初学者による法人税のメモ

経理初学者のエンジニアが法人税について調べて、エンジニア仲間と知見を共有するための記事。したがって経理の専門による記事ではない。特に以下の本を参考にさせていただいた。

目次

企業会計と税務会計

会計には企業会計と税務会計がある。企業会計は企業の実態を株主や投資家などに伝えるもので、仕訳帳→総勘定元帳→残高試算表→清算表→決算書の流れでB/S(貸借対照表)やP/L(損益計算書)が作られる。で、決算書は株主総会で承認を受ける。つまり決算書は基本的に株主向け。

それに対して、税務会計は公正な課税所得の算出が目的で、税務署に税金を納めるためのものが申告書で、決算書をベースに修正される。具体的には決算書と別表を提出することになる。確定決算主義という。

この税務調整はかなり複雑。というか難しいのだいたい全部これのせい。

国に対する法人税

法人税

所得に対してかかる。資本金1億円超えでは23.2%。1億円未満では800万以下は15.0%で、それを超えた分は23.2%。

地方法人税

法人税額にさらに乗算してかかる。2019.10.1の事業年度より10.3%となった(それまでは4.4%。法人住民税の引き下げと相殺)。

国が徴収する法人税で、地方に再分配される。なんじゃそら。地方の取り分が減って国の取り分が増えた形になる。つまり都市から地方に金が流れることになるだろう。うーん日本。実務的にはあまり気にすることはない。

地方に対する法人住民税、法人事業税

地域によって異なるので正確にはちゃんと調べる。

法人住民税

均等割と法人税割で構成される。

均等割は法人の規模による。最低7万円。

法人税割は法人税額にかかり、7.0%。以前は12.9%だったが地方法人税に転嫁された。

法人事業税 + 特別法人事業税

所得に対してかかる。標準的には400万以下の部分が4.8%、400超800以下が7.3%。800万超えが9.6%。

結局いくらかかるのか

法人税率はどれくらい? 法人にかかる税金と計算方法などを紹介! | 起業・創業・資金調達の創業手帳に算出式あり。 表面税率と実効税率があって、表面税率は以下のようにされる。

\(「表面税率 = 法人税率 + 法人税率 × 地方法人税率 + 法人税率 × 住民税率 + 事業税率」\)

しかし実際は前述のように所得と税務上の利益にはズレがあるため、実効税率は異なり、その式としては以下となる、らしい。

\(「実効税率 = (法人税率 × (1+ 地方法人税率 + 住民税率)+ 事業税率+特別法人事業税率)/(1+ 事業税率+特別法人事業税率)」\)

うーん、なんでこうなるのかよくわからなくなっている。

とりあえずまぁ中小零細で、表面税率の考え方でざっくりと出したい。Excelでざっくり計算したのが以下。

だいたい25-30%くらいになるのかなという感じ。低所得でもけっこうがっつり取られるので、個人事業主の法人成りが課税所得1000万くらいにボーダーがあるのはまぁそうだろうなと思う。法人成りすると個人所得でもさらに取られるし。

会社関係者と税金

配当と法人税

法人税自体は法人と株主は別々であるとする法人実在説に則っている。

しかし、法人を株主の集合とする法人擬制説の考え方において、株主配当金は損金に算入できない(経費にできない)とされる。つまり配当分も含めて法人税が課せられることになる。しかし一方で配当を受け取った個人がさらに個人の所得として税を課せられるのは二重課税であるため、配当の10%が所得が配当控除として所得税から引かれる。法人税率と合ってない気がするが、配当控除は税額控除で、税額から直接引かれるため個人としてはそこそこ大きい。

こうなると、会社としては配当金より内部留保するインセンティブが働くわけだが、ここに留保金に別途法人税を課す留保金課税制度というものがある。これは株主3人以下で議決権50%超える企業を同族企業として、同族企業において扱われる。しかも合法的な状態でも税務署長の一声で否認(同族会社の行為計算の否認)されるらしい。うーん中世。ただ資本金1億円以下では適用されないとのこと。

役員報酬と法人税

従業員は雇用契約であるのに対し、役員は委任契約であり関係が異なる。で、役員報酬は損金算入できるが、そのためには条件がある。年俸制としてあらかじめ税務署に提出し、毎月定額を払うというものだ。臨時の賞与も税務署に届出が必要。また、退職金は株主総会での承認が必要。

ただ払うのは勝手。損金算入されないというだけ。高額な役員報酬なども待ったがかかることがあるが高額とは何かに定義があるわけではない。

雇用は雇用で面倒臭いが役員は役員で面倒臭い。

所感

お上は庶民が庶民の分際で息するのが嫌なのかな。細かく税金取ろうという執念を感じる。損金算入の基準も結局最後は役人の胸先三寸という感じなのはどうなんだ。あちこちにこういう運用ありそう。企業が天下り役人を受け入れたがるのは生存のために必須なんだなぁ。

一番得するのは会社の不利益を顧みない役員じゃないだろうか。なんかあったら全部会社が丸かぶりする構造になっているけれど、逆に言うと会社が損してもいいと思えばだいたいのことは出来る。そんな役員が株主に支持されるのかという問題はあるけれど、実際社内のことなんて株主にはなかなかわからないし。それで税金持ってかれたら、最終的に泥を被るのは給与という形で影響を受ける一般の従業員になる。

配当金が損金にならないのは株主の立場からすると「えっ」て感じ。所得としての配当金は課税するのに。配当控除なんかするなら最初から課税しなければいいのにと思うけど、まぁ要は少しでも税金取りたいのか。この一度取ってから一部返すスキーム本当に多いよな。

全体的に異様に複雑だなと言うのと、結果的に従業員の経済活動を制約するようなものになっていると思うが、諸外国はどうなっているのだろうかと気になった。システム設計の観点では、複雑な仕様は不合理な考え方をしていることの現れである。複雑なシステムはバグの温床であり、また運用も複雑怪奇化し、さらに改修のための学習コストもバカ高くなってしまうため、いいことは一つもない。それは物事の捉え方を間違えていることもあるが(これは技術的な課題)、多くの場合は組織体制と政治の問題に帰結する。この場合、たいてい現場の設計者の裁量を超える。

まぁ国という組織体制と日本政治の賜物でこんなことになってるんだろうなぁ、という気はする。バグも多そうだけれど、それさえもバグに見せかけた意図的な仕様なんだろうなとか。闇だなぁ。消費税っていう逃げられない税金があるんだから、全部消費税にして、かつ軽減税率とかも全部取っ払ったら、何もかもスッキリするんだろうけど、そうはならんのだろうな。

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