freee会計の契約を解除した。正確には支払いを停止した。今月末に契約が解除され、データが見られなくなる。
この先どうするか?いったんスプレッドシートにするつもり。その後、AIで専用のアプリを作ろうかと思う。なんなら最初からアプリ制作するかも。
法人はちょっといったん置いといて、個人事業主だったらそれでいいと思う。freee会計のスタンダードプランは年間で26,000円ほどかかるが、こんだけあったらAI契約できる。僕は去年GoogleのProプランを年額14,500円で契約していたのでおつりがくる。
どうせもとより、難しいところは全部自分でやる羽目になっていた。悩ましい仕訳はAIに聞いたし、勘定科目の怪しいところはAIに聞いたし、税制についてもAIに聞いたし、よくわからない操作の仕方もAIに聞いたし、決算書のおかしなところもAIに聞いた。口座の同期はしょっちゅう再認証を求められて、これなら自分でログインするのと変わらんなと思ったし、そもそも別に全部自動で同期したところで1円にもならなかった。
ではいったい、このサービスはなんなのだろう?得られた結論は、Excelテンプレートだった。
より正確に言えば、それは機能ではなく制約だった。これはfreee会計に限らず、今SaaSと呼ばれているサービスのほとんど本質と言ってよい。機能で言えばExcelテンプレートに過ぎないが、その本質はテンプレートを強制するところにある。これによって、組織や組織外の人との連携が容易になる。つまりは、標準化だ。
標準化は技術的な側面もあるが、それより重要なことは政治である。技術的にはどんなやり方も一長一短であって、その統一はパワーゲームの結果にあたる。そして勝てば既得権益として永続的な利益に繋がる。それは正しいからそうなったのではなく、単に力があるのでそうなった。
つまり、やり方を統一するとは力である。それはたいへんなことだ。なので、大企業においてはSaaSもそれなりに意義があるのかもしれない。仲間内で片方のやり方を採用すると角がたつが、業界標準なら平和に進められる。なにしろSaaSはトレンドだ。トレンドに従って何が悪い?ただしそれは、自分たちの培ってきたやり方を捨てることになるのだが。
これは、みんな大嫌いコンサルが導入される理由と一緒だ。つまり、SaaSとはシステム化されたコンサルのようなものである。
みんな大嫌いなのだから使わなければいいのにと思うが、統一の責務を担う個人レベルにおいては合理的なのであろう。また、結局みんな責任を負いたくないので、責任の外注とも言えるコンサルやSaaSは流行りに流行った。まぁ現実には責任は自分たちにあるのだが。そりゃそうだ。
そうして考えたとき、なんで僕はfreee会計なんて契約したんだろう?と思った。僕が僕一人で事業をするのに、いったいなぜ僕のやり方ではなく他人のやり方に、金を払って従わなければならないのか?しかもそれで楽になるならともかく、別にそうでもなかった。むしろ謎のUIで不便だった。こんなん勉強する時間に簿記の勉強をしたほうが有意義だと思った。
独立した当時を思い返すと、会計ソフトは使うものだと思いこんでいた気がする。また今の時代ならばクラウドだろうという思い込みもあったな。だがSaaSにせよクラウドにせよ、虚心坦懐になって考えてみると、自分独りでは使う意味はあまりなかった。そこにあったのは、使わない機能と非機能、不便な制約、そして従属だった。
AIはつくづく、物事の本質を暴いてくれる。AIがあろうがなかろうが、ソフトウェアの性質が変わったわけではない。実際、AIがあってもスプレッドシートは今なお便利だし、使う。スプレッドシートは本物のソフトウェアだ。でもSaaSはいらない。
どうせ苦労するなら、確かなことに苦労したい。今はそういう気持ちだ。
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