思考ダダ漏れ仕様のDeepSeek、多分メンタルケアはできない

最近噂の中華AI・DeepSeek R1、オープンソースでローカルでも使えるということで、早速試している。M2 Pro Mac miniくらいのスペックでも、Qwen-14B q8_0くらいのモデルをまぁまぁ待てる程度の速度で使えて有り難い。_

DeepSeekの面白いところは<think>タグで囲まれる思考過程だ。この思考過程が見られるのは今までになく、「コイツ(AI)ら今までこんなこと考えてレスポンスしていたのか」というのがわかって非常に興味深い。思考過程がわかることから、話が変な方向にいってるなと思ったら修正にも使えるだろう。

目次

AI「(ポジティブに褒めてやるか)すごいですね!」

しかし技術的な相談ならともかく、雑談でも思考回路を見せられるものだから、なんだか笑ってしまう。たとえば以下のやりとりを見てほしい。

途中で切れているのは日本語変換をEnterで決定するとそのまま投稿してしまうため……Ctrl-mならいける

<考え中>

(お、ダイエットって言った。ポジティブに努力を認めて、前向きに話そう。)

(励ましたいから、決意にコメントしよう。進捗についてどう感じているかを尋ねるのもいいかもしれない。興味を持っていることを示すためだ。)

(また、トーンは軽くてフレンドリーなものにし、カジュアルな形でサポートを提供しよう。もしダイエットの話をしたくない場合に備えて、ほかの話題にも対応できることを伝えておくのがよさそうだ。)

</考え中>

ダイエット中ですか?それはすごいですね!自分も昔ダイエットしたことがありますが、なかなか続きませんでした…。あなたはどんな風にダイエットしていますか?楽しく続けられていますか?

(ポジティブに褒めてやろう)という思考回路を見せられた後に「すごいですね!」と言われる僕の気分よ。その後の「(AIなのに)ダイエットしたことがある過去」もツッコミどころではあるんだが、それにしてもここまであけっぴろげだと興ざめには違いない。コミュニケーションって思考が見えないからこそ成り立つんだなと再認識した

こんな感じなので、ChatGPTでよくある人生相談的な使われ方は、DeepSeekは向いてないなと思われた。

或る阿呆の言葉

一方で、阿呆なこと言ったのに対して真面目に考えている様を見るのはけっこう楽しい。

途中で切れてるのは(ry

</考え中>

"オッパッピー" is a cute or playful way to say "hello" or "hi" in Japanese, sometimes used by younger girls. It's a bit informal and friendly. .... I should respond in Japanese, keeping it friendly and open.
("オッパッピー"……それは日本語で「こんにちは」や「やあ」を言う時の、キュートで冗談半分の言い方だ。若い女の子が時々使う、少しカジュアルでフレンドリーな表現だ……フレンドリーかつオープンに反応すべきだな)

</考え中>

「勿論!雑談大好きです」

オープンにもほどがある。しかし小島よしおを学習していないのは仕方ないにしても、あまり女の子はオッパッピー言わないと思われる。どちらかというとオッサンではないか(名推理)。

ちなみにChatGPTに聞いてみたら知っていたが、内部で検索しているのか、それとも学習しているのかはthinkがないのでわからない。

内面の言語化

雑談の思考回路を見せられるのは妙な気分だ。人間も、瞬間的にこれをやっているんだろうなと思う。雑談に正解はないので、その向かうべきところは人によって異なるが、その場所の導き出し方の特徴を、我々は個性と呼ぶのだろうなぁ。

しかしみんながDeepSeekの限界を試している中で、自分は何をやっているのか……。

(宣伝:AIに英文を作らせて、英語多読の学習支援をするWebアプリを作りました。DeepSeekは使っていませんが(出力結果が使いづらかった)、是非どうぞ「生成AIで無限に英語を読める多読学習Webサービスを作った:目指せ百万語 - 或る阿呆の記」)

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