事業を運営するうえで、なにをすべきなのかまとまっている書籍が読みたくて、本書を手に取った。「ビジョナリー・カンパニー2 飛躍の法則」で見たような内容で、あれは方々に影響を与えているのだなぁと思った。それの現代日本実践編という感じ。先にビジョナリー・カンパニーを読んでおいてよかったかもしれない。
学びたいこと
個人事業主~設立したての小規模な会社にとって、役に立つ内容はないかという目線で本書を読んだ。ただ本書がドンピシャにハマるのは、既にある程度会社が軌道に乗っている中規模くらいの会社と思われる。
とはいえ、共通して役に立つものもあると思われる。
企業構造と経営計画
本書は何について書かれているかの骨格となるところをメモする。
企業構造
本書は企業構造という考え方をベースにしている。企業構造は以下のように6つの要素から成り立つ。
まんま図を載せるのは憚られたので書き直したが、トップが事業方針を定め、事業方針を達成するためのビジネスモデルがあり、ビジネスモデルを実行する人と組織が結果を残す、という感じだ。外部環境によって事業方針もビジネスモデルも変わっていく。
この基本となる考え方に則って、経営計画を策定することにより企業構造を具体化していくことが本書の内容である。特に事業方針、ビジネスモデル策定にかかるところが重点的に書かれている。外部環境の分析や組織マネジメントについても書かれてはいるが、補完が必要だろう。
基本経営計画
本書は基本経営計画を以下のように定義している。
基本経営計画は、ビジョン(第3章)およびそれを達成するための基本戦略(第8,9章)に基づき、それをより具現化して計画に落とし込む業務をいいます(図10-1-1を参照)。
p.204
ここで、ビジョンの前に企業理念がある。この企業理念は企業の存在意義である。ビジョナリー・カンパニーあたりでめっちゃ口酸っぱく言われるやつである。で、本書は終わりのない企業理念を中長期スパンの目標に落とし込んだものをビジョンとしている。ここでいう中長期は、5年から10年くらいをさすようだ。つまり、以下のようになる。
いわゆる事業計画は経営計画の一部と見なしているのが特徴だろうか。
これらについて、一つ一つ決めていくことが本書の流れである。考えるためのテンプレートがExcelファイルで提供されているため、それに則って自分なりに考えていくことになるだろう。
最終的にはキャッシュフロー計画を作ることになる。キャッシュフローが一番大事とは金持ち父さんであるロバートキヨサキも口酸っぱく言っているところだ。
所感
本書は、事業を運営するうえで、骨格となるところを順序立ててつくるための、フレームワークとテンプレートを書したものといえる。Excelテンプレートがあるのは助かる。
考え方は、先にロバートキヨサキの本やビジョナリー・カンパニーを読んでいると、下地としてこのへんがあるんだろうなと思えるが、まぁ事業計画系の本はだいたいみんなそうなのかもしれない?
ビジョナリー・カンパニーを読めばだいたい何をすべきかはぼんやりとわかるものの、で、具体的に何する?で手が止まるので、テンプレートを提供してくれている本書はなかなか参考になるように思えた。
コメント