生成AIで無限に英語を読める多読学習Webサービスを作った:目指せ百万語

今年の目標、Webサービスをバシバシ公開していくの有言実行第一弾として、英語の多読を支援するWebサービスを作りました。装飾など一切なく、かなり無骨ですが、お披露目することが大事だと思うので、公開します。画面はこんな感じです。

開発画面

サイトは「Extensive Reading Service Beta」です。いつかBetaは取れるでしょう。

目次

サービス概要:英語を100万語読め

このサービスは、英語の多読学習で100万語達成を支援するために作られたWebアプリです。英語の教材探しや記録の手間を解消し、「100万語読破」を目指せる仕組みを提供します

多読とは、英語の学習方法の一つです。これは何かと言うと、ゴチャゴチャうるせぇ100万語読め!という脳筋タイプの学習方法になります。英語の学習は大別してスピーキング、リスニング、ライティング、リーディングがあるわけですけれど、そのうちのリーディングにフォーカスした学習ですね。

昔はともかく、今なら英語なんてネットに無限に存在しているじゃないかと思われるかもしれませんが、実際に多読学習をやろうとすると、関門にぶち当たるハズです。実際、自分は過去数年、何度か多読に挑戦しているのですが、必ず挫折しています。その挫折理由は大きく分けて二つです。

  • ちょうどいい英文がない
  • 記録がめんどくさい

このサービスは、多読学習の課題を解決するものです。つまり僕が英文を百万語読むために作りました

多読の課題1:ちょうどいい教材がない問題

ネット上には確かに、無限の英文があります。しかし、その中で自分の多読学習にとってちょうどいい英文はありません。あっても見つかりません。

ちょうどいい英文とは、「関心があって」「レベル感がちょうどよくて」「ちょうどいい長さ」のものです。

絵本を読みたくない

僕が実際に多読を試みて最初に困ったことは、ちょうどいい教材がないことでした。多読学習の本には「最初は絵本が良い」のようなことが書いてあり、「なるほど」と思って電子書籍で何冊か買ったのですが、読んでいて苦痛でした。なぜ僕は齢三十(当時)も過ぎて、少年探偵が消えた友達の鞄を探す話を満員電車の中で押し潰されそうになりながら読んでいるのだろうか。それが楽しめるならいいと思うんですが、僕は楽しめませんでした。

端的に言って、日本語で楽しめないものは英語でも楽しめないと思います。

漫画のように面白すぎてもいけない

では日本語で楽しめるなら良いのかというと、必ずしもそうではないです。たとえばLangakuっていうマンガを英語で読むサービスも出ていますけれど、どうも自分はこれが続きませんでした。確かに漫画は面白い。面白いのですが、面白いだけに

「日本語で読みたい」

これに尽きました。英訳で損なわれる原文のニュアンスが僕には耐えがたかった。で、結局日本語を読んでしまうわけですよ。いや、多分元が英語でもダメだろうな。Peanuts(スヌーピーの原作)は谷川俊太郎に限る。そういえば、ディルバートは日本語しか読んでいなかった。つまり、面白すぎてもダメなんです。読み切れないもどかしさに耐えられない。

ただ、友人は漫画の英訳を読んで勉強していたそうです。なので、これが向く人には向くと思うのですが、そういう人はLangakuを使えば良いと思うのです(何故他サービスの宣伝をしているのだろうか)。

ネットの専門記事は難しすぎる

わかったことは、僕が読みたいのは、趣味のガジェットや、技術や科学、政治など大人の読み物だということでした。そういうものはネットで検索すれば捨てても捨てきれないほど転がっています。しかし、テーマのレベルにあわせて英文そのものの難易度も上がっています。これがつらい。確かに英文は無限にあるのですが、僕の英語レベルからは些か背伸びに過ぎる。

本は高すぎる

学習者向けに、レベルを落とした本なども存在するわけですが、当然ですがそういう本を買うのはコストがかかります。一冊でもけっこう高いわけです。これは先の英語の漫画問題にも通じます。とにかく高いんだよねぇ。

学習のための教本というなら、ストレートに英語の参考書でも買ってやったほうがよほどよいように思えました。本末転倒。

多読の課題2:記録がめんどくさい問題

幸運にも自分にあった多読教材を見つけられ、経済的な問題もない場合、多読学習は捗ります。しかしそうだとしても、次なる課題に直面します。

記録がめんどくさい問題です。

お前は今まで読んだ英単語の数を覚えているか?今までどころか今日のもわからん。

これはダイエットの体重記録や食事管理でも言えることですが、とにかく記録は面倒くさいです。できる人はいいんです。でも記録ができるってそれ自体が一種の能力であり、才能です。それはもしかすると、英語よりも役に立つ能力かもしれません

いずれにせよ、多くの人にとっては課題です。

多読支援サービスによる解決方法の提案

課題が浮かびあがったところで、本サービスがそれらの課題をどのように解決するかです。

生成AIで、学習者向けレベルの、ニッチなテーマの英文を無限に生成

まず最初の肝ですが、英文を生成AIで無限に生成します。これは恐らく、個人レベルならChatGPTやらClaudeやらのチャットで実践している人は多いのではないでしょうか。というより、僕もよくやっています。しかし、毎回毎回英文を作らせるのも面倒なんですよね。

このサービスでは、あらかじめ大量の英文を作っておきます。このサービスならば、Ukiyo-e(浮世絵)について書かれた英文が読み放題!誰が読みたいのかは知らない!そんなテーマの英文が大量に!

読んだ英文の単語数を自動で記録、グラフ化

読んだ英文の単語数は、もちろん記録します。これによって、これまでの学習の成果が一目でわかります。

PCだと横長

1日3000語だと1年くらいかかりますね。長い。

現状の課題

ここまでつらつらと書いてきましたが、alphaとつけているくらいなので、まぁ課題だらけです。

たとえば、現状、顧客が僕だけのため、僕向けのテーマに偏り過ぎていますEmacsについて書かれた平易な英文が読めますレベルも一つしかありません。具体的に言うと、CEFR(Common European Framework of Reference for Languages)ていうところの、A2-B1程度の英文を80語程度、となっています。CEFRの詳細については折りたたみ。

CEFRとは(ChatGPTによる解説)

CEFRCommon European Framework of Reference for Languages)は、言語能力を測るための国際的な基準で、英語を含むさまざまな言語におけるスキルのレベルを6段階で分類するものです。この基準は、ヨーロッパ評議会(Council of Europe)が開発したもので、言語能力を客観的かつ明確に示すために広く使われています。

CEFRは、主に以下の6つのレベルに分かれています:

基礎レベル

  • A1(初級)
    • 非常に基本的な表現が理解でき、使える。
    • 簡単な日常会話ができる。
    • 自分や他者に関する簡単な情報を交換できる。
  • A2(初中級)
    • 簡単な日常的な表現やフレーズが理解できる。
    • シンプルなタスクやルーチンをこなせる。

中級レベル

  • B1(中級)
    • 身近な話題や趣味、仕事、学校生活について話したり書いたりできる。
    • 旅行中の一般的な状況で意思疎通が可能。
  • B2(中上級)
    • 抽象的なトピックや専門的な分野における文章を理解できる。
    • 流暢さと正確さを持って会話ができる。

上級レベル

  • C1(上級)
    • 幅広い複雑な文章を理解し、細かいニュアンスも把握できる。
    • 流暢で自然なコミュニケーションが可能。
  • C2(熟達レベル)
    • ほぼネイティブスピーカーと同等の能力。
    • 専門的、学術的な議論でも高度な表現が使える。

CEFRの特徴

  • 客観性: 世界中で統一的に利用されているため、異なる国や試験間でも比較が可能です。
  • 実用性: スピーキング、リスニング、リーディング、ライティングの4技能をバランスよく評価します。
  • 汎用性: 教育現場や英語試験(IELTSやTOEFLなど)の基準、求人要件としても使われます。

例えば、日本で多くの人が受けるTOEICをCEFRで対応させると、以下のような目安になります:

  • A1: TOEIC 120〜225点
  • A2: TOEIC 225〜550点
  • B1: TOEIC 550〜785点
  • B2: TOEIC 785〜945点
  • C1〜C2: TOEIC 945点以上

英語学習を進める際、CEFRを参考にすると、自分の目標や現在のレベルをより明確にできます。

色々な英文が読める、というのは個人的にこだわりたいところなので、随時対応していきたいですが、どうするかな……。

まぁ言い訳じゃないですが、個人開発であってベ○ッセのサービスみたいなのを想像されては困るというのは正直なところです。なのでまぁ、個人開発サービスについての温度感がわかり、かつ管理人である僕と趣味嗜好が近い人が読者であろう、当ブログにてまず先行的に公開した、という感じです。

気持ちとしては、まずとにかく使われるのかを見たいという感じです。アカウント作らないといけないサービスですしねぇ……。

あ、サインアップしたが最後、ユーザ名もメールアドレスも変更不可です(そのうち対応します……)。

今後の展望について

現在やろうとしていることは、取り上げるテーマを増やし、かつテーマを選択して英文を読み込めるようにすることですね。テーマについては本当に募集中という感じです……。次に、英語のレベルや長さも選択できるようにしたい。音声までやるとリスニング学習までカバーできるんですが……これはさすがに金取らないと厳しいので当面考えません。技術的には大した話じゃないんですが……。

あらゆるサービスについてはコストがかかりますので、マネタイズについて考えてはいますけれど、現状まずは会員登録してもらえるようになるところからかなぁ……。基本的には無料で頑張れるサービスにしたいと思っています。僕は学ぶ人が好きです。できるだけ学ぶ人がお金のことを気にすることなく頑張れるサービスにしたい

実際、コストについては技術的なこだわりでもあります。技術者向けに言うと、SPAでホスティングはGitHub Pages、APIはAPI Gateway + Lambda、DBはDynamoDBとなっており、流行らなければ費用が心配になるのはAPIくらいでしょうか。まぁ問題は英文を生成するAIの食費(電気代)です。OpenAIのAPI使うよりは確かに安いんですが……。これは最悪止めないといけなくなるかもなぁとは思います。それでもその時には相当の英文が溜まっていると思いますが。

まぁ、まずはちゃんと使ってもらえるように作らないとですね。使ってもらえていれば、個人開発のコストですからきっとなんとかなるでしょう多分……。マネタイズできるほどユーザを獲得できなければ維持費はしれているので存続可能、費用が心配になるほどユーザがいたら恐らく何かしらマネタイズの方策はあるはずということでどう転んでもサービス自体は存続できる見込みですので、よろしくお願いします。まぁいざとなればVPSに引っ越して、そのキャパでできる程度にすればいいわけですし、まぁなんとでもなるはず。

これについては、金と時間をかけて12年以上個人ブログを続けている僕をTrust meというところで……。定期的に開発報告していきます。お気軽に始めていただければと思います。ただアカウント生成のためのメールアドレスだけ必要です。こういう機能あればいいんじゃないとか、バグ有ったんだけどとか、こういうテーマがほしいとか、是非ご意見ください。

……このサイト来る人で多読やろうっていう人がどれくらいいるかは謎ですが……。

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