大阪都構想の意志を継ぐ人はいるか

[投稿日] 2015年5月20日
[最終更新] 2016年11月16日

先日、大阪市で大阪都構想の是非を問う住民投票がありました。今を生きる日本人で知らない人はちょっといないのではないかというほど、かつてないほどに人々の関心を喚起した画期的なものでした。住民投票の投票率は66.83%と非常に高い記録を残し、これだけ人々に政治への関心を一時的とはいえ寄せさせたというだけでも、非常に意義ある投票であったと思います。

結果自体は、周知のように都構想(というよりその足がかりとして大阪市の解体ですが)は否決されました。70万vs69万票という僅差での決定です。大阪市民でもない私はさほど積極的に情報を集めていたわけではなく、私が見ている範囲でのニュースフィードやブログの記事等から、なんとなくけっこうな差で否決されるのではないかな、と思っていたので、この僅差は驚きでした。私自身は都構想については賛成派なのですが、この惜敗に、どういうわけか非常に悔しく思えました。何か政治的な活動をしていたわけでも、平生から政治的な主張をしていたわけでもないにも関わらず。つまり、私は橋下さんのことを好いていたのだろうと思います。実家に帰った時などに時折テレビでその姿を見かけるだけでしたが、それでもそこから滲み出る必死さ、懸命さに、私は深く共鳴したものです。

橋下さんといえば、否決の結果から、以前より公言されていたように、橋本さんは政治家を引退することになりました。これについてもまた賛否両論ありますが、市長自体は任期を任期を全うするわけですし、それ以降の身の振り方については彼の考え方として理解するしかないでしょう。何をどうするのが正しいという問題ではありません。ネットでの感想を見ていると、いずれ帰ってくるはずだと彼の言葉を信じない支持者がいたり、これで彼はいなくなると彼の言葉を信じている不支持者がいたりするのは面白いものです。人は自分の見たいものを見たいようにしか見ないという一例といえるかもしれません。一方で、彼が言うのだからもう帰って来ないのだろうと嘆く支持者、いやいやヤツの言うことなど信じられるか、いつかまた帰ってくるともしれない、気をつけろと警告する不支持者もいます。こちらのほうが筋は通っていそうです。私といえば、ハナから人の言うことを信じるタチでもありませんので、気が向けば戻ってくるだろうし、どうにもならなければ戻ってこないだろうと思っております。まぁたいていの人はこういった感想かもしれません。希望としては、戻ってきてほしいと思っています。

しかし戻ってくるには、自分から戻るというのはあまりに厚顔無恥ですので(いまさら橋下さん自身も政治はやりたくないでしょう…これこそ橋下さんの不支持者が考える展開ではないかと)、それなりにお膳立てが必要です。意志を継ぐ人が活動を続け、基盤を築き上げ、舞台は整った、さぁ今度こそ、というお膳立てです。果たして、それを出来る人がいるのか、どうか。いや、それはもはや問題ではないか。橋下さんが戻ってくるこないに関係なく、活動を続けられる人自体、どれだけいるのか。

多数決主義は民主主義の原則ですが、少数派への配慮なくして成り立つものではありません。ですので、通常これほどの僅差となれば相応の配慮が勝者側にも求められましょうが、どうも今回の住民投票はそのようなものでもなさそうです。勝者総取りと言うと聞こえは悪いですが、そういった投票であったように思います。したがって、これから、維新の会というか、都構想、あるいはそれに準じる勢力に対する逆風は凄まじいものになるでしょう。その中で、橋下徹という稀有なリーダーを失ったまま、戦っていける気骨のある政治家がどれだけいるのか。それは非常に少ないのではないか。政治家とて人間ですから、私にはそれを責められません。

ではもう大阪都構想は潰えたかというと、そのような評価も多く見ますが、私はそうとも言えないと考えています。橋下徹一人が大阪を大きく揺るがしたように、こういったことは数では測りきれないものがあります。つまり、たったひとりでも、都構想の意志を引継ぎ、研鑽を重ね、地道に活動を続け、そして天に恵まれれば、どうなるかはわからないということです。否決とはいえ半分の支持を集め、さらによく報道されているように70代以外のすべての年代では過半数が賛意を示したのですから、基盤がまったくないわけではありません。私としては、橋下徹の復活劇よりかは、そちらを望みます。今回の敗因も、あまりにも橋下徹一辺倒であったことがあるでしょうから…。

私には私の日々やるべきことがあり、ここでせいぜい一国民として考え方を述べる程度ではありますが、一人の人間があれほどのエネルギーを賭して主張した構想を無下にはしたくありません。意志ある政治家が一人でも多く生まれることを願います。私自身もまた、少しでも勉強し、賛否はともかくとしても、周りの人たちと一つ一つの事柄について、考えを深めていけたらと思いました。

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