元同僚から「メンタルが異常にタフ」と評された僕ですが、全然そんなことはないのです。むしろ豆腐メンタルです。すぐ瀕死。
そんならなんでそう見えたのかと言うと、多分普通ならとっくに死んでそうなのに、まがりなりにも生きていたからではないかなぁと。僕はすぐ瀕死になるんだけれど、そこからは割と粘るタイプだとは思います。
そんなことを考えていると、メンタルがタフ、というのにも色々パターンがあるな、と思うわけです。昔のRPGでは、耐久力はHPとか防御力とか回避率の兼ね合わせでしたが、現実世界もそれに近い感じじゃなかろうか。
メンタルのパラメータ
現実世界において、ステータスの数値化なんてのは残念ながらできないわけだけれど、まぁでもなんとなくイメージしやすいパラメータ、っていうのはあると思います。で、いくつかのパラメータを組み合わせたものを、メンタルと表現すると、多少わかりよいところがあるのではないかと、古のスーファミ-プレステ世代のオッサンとして思ったりなんだりします。
凹むし傷つくけれど生命力が底知らず、HPが高いタイプ
一番本当の意味でタフだと言えるのは、天井知らずのHPを持った人なんでないかと思います。ひどいことがあれがあれば傷つくし、悲しいし、怒りが沸くこともあるし、やるせなくもなるけれど、前を向いて歩けるエネルギーは残っている。
僕の尊敬する人はこれでした。60近い人でしたが。傷つくから、傷つけられる痛みを知っているし、共感できる。人生の中で、少しずつ精神的HPを高められたんだろうなと、そう思います。
暖簾に腕押し、鋼のメンタルな防御力が高いタイプ
何を言われても、びくともしない人がいます。
これは生得的なところと、後天的なところがあると思います。飛び込み営業を繰り返していると、だんだん何を言われても気にならなくなる感覚が近いのではないでしょうか。
このタイプのタフさを会得した人をけっこう知っているのですが、ある種の感受性を犠牲にしているような気もして、精神的防御力は必ずしも高いからよいというものでもないように思えます。。。でも、そうでもないと生きられない環境って、あるんでしょうね。。。
当たらなければどうということはない、回避率が高いタイプ
何を言われてもどこか他人事に感じる人がいます。指刺されて笑われたら、「俺の後ろに笑われてるやつがいるな」と素で思えるような人です。あるいは、「なんか笑ってるやつがいる」それ以上は気にならない人です。ネットスラングで言うところのスルー力があるタイプ、といえるかもしれない。
これも生得的なところと後天的なところがあると思っています。かくいう自分も回避率はそれなりに会得したように思っていて、たとえば、怒られなれてくると、だんだん怒っている人を見ても「なんか言ってる」と空気のように感じられる、など。
天性のスーパー回避マンを知っています。ぶぶ漬けを勧められたら皮肉に気づかず「ありがとうございます。おかわりもらっていいですか?」くらいの人です。ある意味最強。
ただし、こういう回避タイプは、いったん自分のことだと受け止めた瞬間に脆く崩れます。当たらなければどうどいうことはないが、当たれば死ぬ。また、他人が攻撃された時の流れ弾にも弱いかな、と。自分が攻撃されたら回避できても、他人が攻撃されている様を見るとほっとけない感じ。
3歩歩けば復活する、回復力が高いタイプ
異常に復活が早い人がいます。気持ちが切り替えられるというか。ひどいことがあればきっちり凹むし、悲しむけれど、しばらくしたら「まぁでも切り替えていこう」と歩きだしている……そんな人。HPタイプと並んで、真の意味でタフな人だと思います。
友人にこのタイプと思える人がいて、叩かれても叩かれても復活します。傷ついていないのかと言うと、そんなことはなくて、言われた時にはだいぶ凹んでいたりする。とても優しいやつです。傷つけられる痛みを知る人は、優しい人だと思います。
これ、会得できるんですかね。会得したいんですが。僕は布団の中でフラッシュバックによる時間差自分攻撃をするタイプなので、回復力はむしろマイナスな気がする。
最後の一撃に耐え続ける、土俵際のGUTSタイプ
今にも死にそうなのに、なぜだか死なない人がいます。RPGで言うところのGUTS値が高いタイプです。HPが1だけ残り続けるタイプです。
このタイプの一番の特徴は、絶対不可避のオーバーキル攻撃にも耐えるところでしょうか。瀕死になりながらも、最後の一線だけは繋ぎ止めて、なんとか今日も生きている。
これ、会得している人、日本には存外いると思うんですよ。っていうか、僕なんか典型的なこれじゃないのかな。でも、あんまり健康によくないと思います。長い目で見ればライフポイント削られていると思います。逃げられる攻撃からは、全力で逃げましょう。。。
番外:お前はもう死んでいる、アンデッドタイプ
番外。とっくの昔に死んでいるのに、死んでいることに気づいていない人がいます。HPマイナス状態にも関わらず、やけに元気だったりしたら危ない。
こういう人はタフなんじゃないです。あらゆる感覚が死んでいるだけです。眠いって感覚ありますか。ごはんはおいしいですか。自分が死んでいることに気づいたときが、終わりの時であり、また始まりの時でもあります。早く楽になってください。病院行ってください。休んでください。復活してください。
傷つくのは当たり前のこととして
自分の経験や周囲の人たちから、こんなしょうもないことをつらつらと考えていました。実際には、人間の生命力なんてのは数値化できないし因子分析も容易にできないものだと思うんですが、それはそれとして、分類の試みをすることは、自分自身の考えを整理するうえで有用だと思います。
どうして人は傷つくんだろうと思うと、自身を成長させ、そしてなにより人に優しくあるためなんじゃないのかな、なんて思います。だから、鈍くなることでやり過ごすのは何か違う(かといってあまりデリケートでも困りますが)。スルー力は必要だけれど、受け止めないといけない痛みもある。
悲しみが深い分だけ、喜びもまた大きくなる。それもまた人生だとか、そんなことを思う昼下がりです。
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