも、Kindleのストア本を読むことができるからです。ハッキリ言いますが、Kindle端末がスマートフォンやタブレットよりもリーダーとして優れているところはないと思います。UI、レスポンス、タッチ精度など、あらゆる操作性が下回り、また画面の綺麗さ、さらにカラーの有無など、やはり液晶にはかないません。しかしながら、反射光のE-inkのほうが目に優しい、液晶は目が疲れる、という人は少なからずいるようです。私は液晶で目が疲れるという感覚がわからないのでピンと来ないのですが、そのような人にとって、E-inkのKindle端末は大きな魅力でしょう。であれば、価値があるかもしれません。
しかし、E-inkのデバイスですから、一応Webブラウジングもできるようですけれど、あまりそういうことには向いていませんし、またそのようにも設計されていません。ただし、それは良い所でもあります。それしかできないが故に、読書中にLINEのメッセージが表示される、などということがありません。読書に集中できるデバイスだと言えましょう。
ただ、できることが限られている故に、Kindleストアの本以外を読もうとすると、手間です。出来ないことはありませんが、私はオススメしません。もし自炊本や、Kindle以外のストア本を読みたいのであれば、Kindle端末は非常に不向きだと言わざるを得ません。
また、Kindle端末で読みやすいコンテンツは、小説に限られます。まず、白黒6インチ固定という縛りがある為です。デバイスの大きさによって、読みやすいコンテンツは異なります。以前「電子書籍を利用する観点からみたデバイスの大きさについて : 或る阿呆の記」という記事を書きましたが、6インチは電子書籍を読むのに最適な大きさではあるものの、固定レイアウトの本や大判の本にはつらいものがあります。漫画も向きません。さらに、前述した操作性そのものの問題もあり、たとえばページの行き来がある本、つまり新書や技術書等もまた、あまり向きません。したがって、基本的にページを読み進めるばかりのもの、つまり小説がうってつけのコンテンツです。
以上より、「液晶は目が疲れ、主にKindleストアで購入した小説を集中して読みたくて、かつ少しでも最適な画面サイズで読みたい人」に向いていると言えます。
できることをする分には悪く無い
まぁ、私は向いていなかったということです。Kindle端末はなかなかニッチ向けだと思います。しかし、ファースト・インプレッションは悪くありませんでした。けっこう、使うことになるかもしれないな、と思ったのです。しかし、現実には埃を被りました。理由は明白です。
Kindle端末は、できることをする分には悪くありません。ただ、できるがことが少なすぎる。Kindle端末ができることとは、Kindleストア本にある小説で、最近買ったものを読むことです。そこから外れれば外れるほど、労力がかかるか、あるいはどうあがいてもできないか。いかに単機能の専用端末とはいえ、この出来ることの範囲が、些か狭すぎる、というのが私の意見です。
ピタリと自分のニーズと合致すれば、最高のデバイスになるでしょう。ただ、そういう人は多くはないのではないかな。こんな感じですから、電子リーダーが流行ることは、当分ないだろうとも思っています。
ところで。Kindle端末を購入すると、デバイスにひも付けされたPIDをゲットできます。わかる人は、これ目当てに購入するのも悪くないでしょう。それだけの価値はあります。
コメント