[最終更新] 2016年8月7日
2015/09/14 追記:本記事はBookLive が独自のポイント制度を採用していた時の記事です。本記事をまとめると、「ポイントを定額購入すると何も考えずにそこそこ安くなるので、用途によっては悪くない」というものです。現在月額ポイント制度の新規登録はなくなりました。残念。
2016/08/07 追記:Kindleは年がら年中ポイント還元しているし、価格的アドバンテージはもはやあまりありません。新巻通知はパワーアップして使いやすくなりました。
参考:「BookLiveは独自ポイントを廃してあまりオススメできない : 或る阿呆の記」
BookLiveについて
BookLiveは電子書籍の販売サイトの一つです(「電子書籍・漫画(マンガ)| BookLive!」)。電子書籍の販売サイトで私が他に利用しているのは、Kobo、Kindle、Hontoあたりです。BookWalkerも登録だけはしていますが、特にBookWalkerでしか手に入らないもので欲しい本もないので…。いつの間にか毎月BookLiveに二万円ほど貢ぐようになりました。しかしBookLiveは超絶赤字のようです(参考:「BookLive(ブックライブ)売上12億円、純損失40億円の赤字。赤字だと思っていたけど、ここまでとは。。」)。もうちょっと頑張ってほしいので、ちょっと紹介してみます。私もよく使うKindle、Koboあたりと比較しながら書きます。
BookLiveの値段は他より特別安くはないが、ポイントの定期購入で16.7%引きまでもっていける
BookLiveはポイント払いとクレジットカード払いがあるのですが、ポイントを毎月定期購入すると、10000円で12000ポイントもらえます。1ポイント=1円なので、20%分増額というわけです。逆に言うと12000円分が10000円で購入できるわけで、これはつまり約16.7%オフで商品が購入できるということになります。したがって、毎月相当数の電子書籍を購入することがわかっている人にとっては、それなりに価値があります。逆に言うと、ちょっと買いたいという人にとってはそれなりにハードルが高いともいえましょう。オススメは3000円分の定期購入でしばらく試してみることです。3450ポイントと15%分のポイントがおまけでつきます。これは実質13%引きくらいの意味合いになります。
また、胡散臭いですがポイントミュージアムなどのポイントサイト経由することで、ポイントがつきます。たとえばポイントミュージアムは100円で8円分のポイント、つまり8%分のポイントがつきます。1000円買うと80円バックされます。平たく言うと実質8%引きなので、上記ポイントと連動させると25%引きくらいの意味になります。とはいえこれはけっこう面倒臭いのですが。ポイントサイトにポイントばらまくのもいつまで続けるのかわかりませんので、微妙といえば微妙です。
それと、アフィリエイトプログラムに参加することができるのですが、それがなんと自己買いもOKなのだそうです。その場合購入額の10%が還元されます。ただし審査に通らないといけません。実はこのブログも一度申し込んだのですが、連絡がまったくないので多分落ちたのでしょう。電子書籍関係の記事を充実させてもう一度申しこめば今度は通るでしょうか。DRM外せ外せとうるさい当ブログは通らないか。
いずれにせよ、条件次第で多少安く買うことができるということです。KindleはBookLiveより平均して5%ほど安いのですが、電子書籍を多く購入する人にとってはKindleよりもお得に買うことができると言えます。
品揃えについては後述しますが、Kindleにある本は、それこそ個人出版のものなどでない限りはたいていBookLiveにもあります。
そうは言っても、ポイントの定期購入というのはなかなかハードルの高いものです。れはちょっとなぁと考える人は多いでしょうね。もし興味があれば、とりあえず3000円分の定期購入くらいからお試しで始めてみるとよいと私は思います。その場合はポイントは15%増額の3450ポイントで、実質13%引きくらいになります。
なお、必要な分だけ個別にポイントを購入することもできますが、それならば月額サービスで購入して即解約したほうがマシなくらいの増額率です。ついでに、クレカ払いでもその月の購入金額に応じて多少ポイント還元されるのですが、非常に少額であまり意味のないサービスです。2%から5%くらいだったかな。
ちなみに、電子書籍自体は期待されてきたほど安くはありません。ものによっては紙の本の半額というものもありますが、少数派です。概ね定価、あるいは10%程度安い、というのがたいていのように思います。
キャンペーンはものすっごい微妙。多分Koboが一番
通常購入についてはだいたい上記のような感じですが、では通常よりもオトクに買えるキャンペーンはどうかと言うと、これがなかなか微妙なことが多いです。キャンペーンにはいくつかパターンがあります。まずラノベやコミックの1巻だけ無料。これあんまり嬉しくない。欲しくもない本タダで送られてきても困るでしょう。欲しかったら買っているし。まぁ、気になっていた本を多少多く立ち読みできる程度の意味しかありません。あと出版社単位でのポイントバック。これは嬉しい。たいてい50ポイントか10%のポイントバックです。頻度はそこそこ。でもちょっとけちくさいですね。それと、プッシュしたい本の割引またはポイントバック。これは数えるほどの本しかされません。最後に、コミックまとめ買いキャンペーンが時々あります。だいたい昔の本です。どうしてもブックオフが頭を掠めるので私は惹かれません(いっときやたら静かなるドンが推されていたのはなんだったのでしょう…いえ私は好きな漫画なのですが。しかしそれが客寄せになるとは思えず…)。
Koboなんかはクーポン適用早川30%引きとか嬉しくてインパクトの大きいことを時々するし、KindleもKoboにはライバル意識剥き出しで競争しあってくれます。Kindleは日替わり、月替りのセールがあるし、Koboは何にでも使えるクーポンを乱発していて、多分キャンペーンではKindle、Koboには負けるなぁというのが正直な印象です。
どちらかというと、BookLiveのキャンペーンは「へぇーこんな本売ってたんだ」ということを知る意味のほうが大きいような気がします。後述しますが、ものすっごく本が探しづらいです。売る気あんのかというくらい。
品揃えは多分「和書」は国内最大級。とはいえまだまだ…
品揃えはKindleやKoboとどっこいどっこいだと思われます。2013/09/22現在、サイトでは20万冊以上と謳われています。Koboだと13万冊以上と書かれており、Kindleは、和書については10万冊以上だそうです。多分、和書については国内最大だと思います。とはいえ私の感覚からいくと、どこか一箇所で発売されている書籍は、たいてい他のサイトでも販売されており、あまり変わらないという印象です。ただKobo、Kindleには洋書というファクターがあります。これは一部の好事家にとっては非常に重要なことでしょう。
さて、国内最大級とは言っても、電子書籍の品揃え自体各社苦戦しているのが実態です。漫画だと新巻は出ないとか平気であります。最近の新書あたりは、だいたい電子化されているようです。よく言われる絶版本の復刻を…などは今のところあまり期待できません。また電子化されるジャンルはハウツー、自己啓発、売れ線の新書、文芸、ライトノベル、コミック、一部の雑誌といったところで、重厚な思想の本や古典、技術の本、資料集の類などはほとんど売られていません。つまり読み捨てするような本ばかりが売られているということです。これはとても悲しいことだと思います。なぜなら今挙げた分野こそ、もっとも電子化の恩恵が受けられる分野だと思うからです(複数の本にわたって全文検索とかしたい…)。
まぁ、本屋で平積みになっているのを手にとってレジに持っていく人が多い、という人にとっては、最近は概ね満足できる状況になりつつあると思います。これだけでも進歩といえば進歩です。
スマホ、タブレットのリーダーアプリの使い勝手はKobo以上Kindle未満。本棚が作れるのはよい
BookLiveの本は、多くの電子書籍サイトと同じくDRMがかかっており、専用のリーダーアプリを使わなくてはいけません。ほんといい加減にしてほしいのですが、今のところ世間の潮流はこうなっていますので、仕方がありません。私はWindows、Nexus 7(2012)、iPad(第三世代)、iPhone5でリーダーアプリを使っています。使い勝手ですが、これはまぁまぁといったところで、Nexus 7のAndroid用では時々強制終了が起こるものの、概ね良好です。しかし複数の本にわたる横断検索ができないのは悲しいことです。もっともこれは他のアプリでも同じことではあります。
しかし、アプリはKindleのほうが本をスムーズに読めます。レスポンスがよいのです。文字をタッチしたときの認識もKindleのほうが正確であるように思います。しかしKoboよりはよいアプリでしょう。Koboはページの進行状況の確認も嫌がらせのように小さなバーがあるだけなどUIがウンコで何もかも見づらく、また多少反応が遅い印象があります。ソフトウェアの出来についてはやはりKindleに軍配があがりましょう。
しかしBookLiveのリーダーアプリには二点よいところがあります。それは本棚が作れることと、PCにも対応していることです。本棚が重要であることはいまさら私があれこれ説明することもないでしょう。本棚がないということは、一列の棚に読んだ順番、あるいは買った順番で本がずらずらと並んでいるだけのような状態になるということです。これではとても本を集めようという気にはなりません。前述したように現在売られている本が読み捨てるような本ばかりであることと合わせて、なんだか電子書籍がどのように考えられているのかが透けて見えるようで悲しいです。
ブラウザ対応の書籍も多く、その場合立ち読み可能
前述したPCで読めることとも連動しますが、BookLiveでは最近ブラウザ対応の書籍が増えました。するとブラウザで購入した本を読めるばかりか、立ち読みも可能です。特に漫画で立ち読みは画期的です。だいたい一話分も読めば、この漫画が自分に合うかどうかはわかります。また、MacやLinuxでも閲覧できるのが嬉しい。あまり話題になっていませんが、これは他社と比較して存外大きなアドバンテージであると思います。
本はものすっごい探しづらい
多分これは他のサイトでも言えることなのですが、本はめちゃくちゃ探しづらいです。既に欲しい本のタイトルがわかっているのならばよいのですが、そうでなければ本との出会いは新刊入荷の通知くらいです。これもうちょっとどうにかならないのでしょうか。一覧性が著しく低く、本を探すことはできても出会うことはほとんどありません。
Kindleでは、過去の自分の購入・閲覧履歴や他人の購買行動から、かなり的確に本をオススメされますが、BookLiveにはそれもありません。なぜか探している本と同じ出版社の本をオススメされるという大人の事情が透けて見える機能はあります。そんなんいらん。
が、BookLiveでも本との出会いがあることはあります。それは、キャンペーンです。セールがウリの○○特集ですが、あるテーマに沿って複数の本がまとめられており、これは本との出会いの場になりえます。実際のところ、BookLiveのキャンペーンはセールとしては前述のようにかなり微妙で、どちらかというと「こんな本あったんだね!」という数少ない本との出会いの場として機能してしまっているように思います。なんだかな、なんだかな。
作者、作品の新刊入荷通知はとっても便利
BookLiveでは、作者、作品ごとに新刊入荷通知の登録を行うことができます。登録した作者、作品の新刊が入荷されると、メールで通知されます。これはとても便利です。今後もっと品揃えがよくなれば、この機能は非常に有難いものになるでしょう。…前述したように本が絶望的に探しづらいことも、この機能のありがたみを高めています…。
BookLiveをオススメできる人の条件
というわけで、そこそこの品揃えを、ポイントを使ってそれなりに安く買えて、またPCでも扱えるのでゴニョゴニョできるBookLiveは、KindleやKoboと比べて決して悪いものではありません。オススメするのは、本屋で平積みになっているような本や、漫画を毎月多く購入する人です。便利な電子書籍を、紙の本を購入するより(当初期待されたほどではないにせよ)比較的安く買えます。
以上が結論ですが、最後に例によってDRMに関する私見を。そもそも、最初からDRMなど外してしまえば、キャプチャソフトでゴニョゴニョ、などのいやーな問題は起きないし、本がKindleやKoboとバラけるのは嫌だから…とBookLiveを敬遠している層も取り込めましょう…出版社がうんと言わなければどうしようもないのでしょうが。しかし、紙をスキャンしたデータが違法に出回っている現状で、電子書籍だけ無闇やたらと厳しくすることにいったいどれだけの意味があるのか疑問です。法規制と取り締まりを厳しくする必要があることは無論ですが、売り手側も消費者の利便性を考え、もっと歩み寄る必要があるのではないかと思います…としつこくDRMに関する持論を述べて記事終わり。
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私にとって、BookLiveはAmazon,koboに次ぐ三番手です。koboになければ、BookLiveにします。
>まるーべりさん
妥当なところではないでしょうか。最近は全品値引きなどちゃんとしたセールも多くやっているので、クーポン乱舞のKoboには追いつきつつあるかもしれません。ビューワーだけなら本棚機能がある分他より使いやすい面がありますし。Windows版はせめてもう少し安定してくれるといいんですけれど。
とはいえ、安心感、買いやすさ、ソフトの使いやすさ、オススメ機能の的確さ、いざとなればDRM回避の手法も確立されている点など、Kindleが強いのはどうしようもないですねぇ。
はじめまして。
ブックライブ、会社の対応はかなりひどいですよ。
システム不備で勝手に書籍が購入済みになったにも関わらず、返金しないの一点張りです。
メール対応も、全てテンプレをコピペしましたっていう感じですし。
koboのほうがいいんですね、良い情報をありがとうございます。
>めめさん
ええ!そんなことがあったんですか。それは法的にアウトのように思えるのですが、どうなのでしょう。
BookLiveのシステムは不出来だと思います。変なことといえば、昔、頼んでもいないのに大川隆法なる人の新刊が勝手に通知されるようになっったことがあります(当時のメールも残ってます)。しかもそれ、幸福の科学出版です。宗教についてあれこれ言う気はありませんが、新興宗教の本を勝手に通知してくる(しかも頻繁)のは鬱陶しいを通り越して不気味でした。
それで、BookLiveに文句を言ったのですが、返答は「そんなはずない。ちゃんと状況教えて」というような内容だったと思います(残念なことにそのやりとりのメールが今見たら見当たらないのですが…)。呆れて返事をする気にもなりませんでしたが、しばらくすると大川隆法なる人の新刊通知は来なくなりました。つまり、対応したわけです。ただ、そのことについては一切の連絡はありませんでした。非を認めると何かまずいことでもあるのかわかりませんが、この件で私のBookLiveへの信用は大きく落ちました。
記事冒頭にもあるとおり、この記事は月額のBookLiveポイントが実装されていた頃の話で、価格的アドバンテージを失った今となってはオススメしません。個人的には、ポイントが残っているのでまだ使ってはいるのですが、将来のことを考えるとやめたいなぁというのが本音でもあります。本当は、国産の電子書籍サービスとして頑張ってほしいんですけどね。
ちなみに、私が一番オススメするのはKindleです。私はKoboでも嫌な目にあったことがあり、それ以来使用していません。まぁKindleも色々やらかしてはいるようですが……。