8/28から始まる大規模なAWSのオンラインセミナー、AWS Innovateに先立って、8/22にプレセミナーがオンラインで開かれた。クラウド推進組織とやらの必要性と、クラウド実践を推進するベストプラクティス、およびクラウド人材なるものの育て方、というのが主題だった。
聴講してみて、まぁ自分はちょっとターゲットから外れていたなとは思うものの、学ぶところはあった。オンラインセミナー、とても有り難いです……。
クラウドなるもの
クラウドというと、数年前はバズワードの代表みたいな扱いだったと思う。実際、EvernoteやDropboxを以てクラウドの利用、と言われると微妙な気分になる。が、今やAWSやGCP、Azureが台頭し、なくてはならない基盤となっているから、それらを端的に表す「クラウド」という言葉はもう十分に専門用語だなぁと思える。
AWSはとてもよいものだ。ここ数ヶ月、AWSを使いはじめて、その便利さに感動したり、罠に嵌って泣いたりしつつ、もっとよく使えるようになりたいという思いは募るばかり。周囲に先達がおらず、何事も独学で習得しなければならない身の上、AWSがオンラインセミナーを頻繁に開催してくれるのは非常にありがたい。8/28から始まるAWS Innovateも、大いに学ばせてもらいたいなぁと思う。
それに先立って、8/22にプレセミナーという位置づけで、オンラインセミナーがなされた。クラウド推進組織とやらの必要性、クラウドの実践を推進するベストプラクティス、およびクラウド人材なるものの育て方について。クラウドなだけに雲を掴むような話……ゲホッ。
まぁとにかく、クラウドの利用にあたって、組織的に必要なものを説明しよう、ということらしい。つまり、このプレゼンは少なくとも中規模以上のシステムを持つ組織に向けているものといえる。従来のオンプレなシステム、開発基盤からクラウドへの移行を、旅行にたとえてクラウドジャーニーと呼んでいるのだそうだ。自分は従業員数名の中小企業に属する一人エンジニアであるから(ああ仲間がほしい)、ターゲットから外れていたものの、まぁ大規模な利用のされ方を知っておいて損はあるまい、と考えて聴講した。
セミナーの内容
1つ目のセミナーは、クラウド移行のベストプラクティスを説明するものだった。それによれば、クラウドへの移行にあたっては、クラウド推進のチームCenter of ExcellenceことCoEなるものを中心に、段階を踏んでいくことが大切だ、と。
具体的には、以下の4つのステージがある。
- Project…各システムの要件に沿った利用の仕方
- Foundation…共通基盤の構築
- Migration…大規模な移行
- Reinvention…クラウドネイティブな利用
クラウドネイティブな利用ってなんのこっちゃと思うのは、大規模なシステムに触れていない故に想像力が働かないからだろう。各ステージの進め方は、Projectが事業部主導型、Foundation/Migration(この2つはセットで語られていた)はIT主導型、Reinventionがハイブリッド型と分類されていたが、今の所自分が関係しそうなのはProject-事業部主導型くらいのもので、他についてはピンとこないのが正直なところである。
Project段階においては、個々の環境構築、スキル習得が重要ということで、それはおっしゃるとおり、という感じ。セキュリティがなぁ、ちょっとなぁ。今は自分が考えるしかないのであるが……きっと他所の少数チームも専任がおらず悩んでいるのだろうなぁー…。
2つ目のセミナーは、クラウド人材なるものの育て方という内容であったが、どうして育てられるのかは結局よくわからなかった。育て方というより、まず自分が育たねばならない身の上だからか。
オンプレ脳、クラウド脳という言葉は自分は初耳だったが、業界ではよく使われる言葉であるらしい。まぁなんとなく字面から言わんとすることはわかる。ただ、クラウド脳を変化を受け入れ、成長できる力、としていたが、するとオンプレ脳とは変化を拒み成長できない考え方なんだろうか 笑。
冗談はさておき、恐らく言いたいことは、オンプレ→クラウドは細かな技術論ではなくて、もっと大局的な、考え方、発想そのものの転換だよね、ということだと思う。なので、伸縮自在なインフラをビジネスに活用する発想ができるクラウド人材とはエンジニアに限らないと説明された。
これは重要なことだとは思うものの、まったく技術に明るくなくては、地に足のついた発想も難しかろうなぁ。合言葉は、Not only "Engineering", but also "Innovation"のようなので、まぁエンジニアリングは前提なのだろう。
考えてみれば、エンジニアリングというのも曖昧な言葉だ。エンジニアリング、技術を考えるのは別に技術者である必要もあるまい。そもそも、技術者ってなんだろうとよく思う。技術について考えるのが技術者だと言われたらそれまでなのだが、正直なところ、私は自分のことを技術者だとはあまり思っていなくて、技術者・エンジニアとは対外的に立ち位置を説明するための便利ワード、くらいの認識だったりする。まぁでも、これは言葉遊びの類かもしれない。前職の社長 が「日本にエンジニアはいませんよ」と言っていたことをなんとなく思い出す。どういう意味で言ったのだろう。
自分的まとめ
閑話休題。セミナーを通して、だいたい以下のようなことを思った。
- 自分の利用の立ち位置は、クラウド・ジャーニーにおけるステージでいうところのProjectにあたる。ここでは個別の環境構築、スキル習得が重要視される。
- →中規模以上のシステムとはだいぶ毛色が違うのだろうなという認識
- ま、そりゃそうだと言われればそうなんだが…
- →中規模以上のシステムとはだいぶ毛色が違うのだろうなという認識
- セキュリティ評価の重要性
- ベストプラクティスにも、セキュリティ担当を早期にチームに加える、とある
- 悩ましい
- ベストプラクティスにも、セキュリティ担当を早期にチームに加える、とある
- クラウドの利用とは発想の転換。伸縮自在のインフラをいかに利用するか、「道具としてのIT」の利用ができることが重要で、それができる人はエンジニアに限らない
- とはいえ技術的なことがわからないと、地に足の着いた発想はできないだろうとも思う
特に「発想の転換」については思うところがある。前職では観測システムをやっていたけれど、あれなんか、ちょっとAWS(S3とLambda、SQSあたり)を取り入れるだけでも、ずいぶんと開発がしやすくなったんじゃなかろうか。バリバリのアプリケーション層と離れたところで、利用の余地が多くありそうだなぁと思ったが、まぁまず暫くは修行の時だろうか。
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