メルカリで売られているらしい謎の13年前スペックのPCは本当に闇か

面白いツイートが流れてきました。

自作PCを嗜むものならば、このツイートの嘆きはよくわかるのではないでしょうか。私も非常によく理解できます。

一方で、やり玉に挙げられたこの構成は、案外よく考えられたものだ、とも思います。実際、普通の人が5万円弱を握りしめてPCを買った場合、もっともよい体験が得られるんじゃなかろうか。

比較対象として、今現在5万円で買えるデスクトップとして正解に近いミニPCを見てみましょう。

表にしてみます。

項目闇市PC(中古ビルド)GMKtec M8(最新ミニPC)
CPUCore i7-4770 (2013年)Ryzen 5 PRO 6650H (2022年)
GPUGeForce GTX 1060 3GBRadeon 660M(内蔵GPU)
メモリ16GB DDR316GB LPDDR5-6400
ストレージ512GB SSD (SATA接続)512GB NVMe SSD
OSWindows 10 Pro 、MS Office 2021つきWindows 11 Pro
見た目・筐体MONTECH XR(白・パノラマ)弁当箱
拡張性ケース内の空きはあるが、中身が古いOCuLink・USB4搭載(eGPU接続可)
価格49,800円49,997円

一般的にはミニPCが正解とされるでしょう。しかしながら、実用という観点で見たとき、果たしてそう言い切れるだろうか?

というのも、10年前の型落ちGPUとはいえ、やはり5万円で買える程度のPCについてくる内蔵グラフィックよりは当然強い、という一点です。それ以外のあらゆるスペックは確かに現代のPCに負けているのですが、その負け方が、恐らく一般的な用途においてボトルネックにならないんです。少なくとも、GPUの性能差を埋められるものではありません。

メモリのDDR3とDDR5の速度差を体感できるハイパーヒューマンはいませんし、そこがボトルネックになることはまず考えられません。SSDもSATAとNVMeの速度差を体感できるハイパーヒューマンは(略)。まぁクソデカzipのコピーとかしたらそりゃ体感できますけど、日常使いでは結局細かなランダムアクセスが重要なので。

CPUについては明確な差がありますね。ここは確かに差を体感できるところかも。しかしデスクトップ版Core i7の第四世代は、多くの用途において十分に機能するでしょう。

一般の人でスペックがネックになりえるとしたら、それはゲームなのですが、そのゲームこそまさにGPUの強さがきいてきます。この差が大きい。

つまり、スペックにおいて、13年前のPCのほうが、現代のミニPCの体験を上回るんじゃないか、と思えますね。そしてなんといっても見た目がいい。所有欲を満たしてくれることでしょう。でかいだけに熱問題も安定しやすい。物理法則は変わりません。…ま、私は小型のほうが好きですが…。

ソフトウェアについても、WIndows 11がWindows 10より優れていると思うヒューマンはどれだけいますか?単にサポート切れだからなんとなく怖い、という人がほとんどです。実際、Windows 10のシェアは依然として大きいし、MSのWindows 11強制には怨嗟の声があふれていますね。

ホームユースにおいて、私はWindows 10であることが問題になるとは思いません。マルウェアはほとんどの場合自分で招き入れるものです。そうでない純粋な攻撃の場合、家庭内においてはルータが防壁になります。ルータを突破されている時点でもうOSどうのとか言ってる場合ではありません。

さらにMS Officeまであります。まぁ間違いなくボリュームライセンスの使いまわしで黒に近いグレーですが、ヤフーショッピングを見れば500円でMS Officeが今日も元気に売りさばかれている現状、倫理的な問題はあれど、実際的な問題にはなりづらいでしょう。倫理的な問題というならそもそもMSの独占的な地位を悪用したWindowsアプデ強制のほうがよほど…。

拡張性については、微妙なところですが、OcuLinkの存在を考えるとミニPCは良いでしょう。しかしね、5万円でなんかカッケェPCを買う人に、OcuLinkって刺さると思います?絶対使わないって断言できます。2.5GbpsのLANポートもいりません。

以上を考えると、メルカリで売られているらしいこの謎PCは、確かに闇市的である一方、実用という観点において決して法外ではない、むしろ確実にわかっている人間が制約の中で実用のために組んだものだ、と言えます。ほんの2年前に、25万円で8GB RAMのMacにProの名を冠して売ったAppleより誠実だとすら思いました

私は最近思うんです。この10年、体験に寄与しないところばかりを高額で押し付けられている一方、本当に必要なスペックは進化どころか価格を考えると退化している。その歪みがここに出ている。闇市、情弱向けPCなどと揶揄されていますし、それは現代的な常識からは正しいかもしれません。しかし実際は、恐らくまともに動きます。なんなら同じ価格の現代の高コスパPCよりも良い体験をもたらすでしょう。これはいったいどういうことだ?

そんなことを考えながら、今日も私は数千円のジャンクPCを買って、軽量のLinuxを入れています。もう十数台ばかり集まりました。阿呆です。この子たちを使って、本当に必要なことをするには、これで十分だと立証していきたい。必要ないことをやるためには、不十分でしょうけれど。

でも、みんながやりたいことは、不必要なことじゃなくて、必要なことじゃないでしょうか。そういう当たり前のことを、思い出していきたいのです。

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