計画というのは本当に必要なんだろうかと人生行き当たりばったりの僕は思うのだが、まぁみんないると言っているので、多分いるんだろう。会社や事業においても計画は重要とされ、あらゆる人が「計画を書け」と言う。
で、色々見ていると、「経営計画」と「事業計画」があり、両者は異なるものだということを意識するようになった。まぁ当たり前かもしれないんだが、正直あまりその違いを意識できていなかった。
端的に言えば、会社の新規事業担当者は「事業計画」を作るが、会社そのものを設立するところから始める場合は「経営計画」から入る必要がある。
経営計画と事業計画
経営計画という言葉を最初に意識したのは、以下の本を読んだ時だ。
この本については読書録も書いている(「読書録: 中期経営計画の基本がよ~くわかる本 第3版 - 或る阿呆の記」)。本書において経営計画と事業計画は明確に区別されている。事業計画は経営計画を実現するための一部という位置づけである。
「そもそも何をするのか」が経営計画の部分と言える。
事業計画のタイミング
で、この手の本を読んでいると事業計画はすぐにでも書かないといけないもののように思えるし、まぁ実際そうかもしれないんだが、そうは言っても計画は計画だしなぁという気持ちが拭えない。というか、「何をするのか」が本当のところ決まっていない状態で、事業計画と言われても困るよなぁ、というのが正直な感想だった。
これについて、以下の本を読んだ時にけっこう後半であることを知り、そんなもんかと思った。
具体的には、顧客課題がわかり、それに対するソリューションとしてのプロダクトが明確になった時になる。この状態を本書ではPMF(Product Market Fit)と紹介している。MVPを使って仮説検証をしているタイミングにおいては、事業計画よりもリーンキャンバスが推奨されていた。
本書の内容は一言で言うと進研ゼミの漫画なのだが、しかし新規事業を進めるうえでどのタイミングで何をするのが模範的なのかが教科書的にわかりやすいのは良いと思った。
経営計画ありき
上にあげた「起業の科学」は、事業を興すことそのものを起業としており、内容は会社の新規事業担当者の悪戦苦闘を描いたものである。そして当然そこには経営計画はない。というより、経営計画は既に決まっており、その一環としてDXと当社技術を活かした新規事業を作る、という流れになっている。
つまり、事業計画の前にまず経営計画がある。そして会社を設立する場合は、まず経営から入るのだから、事業計画の前に経営計画があって然るべきだろう、という話になる。そして経営計画の前には経営理念がある。
順番を意識
まぁとはいえ、どんな事業をするか決まってないのに経営計画というのもよくわからないし、現実的にはそれぞれが相互に影響をおよぼしながらサイクルとなって変わりつづけることになるのだろう。ただまぁ、経営理念→経営計画→事業計画(顧客課題の仮説検証の段階ではリーンキャンバス)という順番自体は、常に意識しておくべきことだなと思った。どうしても事業、しかも事業のタスクのほうに目が行ってしまうので……(エンジニア仕草)。
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