増税メガネ批判についてふりかえる

石破政権になってから1か月以上たち、もはや話題になることも少なくなった岸田文雄だけれど、当時はXなどでは増税メガネなどと揶揄されていた。その呼称が面白かったので、うちのサイトでも取り上げたことがある。

これは蔑称なので、その人の政治的立場によっては面白くない言葉には違いない。とはいえ時の総理大臣が妙なあだ名をつけられ揶揄されるのは、まぁどこでもあることだし、民主党政権時代なども鳩山由紀夫はぽっぽ、菅直人はイラ菅など言われていた。安倍晋三については特に共通のあだ名はないように思えるが、強いて言えばアベがもはやあだ名かもしれない。菅義偉のガースーは、愛称的にも使われていたので揶揄とは言い難い気がする。

まぁとにかく、時の総理に妙なあだ名がつくことは、別にフツーのことだ。

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増税メガネの謎

とはいえ「増税メガネ」は歴代のあだ名の中でも侮蔑的な色が濃いことはそうだろう。そのためなのか、この呼び名には拒絶的な反応もあった。ただその言い分がよくわからなくて、「メガネの人に対して失礼だ」とか「目の不自由な人を差別している」というもので、これは当時も意味不明だったが、今振り返ってもやはり意味がわからない。

増税メガネはメガネではなく増税のほうを揶揄していることは明らかで、小泉ジュニアなども「増税王子」と揶揄されていたが、同じ理屈ならば「王子を差別している」ことになる。さすがにそんなこと言う人は見たことがない。むしろ、「増税王子は差別ではないが増税メガネは差別」という意見は、その人こそがメガネに対して偏見を持っているということになるとすら思った。実際、メガネに対して偏見がなければ、増税王子が王子差別にならないように、増税メガネはメガネ差別にならない。

実際メガネの人でも増税メガネのミームを面白がっている人はフツーにいたし(有名どころでは経済学者の高橋洋一などYouTubeで笑っていた)、というか僕も家ではメガネをかけているが、別に岸田文雄が増税メガネと言われたからといってメガネをかけている自分が差別されているなどとは思わない。

「学校でメガネをかけている子がいじめられるかもしれない」という謎の言説まで見たが、岸田文雄が増税メガネと言われているからクラスのメガネをかけている子をいじめますなんて、桶屋理論にしても出来が悪すぎるだろう。

増税メガネ批判の真意

僕はあの増税メガネ批判について、言っている当人も本当のところ本気で「メガネ差別」と主張していたわけではなかったのだろうと思っている。あるいは、自分は本気でそう思っていると信じ込もうとしていた人はいたかもしれない。

なぜそんな不可思議なことをするかといえば、「増税メガネ」というあだ名に込められた政治的意図に対する反駁があるだろう。ぽっぽにせよイラ菅にせよ、侮蔑的ではあるがそこに政治的意図は感じられない(侮蔑度自体はぽっぽが一番強い)。しかし増税メガネからは明確に「増税批判」という政治的意図が感じられる。これは歴代総理につけられたあだ名からいっても特殊性を感じる。

で、この増税批判を封殺したい人たちが、増税を批判するなとは言えないので、焦点をずらしたのではないか、という風に推察している。増税批判については理解するが……というならわかるのだけれど、とにかく「増税メガネというな!」というような論調だったし。

まぁこれは証明できることではなく(まぁ政治的事柄で証明できることのほうが稀だが)、あくまで僕はそのように考えているということではあるのだけれど、そのように考えると、「増税メガネはメガネ差別」などという意味不明な理屈を、賢そうな人も含めて言っていた理由について、自分のなかで筋が通る。馬鹿馬鹿しいが、政治は結局そんなものだろうと思う今日この頃だ。

色々しんどい。

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