(画像は https://yurafuca.com/5000choyen/ で生成させていただきました)
睡眠薬くらい普通に買えたらなぁと思うが、現状そうもいかない。金に糸目をつけなければ個人輸入もあるが、保険が適用されないので高いし、イレギュラーな経路のため薬を調達するのも不安がある。なので基本的に受診しなければいけないが、メンタルクリニックに行くのは抵抗があるしそもそも時間が無い。
という現代人の需要を組んだのが、オンラインの睡眠外来である。この手の情報は怪しげなサイト満載で碌でもないものばかりなので、なんでもない個人たる僕の記録のほうが、たいていの人にとって参考になるんじゃなかろうか。実際に使ってるし。実際に使っている人の声が全然見つからなくなったの、本当に問題だと思う。
ということで、記録も兼ねてオンライン診療で睡眠薬を調達する所感をつらつらと書いていく。保険料を取り戻せ!
要旨: 睡眠薬を入手するには、メンタルクリニックに行く必要があり、時間がない人や抵抗がある人には難しい。個人輸入もできるが高価で信頼性に不安がある。そこでオンライン診療が便利だ。オンライン診療は、クリニックに行くより手間がかからず、個人輸入より安価だ。短時間の形式的な診察に違和感があり、一度に処方される薬の量が少ないため頻繁に診察が必要だが、多くの人にとって合理的な選択肢となるだろう。
睡眠不足の状態
睡眠不足も色々だが、僕が特に悩んでいるのは、「中途覚醒」「早朝覚醒」である。せっかく眠っても変な時間に目が覚めて、しかもそこから急速に覚醒する。一時は入眠困難もよくあった。今もちょいちょい入眠困難はあるかな。あと多分熟睡もできてない。つらい。
なぜオンライン診療か
さて、最初にべき論を書くと、メンタルクリニックあたりに赴いて、睡眠障害の診断を受けて睡眠薬を処方される、というのが今の我が国における正規のルートである。受診料を加味しても、一度にもらえる薬の量がけっこうあるので、保険適用を加味すると、多分これが一番安い。しかし行く必要あり。たいへん。時間ない。
それを嫌気すると、オンライン通販ではやや怪しげなところから睡眠薬を購入することができる。これは一番楽な手段と言えるが、保険適用されないこともあって、薬の代金は非常に割高となってしまう。
オンライン診療は、ユーザの観点ではこれらの手段の間に位置するものだ。手間暇はクリニックに直接行くよりも格段に楽であり、価格は怪しげな通販サイトよりも安い。
まとめると以下のようになる。
種別 | トータル費用 | 時間と手間暇 |
---|---|---|
クリニックに行く | 安い | 大きい |
オンライン診療 | まぁまぁ安い | 10分くらい/回 |
通販 | 高い | 楽 |
バランスを考えると、オンライン診療が多くの人にとって合理的な選択肢となるだろう。
ハイブリッドとして、一度でも直接診療を受けると、次以降オンラインで一度に処方できる分量を増やせるというものがあるらしい。使ったことないが……(というかあまり睡眠薬を飲み続けたくもないが……)。
使っているサービス
さて、オンライン診療で睡眠薬を処方しますよ、と謳っているところは数多くある。たとえば有名どころだと、なんとDMMがやっていたりする。
なんでもやってんなここ。ただ注意が必要なんだが、DMMは自由診療で保険が適用されない。なので、薬代がけっこうする。具体的には、僕が飲んでいるデエビゴ5mgだと、30日分で送料込み240円/錠程度かかる。この「保険が適用されるか否か」は診療サービスを選ぶ大きなポイントとなる。
しかし、これでもどこぞの個人輸入系通販サイトよりかはよほど安い。また、後述するが、保険適用されるところでも「配送料」「システム利用料」とかで細かく取られるため、総額では保険適用されるところと大きな差があるわけではない。なのでDMMの費用は総額で見ると決して高くはない。
ただまぁ、せっかくバカ高い保険料を払っているのだから、やはり保険は適用されるところが良い。ということで、僕が選んだのはネムリノミカタである。
保険適用されるだけあって薬代で支払う費用はかなり安く済むが、配送料とか診察料とかもかかるので、保険適用したうえで3000円/回くらいかかる。トータル費用のうち半分以上は保険がきかない部分である。
また、1回で処方される薬は僕の場合14日分だ。正直これが法的な制約のためなのか、それとも細かく診療して稼ぎたいからなのかよくわからない。薬代は安いので、診療回数が多い方が儲かるビジネスに思う。実際、初回は7日分だったが、費用のメインが薬代以外であるため、費用感自体はさほど変わらない(初診料は少し高いのもある)。
使い勝手の実際(ネムリノミカタ)
さて、実際に使っていてどうかについてもメモしておきたい。
予約
LINEのシステムに統合されているため、予約は非常にスムーズにできる。慣れれば5分もかからない。
使ったことはないが、オンデマンド診療なるものもあって、これを使うと待ち時間なしで即診療してもらえるらしい。なぜ使ったことがないかというと、予約もさほど負担ではなく、であればあらかじめ予約しておいたほうが、運用上のトラブルも起きづらいかなぁと思っているからである。
診察
診察は初回こそ少し時間を取られる(20-30分くらい?)が、何度か診察を受けると、まじで5分もかからないようになる。2,3分だと思う。挨拶くらいしかしない。なんならコンビニで弁当買った時の店員とのほうが会話してる可能性すらある。有り難いがコレ何の意味があるんだ感は否めない。まぁそういうビジネス。
初回でサプリメントを勧められるが、薬より高いという意味不明な代物なので当然お断りする。一度断れば2回目からは何もない。送料無料になるが不要。こんなサプリメントでどうにかなるなら、オンラインとはいえ診療なんて面倒くさいもの受けない。ってかもう既にグリシンとか試してるよ。きかないんだよ。
定期予約させようとしてくるが、基本的にはお断りして都度自分で入れた方がよいだろう。先の予定なんてわからないし、睡眠薬は使わなくて済むなら使わなくていいものだし。
配送
2,3営業日いただきますと言われると、次の日くらいに届くこともある。けっこう迅速でこれは助かっている。クロネコメール便で届く。
睡眠薬の実際
さて睡眠薬を使うと眠れるかだが、これは眠れる。少なくとも僕は睡眠薬を飲めばある程度寝られる。熟睡というわけにはいかないかもしれない。これは身の回りで睡眠薬を飲んでいるor飲んでいた人の話を聞いても(聞いてみるとけっこういるものである!現代人どんだけ寝られないんだ)、時々寝られなかったということはあっても、基本的に睡眠薬は飲めば寝られる。
何を飲んでいるかは人それぞれだけどね。睡眠障害の症状も睡眠薬の種類も色々あるので。飲んだらその日からきくものもあれば、飲み続けてきくやつもある。依存性が強いのもあれば弱いのもある。基本的によくきくやつは依存性も強い(まぁよくきいて依存性も低いならそれ使うよね)。
僕が処方されているデエビゴは、飲んだその日からきく。原理的にはオレキシン受容体拮抗薬に分類されるらしい。受容体というのは特定の物質を受けて反応するタンパク質で、なんか大学時代にやったなこれと思ったが深くは知らん。まぁとにかくオレキシンなる物質を体内で受けるものだ。その拮抗薬なので、オレキシンを取り込まないようにするものといえるだろう。なぜかというと、オレキシンというのが覚醒のはたらきをしているからとのことで、このはたらきを抑制することによって眠気を誘うものだ。依存性が比較的少ないとされている。2mg、5mg、10mgとあるが、僕が5mgのものを使っている。
友人は確かルネスタを使っていたと思うが、DMMの薬の値段を見ると、デエビゴはルネスタの倍ぐらいのお値段がしてそう。睡眠薬としては高めの部類なのかなと思う。まぁでも寝られているし、前述したとおり保険適用されるオンライン診療において薬代が占める割合は大きくないので、まぁいいかなと思っている。
副作用だが、まぁ眠気は多少残るような気がしなくもない程度だ。あと何度か幻聴みたいなのを聞いた。地獄の住民が歌う歓喜の歌絶望アレンジみたいなコーラスが延々と鳴り響いて、眠れなかった。このように書くと恐ろしげだが、僕の場合普段から耳鳴りがあるので、それが酷くなったようなもんだと思えばそんなに……。耳鳴りもなおらないなぁ。
あとデエビゴの場合、酒は控えるように言われるので、酒と睡眠薬のどちらかを選ぶことになる。呑兵衛にはつらいところだが、これを機に酒を減らせると思えば……。
所感
以上、オンライン診療で睡眠薬を処方される実際である。睡眠薬がほしいけどメンタルクリニックに行く暇がないとか、抵抗がある人にとっては、それなりに参考になる部分もあるかと思う。
睡眠薬は確かにきくし、悪用もできるので、ある程度の制約を設けることは理解できるが、しかし毎度2,3分の挨拶しかしない受診はどう考えても不要だろう。受診回数に応じて一度に処方できる薬の分量はもっと多くていいはず。
ちょろっと書いたが、直接診療とのハイブリッドなどやることで、現行でもうまくやれる方法はあるのかなとも思う。ここらへんうまくやっている人がいるなら、是非知見をお聞かせ願いたいところである。こういう情報、調べても💩みたいなまとめサイトしか出てこない……。
しかしまぁ、「寝るのに金がかかる」というのが正常なはずはないし、やはり最終的には薬に頼らず眠れるようになりたいものである。結局ストレスなんだよなぁ。
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