自宅サーバーは現実枠

クラウド全盛のこのご時世だが、このブログは現在自宅サーバで稼働しているつい先日まではConoHaのVPS上で稼働していたのだが、一週間で3度の大規模障害という国内VPSとしては未曾有のやらかしをしてくれたために、さすがに耐えきれず急遽自宅サーバに退避させた

その後の対応もナシのつぶてであったため、不信感はピークまで高まり、現在も自宅サーバのままでいる。元々GMOのサポートに期待していたわけではないが、それも許容範囲の安定性があったからヨシとしていたのであって、一週間で数日不安定のVPSなら自宅サーバのほうがマシである。そんなものに金を払う理由はまったくない。

…といっても既に3年契約であと1年4か月くらい残っているんだけどね…それでも戻る気にはまったくなれないね。

実際、自宅サーバのほうが快適だ。通信帯域はJ:COMのうんこ上り回線であるものの、所詮流行らないサイトであるし問題ない。むしろ、サーバのスペック上昇のほうが随所に効いているかんじで、パフォーマンスはむしろよくなったと思う。特に記事を編集していると恩恵を感じられる。

それでもまぁ自宅サーバで定期的に再起動なるなどはあるために、安定性の観点でVPSにしていたんだけれどその安定性でVPS大敗北ということになったので、VPSにする理由がほとんどなくなってしまった。

とはいえ自宅回線でNAT越えは色々とハードルが高いので、そこは俺たちのCloudflare Tunnelに結局お世話になっている。まぁCloudflareも去年から連続して大規模障害を起こしてくれて、特にメール一つもなく、カッコつけたポストモーテムを出しただけであったから、使いたくはなかったのだけれど、この際仕方がない。

なに、Cloudflare Tunnelが落ちたら、そのときはCaddyとTailscaleを入れっぱなしのConoHaに向ければいいんだ。さすがに同時に落ちるということはあるまい…ないよね……?それだったら多分僕んちのブレーカー落ちる可能性のほうが高いかなと思うわ。

まぁでも、個人レベルでこんな風に複数のエンドポイントを玄関として自由に切り替えられる状態になった、という点に関しては、よくなったのではなかろうか。実際このサイトも、障害が長引くのに嫌気がさしたからとはいえ、だいたい1,2時間もあればVPSから自宅サーバに退避して復旧完了したんだけど、これはまぁすごいことだと思う。

10年前にそんな芸当を個人がやるのは非常に難しくて、それで僕はこんな記事を書いていた。

これは2015年当時、使っていた小型サーバーが逝ってしまったのを契機に、専用のNASを買うようになったときの心境について綴ったものだ。さらにWebサイトならばVPSがあるしなぁ、ということも書いている。ここには明確に、オンプレや自宅サーバについて、もうそんな時代じゃなくなった、という心境をありのまま書いていた。確かにあの時、時代が変わったことを感じていた。

あれから10年!また、時代た変わった。自宅サーバーはもはや浪漫枠ではない。自由、プライバシー、データ主権、そしてハイパフォーマンスでセキュアでしかも使いやすく、しかも激安という現実の選択肢として再浮上している

この理由は大きくわけて、以下の4つがある。

  1. トンネル技術によってネットワークの設定・運用が劇的に楽なったこと
  2. 仮想化技術でポータビリティが向上したこと
  3. 省電力でサーバとして十分なスペックをもったハイパフォーマンスなPCが溢れていること
  4. AIという期待のルーキーの参入

特に4つめが重要であると思う。AIは以下の4つの仕事をしてくれる。

  1. 自宅サーバのアーキテクチャの相談、やっていはいけないことのアラート
  2. あまり知られていないFOSSを探し出したり、そのアーキテクチャや使い方を、自分のレベルにあわせて解説してくれる
  3. 困ったらトラブルシューティングを手伝ってくれる(これは役立たずのことも多い)
  4. そもそも自分でも作れる

「こういうサービスない?」でAI「こういうOSSがありますよ!」はマジで助かる。しかも全てを試す時間もないなかで、こういうアーキテクチャ、ユースケースを考えている、まで言うと「そんならこれは!」と提案してくれる。正直そのまま使うことはあまりないんだけれど、それでも参考になる。

アーキテクチャに限らず技術的な相談はやや注意で、少なくともAIのいっていることを鵜呑みにしてはならない。AIが何を言っているのか理解できて、疑問があれば即座に突っ込める力量は必要。インフラ周りではAIの無能さは相当なものになるので。それでも使える。逆に言えば無能ポイントを抑え込んで使えばかなり助けになる。

お陰様で、うちには今30超えるサーバー用アプリケーションが起動中だ。

このオフィスソフト自体、セルフホストしたNextcloud上のWebアプリで稼働している。つまりやろうと想えば複数人で編集なども可能だが当然のようにこのネットワークには僕しかいないでそんなことにはならない。一応複数PCを使った一人人生ゲームのようなものすごく暇な時にやるような遊びはできなくもない。

まぁでもこんな風にスプレッドシートで管理していると、アクション要素も出てくる。で、作った一例が最近始めている備蓄防災のリストだ。

これによって、各在庫のリストスマホで写メとって記録し、何があって何がないかは備蓄一覧を見てじっくり考えられる。ついでに買い物履歴を登楼することで、ある商品の価格の推移を見てインフレが進んでいるかを判断することもできる。しかも爆速だ。何しろLAN内前提である(検索だけでもグローバル公開するアーキテクチャは考えている)。これはまさに僕がやりたいことを体現するために作ったもので、市販のSaaSにはないだろう。

ま、どうしても新しいことをやりたいならAIに読み込ませれば「何が足りないのではないか?」とか言わせることもできるかもしれないね。なにしろデータベースでパスタがどれくらいあって賞味期限は…とか、鯖缶は…とかわかるのだから。まぁ正直何を言われるかは見当つくし、自分で判断することだから、どうでもいいが…。

あ、今ある缶詰の有効な使い方とかアピールできたら面白さあったりするかな。いや、贅肉か…。こんなふうにAIがあると色々やってみたいことが思い浮かぶんだけど、まぁ基本罠なので、愚直にただ自分のやりたいことを解剖して作るに限る。

AIによって開発速度が100倍になっているため、望むアプリはガンガン作れる。そしてそのアプリは自宅に置くのが一番良い。インターネットが必要かは慎重に考えて決めるんだね。それだけやりたいことに合わせた最小の認証なら存外楽なもんだ。自分が使うだけなら、Tailscaleで自分用のネットワークを構築するのがてっとり早い。軽めのWeb公開なら.envにハッシュ化したパスワードを置くだけでもまぁ使い物になるだろう。

自宅サーバーは忘れていたコンピュータの楽しさを一寸思い出せてくれる。だが楽しいだけではなく、極めて機能的だ。クラウドと違っていらないものはあまりないけど、いるものは全部ある。サーバーは面白い。こんな面白いものは、雲の上より自分の部屋に置くべきだ

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