クリスタ炎上、Pixiv粛清

なにか、クリスタが炎上しているらしいですね。クリスタはClip Studioというお絵かき界隈では定番のツールで、僕は絵を描きませんが、それでも名前だけは知っているくらいの有名なやつです。胴元のセルシスは東証プライムに上場しています。

地味に10年前に買ってたらテンバガーだったんですね。

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サプライチェーン攻撃?

さてそんなセルシスはいまやグローバルな企業のようで、なんかエラそうなところのパートナーなるものになっていました。

「CLIP STUDIO PAINT」が、英国の学生200万人以上を支える英国政府連携の団体「NASMA」支援施策のクリエイティブツール公式パートナーに | CELSYS

これは非常に魅力的な市場でしょう。単に株主ならポジティブなニュースと捉えたいところですが、現場のユーザからは必ずしも好意的に受け止められていないようです。まぁ例によってポリ&コレな勢力による表現規制的な圧力の心配ですね。

で、今回それが顕在化したんじゃないか、というのが今回の騒ぎで、何があったかというと、クリスタで公開されている素材の大規模な非公開祭りがあったようです。

Xで公式のツイートです。なんで自社サイトでやらないのかと思いますが、まぁ置いといて。

これが荒れに荒れて、表現の自由的な文脈にストレートにぶっ刺さり、SNSではクラスタを飛び越えて僕のところまで届きました。今回の特徴として、最終成果物であるイラストや漫画ではなく、その素材レベルの規制にきた、ということがあげられるでしょう。これはサプライチェーン攻撃のようなものですね。これをされると開発者はどうしたらいいのと、途方に暮れます。

ゾーニング理論はベタ甘

ここにおいて、ゾーニングすればいいのに理論が見受けられましたが、これは一見正論なのですけれど、非常に甘いと思います。そもそもエロ規制というのは、論理的なものではありません。もっと根源的な嫌悪であり、憎悪であり、懲罰的な感情や正義感があります。理屈は後付けなのであって、まずこんなものは許されないという感情が先にあります。であれば、棲み分けなどという論理が通用するはずはありませんし、というかしないから今こういう事態になっているわけです。これは論理の問題でも技術の問題でもなく、感情と力の問題です。

政府系にせよクレカ周りにせよ、上流を抑えて実質的な検閲をしていくぞっ、という態度の時点でそれを察せられなければ、やられっぱなしじゃないですかね。話せばわかるが通じない相手の存在なんて、それこそ漫画読んでいればいくらでも出てくるでしょう。

Pixivよお前もか

タイムリーなことに同時期にPixivの粛清も話題になっていました。

クレジットカード会社がピクシブを検閲

ピクシブFANBOXプラットフォームは、支払い処理業者からの厳格な指示によるとして、投稿を大量に削除した後、イラストレーターたちの間でパニックを引き起こした。

この粛清は、数年前の作品にまで及び、作者たちによると、催眠、誘拐、架空の暴力に関する物語が削除されているという。FANBOXはどの金融機関の責任かを明かさず、金融機関を非難した。

日本のアートは、再びカード処理業者の基準で測られることになる。

クリスタの件と完全に一致した話ですね。これについて論理的な反駁は本当に無意味です。

目には目を

結局のところ、力に対抗できるのは力だけといういつもの感じになります。しかし現実的にそれは何をすればいいのかという話なんですが、これは思うに、オタクがオタクらしくしていれば、それで終わる話なんだと思います。

オタクというのは元来不合理な存在で、好きなものについて異常な執着を見せて、自らの持てるリソースを狂気的に注ぎ込むものでした。その狂気は経済資本だけではなく、時間であったり、労力であったり、人間関係であったり、あらゆるものの総力戦でした。

だから、経済資本を攻められたところで、本来ならばダメージは限定的なはずなんです。クレカの例がよくわかりますが、基本的には経済資本の観点からの兵糧攻めでしょう。決済手段を潰されたら困るだろう、と。

しかし現実には、決済手段というのはたくさんあります。海外ならば仮想通貨がありますし(BTCの送金手数料は高いと思われるかもですが、DOGEやLTCなど送金手数料が安いものもあります)、国内ならば銀行払込、現金書留、なんなら手売り、様々な手段があります。手間も手数料もかかりますので、経済的には合理的じゃないかもしれませんけれど。

オタクとはなんだったか

もしここで、いやそんな不便なことは嫌だというのであれば、それは僕の知るオタクの情熱とはちょっと違うな、と思うわけです。それはもう本当に、ただの消費者、という感じがします。クリエイタにせよ、本来創作の顧客の第一は自分のはずで、であれば、有名プラットフォームでなければみんなに見てもらえないじゃないか、というのはこれもまた僕の知るオタクとは異なります。

まぁ僕の言うことは些かストロングに過ぎるのはそうなんでしょう。しかし僕もオタクがまだ世間的には疎んじられていた世代でもあったので、オタクなんて抑圧されているのがデフォだろうし、それでもやってきたはずじゃないかという気持ちがあります。

決済手段を握られているということが、国家安全保障の観点から見て極めて危うい、みたいな議論にはそれは同意しますし、表現の自由に真っ向から反しているというのも、完全にそのとおりだと思います。ですからこれは確かに、政治的には重要です。

けれども、オタクの文脈であればそんなことはどうでもいいはずだと思います。日本のコンテンツ産業がどうなってもいいのかとか、民主主義的じゃないとか、何を言っているんだろう。何がどうであろうと俺は好き勝手作るし俺は地を這いずり回って手に入れるという、そういう狂気的な異形であってほしいと、まぁそんなことを思いました。そしてそういう不合理で狂気的な執着こそが、合理の異形を打ち倒せるのではないでしょうか。

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