こういう記事があった。
Z世代で“友人のInstagramアカウント乗っ取り”が流行? いたずらで済まない不正アクセス禁止法違反 保護者が注意すべきこと(ITmedia Mobile) - Yahoo!ニュース
内容的には、友人同士でアカウントのハッキングが流行っているようだが、「それは犯罪だ😡」という記事だね。
それはまぁそうではあるんだけれど、個人的な気持ちとしては、こういうことは、不正ログインがどうとか、そういう問題ではない場合がたいていではないのかなぁ。
たとえば、記事でそりゃ問題だろうね、思う例をみていく。
ある男子中学生は友達とグルになり、別の男子のアカウントに不正ログインしました。そして、女子に「好きです。付き合ってください」とDMを送ったのです
偽告白は昔からいじめの一環としてあったのだし、その手段としての不正ログインを強調するのも違うように思う。
筆者が聞いた話では、男子中学生が同級生の女子のアカウントに半年ほどログインし続け、DMを読んでいたケースがありました
これはちょっと思春期であることを考えるとかなりデリケート過ぎてあれなんだが、とりあえずこの男子中学生は恐らく十分過ぎるほどの制裁を受けたのではなかろうか。
まぁつまり、確かに事例としてそれぞれ問題はあるのだけれど、そもそもの根幹はどこまでも人間関係であって、その中で不正ログインのような手段が講じられることがあったとして、それを「不正アクセス禁止法にあたり3年以下の懲役云々」と外形的・法的な問題にしてしまうのは、教育として違うのではないか。
今回の記事について個人的に特に引っかかったのは、ハッキングそれ自体は、技術的な好奇心の表れという側面があるからだろう。これは技術的にはむしろ素養というべきもので、それは必ずしも悪意ではない。だから許せというのではないし、法律の存在を教えるのは良いとして、違法だからと頭ごなしに否定するようなのも、行き過ぎているように思う。
我々の行為とて、親しい間柄で体に触れるのは別に問題ない一方で、他人となれば時と場合によっては大ごとになる。すべては関係性次第だ。実際いたずらは嫌いな相手よりむしろ好きな相手に仕掛けることが多いのではないか?友人が放置していたPCやスマートフォンの壁紙を変えて驚かせる、というのも外形的には何かの法に触れるかもしれないが、それは悪意ではなく親愛の表現と受け取るのが妥当だろう。
そりゃ当人としてそういうのは嫌だという人はいるだろうし、人間関係に完全なフラットはないので、いやだけれど言えないから外側で決めてもらったほうがありがたい、という向きもあるかと思う。まぁ最近はそれが多いのかも。
実のところ僕自身も、どちらかといえば外形的に判断してきたほうだ。また自身のプライベートには敏感なので、人にモノをいじられる、みたいなのは絶対に嫌だから、むしろ「違法だ」と断じるような側だった。しかし最近はなんだか、そうして知らずに失ってきたものについて想いを馳せることが多くなってきたんだな。
人間関係は本質的にしんどいものなのだし、だからこそ楽しさもあるわけだ。べき論になってしまうが、本来の関係はそれぞれが向き合って距離を調整するものなのだと思う。それをルールや法律で解決しようとすると、なんだか関係そのものが綺麗な枠にはめられた、整っているが薄っぺらく脆いものになるような、そういうことを、最近は思う。

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