Appleユーザーの避けられない壁、それがiTunesです。Macを使っているだけであればまぁなくてもよいのですが、iPhoneやiPadを使っていると、同期の問題もあり使わないわけにはいきません。元々、私はけっこう使いやすいと思ってiTunesを使っていたのですが(もう10年以上前のことです)、どんどんUIが変わり、ローカライズと称して勝手に曲の情報をいじり、動画だ、アプリだ、本だなんだとどんどん肥大化していき、最近はiCloudにApple Musicと、その混迷はとどまるところを知りません。
悪夢のiTunes引っ越し作業
今回、外付けハードディスクをやめてデータはNASで管理する、という方針でPCの引越し作業をしていましたが、最後の最後、悪戦苦闘することになったのはやはりこのiTunesです。これは本当に苦労させられました。iTunesといえば、Macユーザーはもれなく利用しているはずですが、皆さんやはり苦労しているのではないでしょうか…。
曲のパスをまとめて変更…iCloudの罠
ファイルの場所を変更した場合、それを反映させるには曲毎のパスを記述したxmlファイルを一気に変更して、変更したものをインポートする方法があります。このやり方自体、どうにも筋悪な感が否めませんが、まぁそれでなんとかなっていました。私の場合は40MB近いテキストファイルの編集となりますが、まぁそんなに何回もやることではないので……。
今回問題を難しくしたのは、Apple Musicです。Apple Musicに登録すると、どうやらライブラリの曲をiCloudにアップロードしてくれるようで、たとえ手元にファイルがなくても、ストリーミングで再生ができたりします。だから、極論するとファイルを全部消してしまってもストリーミングで聞くことができて、多分そういうことをしている人もいるんじゃないかなと思います。でも、私としてはそれは避けたい。基本的に、クラウドは信用すべきではないと考えます。もちろん便利なサービスはどんどん使えばよいのですけれど、過信は禁物です。データはできる限り手元に置き、誰にも干渉されず、自分で管理できるようにしておくべきです。データをクラウドに保存するとは、畢竟自分の大切なデータの管理権を人に預けるということです。管理権が他人にある以上、いつどうなっても文句は言えません。いえ、文句は言えるかもしれませんが、文句を言ってもデータは返ってきません。
話が逸れました。閑話休題。クラウドにデータを預けることの危険性についてはいつかまとめて考えをメモしたいと思っていますが、それはこの記事の本題ではありません。今問題となっているのは、Apple Musicにより、ローカルにないデータもiTunes上に表示されるようになったことです。
さて、従来であれば、設定を記述したxmlファイルを消去し、その後必要な書き換えを行ったxmlファイルを改めてインポートすれば、曲のパスをまとめて変更することが可能でした。しかし、今回xmlファイルを消去した時点でiTunesを起動すると、iCloud上にアップロードされている曲がすべてiTunesのライブラリに表示されるようになります。そして、この状態でxmlファイルをインポートすると…曲がダブります。すべての曲で、iCloud上にあるものと、ローカルにあるものの両方がライブラリに表示されるようになります。なんということ。…今にして思えば、この時点でiCloud上にあるものだけをすべて削除してしまえばよかったのかもしれません…。が、その時はそこまで頭が回らず、どうしたものかと思いました。
結局、一度iCloud上のものも含めてすべて削除することにしました。そのうえで、バックアップしていたファイルをすべて、改めて取り込むことにしました。再生回数やプレイリストはリセットされてしまいますけれど、まぁ仕方ないですね。元々、iTunesで永続的にそういうデータの管理はできないものと、遠い昔に諦めました。曲のレーティングとか、頑張るだけ悲しい思いをすることになります。
カオスの極み
それにしても、iTunes一つに、あまりにも色々なことをさせすぎていやしないでしょうか。なんだかんだと言いつつ、これだけの機能を曲がりなりにも実装できているのはすごいとも思うのですが、しかし多機能すぎてUIはゴチャゴチャする一方です。そこへApple Musicという新顔が加わったことで、カオス具合に拍車がかかりました。もっと、役割を分けてあげてもいいんじゃないかとも思うのですが…MacはUNIXの仲間なのに、どうにも「大きいことは良いことだ」的な傾向が。iTunesは、Macの中のWindowsだと私は思っています。
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