広報会社が謎の暴走をして、最近またさいとう知事周りが喧しい。どうも、兵庫県知事選が終わった後、広報会社が何を思ったのか儂が育てたみたいなことを言ったようで、それが知事および当の広報会社の公選法違反では?という話になり、知事はその事実関係を否定している、という状況だ。
本件について、おねだり知事扱いしていたのでさいとう知事に引け目があるから、というわけではないんだけれど、話を聞く限り、広報会社側にだいぶ問題がある思われた。
告発したらいんでね?
貼っていいのかなぁという気もしたが、まだ公開されているようなので貼っておく。いまさら消せないのだろうか。
兵庫県知事選挙における戦略的広報:「#さいとう元知事がんばれ」を「#さいとう元彦知事がんばれ」に|折田 楓
こちらは知事側の反論(?)
PR会社の書き込み「事実異なる」 斎藤知事代理人 70万円は口頭契約、内訳5項目も説明|社会|神戸新聞NEXT
両者の言い分は食い違っているわけだが、まぁわからないことについてああだこうだ言っても仕方ないので(まさにこれこそ先の知事失職における僕の反省だ)、今わかっていることから推論していく。
まずこの結果を見れば、広報会社としての役割をまったく果たしていないことは明らかで、選挙についてドメイン知識がないどころか法的リスクすら無知。そのような会社が、選挙の広報活動において重要な役割を任され成果をあげた、とはにわかに信じがたい。そもそも選挙関係なくとも、先方の許諾なく内部事情の津々浦々をnoteに一般公開、ということ自体がありえないよなと思うし、能力どころか常識もないのではないか。
一方で、元役人でかつ選挙も再選の知事側が、外形的に瑕疵のあるスキームを組んだとも考えづらい。まぁ責任があるとすれば、この会社に仕事を頼んだことだろう。ポスター代70万円払っているのは事実のようなので(これは公選法的に適法の範囲内らしい)、確かに関係はあったようだ。しかし、前述のように広報会社の能力には大きな疑問があるので、中核にいた認識はないという知事の主張には謎の説得力がある。
以上から、「言っていることが本当とされれば逮捕されるかもしれず、虚偽とされれば嘘つき野郎になる」とどう転んでも最悪という状況を自ら作った方を優秀とはちょっと思えないので、どちらかといえば広報会社が相当ふいているのではないか、と思われた。
まぁそんなわけで、僕は広報会社の主張についてほとんど信用していないので、信用していない人の主張を採用することもなく、故に公選法違反があったと疑う根拠は乏しい、という結論だ。結果的には知事側の主張を支持する形になっているが、知事の言うことを信じたというより、広報会社の主張が信じられないのでこうなった、というほうが正しい(これは先の選挙で、知事が信じられたというより反対陣営が信じられなかったのと重なる)。
まぁこれについては色々な見方あるだろうけれど、高橋洋一の言っていた「公選法違反だと思うなら告発すれば?」が本来的にはすべてだろう。
本音はSNS潰し?
しかし特に何もなく、オールドメディアや知事に対して否定的な人たちは、ひたすら疑惑のまま延々と叩き続けている。これは、叩くだけのほうが美味しいと思われているからではないか、とはまぁ僕の穿った見方である。
今回の知事選については怒り心頭という人たちもたくさんいて、そういう人らからすると、この「広報会社がSNSの流れを作った」というのは非常に美味しいストーリーだ。なので、変に広報会社の言ってることは誇張だとか事実ではなかったとか、そんなことが公的に認められるようなことになる可能性があるくらいなら、まずは疑惑は疑惑のまま置いといて、つくられたSNSというような、そういう印象付けをするほうが良い、と考えている向きはあるのではないか、と思う。
ネットはいろいろ
まぁもちろん正式に広報会社の主張が認められ広報会社の社長もろとも公選法違反で逮捕、ということになるのが一番美味しくはあるので社長に期待する向きもあるようだが、だからといって「逮捕されるとしても真実を言うべきです!」などと迫る人は、自分が邪悪な存在になっている自覚をしたほうがいいと思った
一方では、僕のように広報会社の主張に疑義を呈している人もいる。このように、SNSを初めとするネットでは片方の意見だけではなく様々な意見が渦巻いている。まぁ色々なところに仕掛け人がいるのはそうだろうし(今回のこの騒動も仕掛けてる人いるんじゃないの?)、それがある程度功を奏することもあるだろうが、それがあらゆるところで起きるので、結果的には綱引きとなって、あまり極端なことにはならないものである。
最近SNSやネットを規制しようという議論がにわかに盛り上がってきており、本件はその文脈でも語られることになるだろうが、負けずに自由を主張していかなければならない。
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