制約の多いGoogleストアクレジットに気をつけろ、実質○○円は全部罠

去年、Pixel 7を購入していた。やけに高く設定されたiPhone SE 2の下取り価格と10%割引、さらに21000ポイントのGoogleクレジット(これは最悪だった)につられたのだ。僕のような人は多かったと思われ、実際この一年で2%から12%にシェア急上昇、iOSのシェアをそのまま食った格好である。

Google Pixelの日本市場シェアが前年同期6倍の12%に爆増、iPhoneは58%から46%に低下し2年ぶりに50%を下回る - GIGAZINE

まぁ実際Pixel 7は価格自体為替レートを考慮しても安かったし、Googleとしてはまずシェア拡大を狙っていたのだろう。Pixel Budsシリーズも今は高いが、以前は異様に安かった。Googleはこういうことをするので、チャンスがきたら着実に狙っていきたいところ(Pixel Buds ProはBeats Fit Pro持ってるから買わなかったけど)。

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実質xx円という罠

iPhone SE 2の下取り価格は35000円で、これは当時の中古市場を見ても高く設定されていたと言って良い。まぁわかりやすくiPhoneのシェアを奪おうとしてるよね。ただ当時むしろ出色だったのは、Pixel 4の下取り価格61500円だろうな。これを超える下取りは後にも先にもないだろう。これはマジでなんだったのか。それに加えてクレジット21000ポイントで、61500円+21000ポイントで実質82500円、つまり実質無料などとそこかしこで謳われていた。なんなら割引クーポンも含めて黒字とさえ言われていた。

僕はこの実質xx円という考え方が好きではない。これは毎日コーヒー一杯分の値段と同じような、売り手が買わせるために使う見せかけのテクニックだ。少なくとも買い手の思考方法ではないと思う。では買い手の考え方は何かというと、「何にいくら払うのか」というコストの総量とその対価である。値引き以外引くな。買い手にとっては値引きだけが正義だ。

たとえば前回のPixel 7で言えば、iPhone SE 2と引き換えに買ったわけだが、これはどのように考えられるかというと、以下のように考えられる。

  • Pixel 7の代金は82500 - 8250 - 35000 = 39250円。
  • 21000ポイントのGoogleクレジットが付与
  • iPhone SE 2は諸経費込みで約10000円。

したがって、以下の対立軸となる。

10000円でiPhone SE 2 vs 50000円で1年のiPhonse SE 2 + それ以降Pixel 7 + 21000ポイントのGoogleクレジット

5万円から2万円を引いて実質3万円と考えるのではなく、5万円で2万ポイントを取得と考えるのがミソである。キャッシュバックなら値引きと同様に差っ引いても良いが(受け取り方法が煩雑なことがよくある、確実に受け取ること!!)、ポイントの場合はそうすべきではない。ポイントは金ではないため、使途が限られるからだ。

Googleクレジットがゴミ引き換え券になる日

実際、このGoogleクレジットは現金とはかなり性質が異なる。GoogleクレジットはGoogleストアでしか使うことがないのだけれど、その品揃えが酷いのだ。PixelシリーズとFitbitシリーズのほかは、碌なモノがない。しかもそれらは定価であり、価格としてはかなり高い。では欲しいものが出るまでまとうと思うかもしれないが、ここで有効期限1年という、意図を感じる設定に気づく。この何もない店で、1年以内に使う必要があるわけだ!

この邪悪な意図を持ったクレジットを現金と同じように考えるべきではない。PayPayポイントやヨドバシのゴールドポイント、Amazonポイントなどはかなり現金に近いが、このGoogleクレジットはとんでもない。Googleクレジットは明確に現金よりも大きく劣る。Google自らがこのクレジットを使って「実質」商法をしているのは(今回のPixel 8もクレジット込みで39800円からという書き方をしている!)、ヨドバシやAmazonやPayPayが培ってきた「現金に近いポイント」のイメージにフリーライドしていると思う。ハッキリ言ってめちゃくちゃ印象が悪い。

現に僕はこのGoogleクレジットを使うことが出来ず、正直いらなかったGoole Homeのディスプレイ付きのやつを買った(4480円)っきり、使い道のわからないまま、有効期限当日を迎えることになった。

悲しみのストアクレジット

こうなるともはやゴミ引き換え券のような気分である。恐らくもっとも賢い選択は、Pixel Budsあたりを買って現金化することであろう。もっといえば、去年の価格が安かった頃のPixel Buds Proを割引使って購入して転売するというのが、一番賢いやり方だったなと今となっては思う。ただあまりそういうことはしたくないのだよなぁ。

せっかくなので、全うに商品を買うという選択肢も考えた。たとえばPixel 7を下取りに出してPixel 8を買うとどうなるだろうか。Pixel 7も下取り価格43100円と、比較的悪くない設定がされている。

この場合は、以下のような考え方になる。

  • Pixel 8は112900円
  • Pixel 7の下取り価格は43100円
  • Googleクレジットは16520ポイント使える
  • Googleクレジット30000ポイント取得する

下取りは値引きと考えてよいので、Pixel 8は112900-43100=69800円相当。ただしPixel 7は1年の使用で終わり。つまり、

5万円で1年のiPhonse SE 2 + Pixel 7 + 現金(10000円くらいにはなる?) vs 12万円で1年のiPhone SE2 + 1年のPixel 7 + Pixel 8 + 30000ポイント

7,8万円近い差額が出る。そして再びいらないGoogleクレジットが付与される。これはキツい。

ということで、他にも色々と検討した挙げ句、Fitbit Sense 2 32,800円をポチった。これはこれで色々と問題が発生しており、後日記事にするがこの記事ではオススメはしない。ちなみにこれは定価で買ったが、巷のストアでは10%くらい値引きされているので、ここでもクレジットの制約がきいてしまっている。16520ポイントだが、実質13000ポイントだ。そもそも、本当にこの製品が欲しかったかというところがもう微妙なのである。

最終的に、僕は以下の結果となったといえる。

65000円でiPhone SE 2を1年 + Pixel 7 + いらないGoogle Home(ディスプレイ付き) + Fitbit Sense 2

一応お得と言ってよいと思うが……Fitbit Sense 2の出来次第だなぁ。なんかちょっとバグってるっぽいんだよなぁ。たのむよー。

二重で計算してお得だと錯覚する愚

ところでTwitterあたりを見ていて気になったのだが、クレジットや下取り価格を差っ引いて実質○○円論法をする人、ポイントが付与される時と使う時の両方に適用している人がちらほらいないか?

つまり、Pixel 7を買う時に21000ポイントつくから実質無料!と言ってPixel 7を買った人が、Pixel 8を買う時に、その21000ポイントをまたしても差っ引いて実質○○円!って言っているパターン。この場合、21000ポイントを2回適用しているので、42000円分お得になったと錯覚している。完全に売り手の思う壺。

これは下取りについても同じ。下取り価格を値引きと捉える場合、「元のデバイスを買った時の値段から差っ引く」か「新しいデバイスを買うときの値段から差っ引く」を徹底する必要がある。僕は新しいほうから引いてる。按分してもいいけど、ややこしくなるかな。いずれにせよ、下取り元の価格と新しいデバイス両方の価格を加味した上で一回だけ引くことが重要。

まぁ引き算するとこういう面倒くさいことが出てくるので、「結局トータルいくら払ったのか」で考えるのが大事なんだよね

Pixel Watch 2がほしいならいいと思うよ

ここまでグダグダと言ってきたが、もし、ポイントがなくても買うつもりだったくらいにPixel Watch 2がほしいなら、このGoogleクレジットには価値がある。発売したばかりだから値下がりもないだろうし、クレジットをきっちり使い切れるので、かなり現金に近い。ついでに10000ポイントついてくるので、それを使ってケースでも買えばいいだろう(この場合は制約された用途なのでこのクレジットに10000円の価値はない)。もしPixel Budsシリーズもほしいなら、値引きはないもののこれも良い使い方と言える。

まぁしかしなんだな、Googleってこういう売り方するんだな、とは思ってしまうな。ただ、これはPixel 7の時の大盤振る舞いと、本質的に同じなのかもしれない。Appleは騙しみたいなことはしないけど、大盤振る舞いもない。

考え方はシンプル

まぁ色々書いたけど、考え方はシンプルで、「結局全部でいくら払って、その結果何が得られたか」ということに尽きる。実質○○円は、このシンプルな考えを妨害するための売り手の手法です。我々書い手がそのようなまやかしに付き合う必要はないのでな。真のお得を求める道はこれからも続くのだ。

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