2026年衆院選の結果

前回の参院選は前日に何か書いていたが、今回は終わったあとの感想文になる。前回に続いて大きな政局の変化を伴うものであった。記憶、そして記憶として残しておきたい。

目次

自分の立ち位置:政治不信

政治にかかる記事では、まず自分の政治的な信条について記述する必要があるだろう。

僕は典型的な無党派層であり、支持政党なしに分類される。また、統計上はぎりぎり三十代後半の男性としてカウントされる。

実際過去の選挙はかなり流動的であり、その時々で投票した政党・政治家は異なる。ただ棄権したことは一度もなく、二十代の頃でも、住所から離れているときに選挙があったときは、車で1時間半飛ばして投票所に向かった。昔の日記を見ると、高校時代に既に小泉旋風などについて記述していたことから、政治への関心は一般よりも高いだろう。

それでも無党派としてずっとやってきている。基本的に政治不信が根底にあるのだと思う。それは年々強まっている。技術の仕事をしてきて、政治経済については投資の範囲でしか見てこなかったが、最近になってようやく経済や歴史、政治についても学ぶようになり、自分の政治不信についての言語化も少しずつでき始めている。

僕の価値観には自由主義と個人主義があり、なにより民主主義を尊ぶ。資本主義についてはある程度同意するが、それによって民主主義が脅かされている、という認識だ。社会主義は基本的に反対するが、そういった勢力が社会にあることは必要なことだと思っている。

これは信条であり、良し悪しというより、いまさら変えられない。どうせ信心に過ぎないのであれば、顔のあるものを信じたほうがもう少し楽だったかもしれない、と最近は思う。僕は合理主義者だが魂を信じる。合理的に不可知は否定できないので、合理主義は案外浪漫主義と相性が良い。

結果

まず結果については以下だ。こういうときAIがさっとまとめてくれるようになったことは、地味に一つ世の中の変わったところである。地味でもないか。

政党名獲得議席数公示前勢力増減備考
自由民主党316198+118単独で3分の2(310)超え、戦後最多
中道改革連合49167-118公示前から大幅減、野田代表は辞意表明
日本維新の会3634+2自民と合わせ与党で352議席(75.7%)
国民民主党2827+1現状維持・微増
参政党152+13比例選を中心に大幅躍進
チームみらい110+11新党として衆院初の議席獲得
日本共産党48-4勢力半減
れいわ新選組18-7大幅減
減税ゆうこく15-4大幅減
社会民主党01-1議席を失う
日本保守党000議席獲得ならず
無所属・その他415-11
合計465465-

各政党について

自民党

歴史的圧勝となった。これは僕の選挙記憶でもっとも古い小泉旋風を超えるもので、ここまで圧倒的かと驚いた。高市早苗の人気だけで、あの体たらくからここまでのし上がったことには素直に感心する。

僕自身は高市早苗については以前不支持の表明を記事にしたことがある。

理由は表題のとおりで、彼女が以前から言っていた金融所得課税増税について強く警戒しているからだ。また、防衛増税についても、国民が疲弊している中での安全保障を名目にした増税など焦土作戦みたいなものだと思っている。他にも多くの増税の話がたった数ヶ月の間があり、選挙が始まって突然消費税減税はできまぁす!と言われてもまったく信用できないわけだ。

つまり、もっぱら税制に対する不信のために、僕は支持していない、といえる。

僕の見方は残念ながらあまり一般的ではない。実際、高市早苗の毀誉褒貶は彼女の政治的タカ派の態度のほうにあるだろう。一部の左派が蛇蝎の如く嫌っている理由はそこにある。しかし一方で、それはむしろ多くの国民に支持される要因でもある。左派が叩くほどに、高市早苗の人気は上がっていったという認識だ。

この見方はネットでもそれなりにあって、一番の高市早苗ファンクラブは中国というような皮肉もあったりする。中国が高市早苗を声高に批判するほどに、国民の結束はむしろ高まった。これは多分中国も途中で気付いたのではないか。最近彼らの直接的な批判はトーンダウンしているように思う。そもそも彼ら自身が反日を政治利用しているのだから、同じ理屈で日本では反中が時の政府を支えることにも気づくだろう。

兎にも角にも、高市早苗はその圧倒的な支持を背景に、まったく支持されていない自民党を大勝させた。単独2/3という圧勝だ。これで数字上はほとんどのことができる。壁があるとすれば参院でも2/3が必要な憲法改正くらいだろう。

自分としては、ここ三十年の政治を見れば、自民党の一党単独が良いことになるとは思えない。高市早苗の言う積極財政にもまったく期待していない。政府に事業がわかるならソ連は崩壊していない。一般的な印象とは裏腹に、その経済政策はかなり社会主義的であると思う。

その原資としての増税に関しては強く警戒するが、もはやどうにもならないかもしれない。とはいえ高市早苗の人気だけに支えられた結果なのだから、国民の支持が唯一の支えなのであり、あまり増税などされない……と思いたいけれど、中間層が総崩れしている中で、所得税の累進課税強化や法人税増税、金融所得課税増税はルサンチマンとして実行されてしまうかもしれない。

まぁ何もしなくても、おそらく放置されるだろうインフレによって、税収は随分と上がるはずだが。生活が厳しくなる中で、いつまで支持が続くものだろうね。

中道改革連合・共産・れいわ・社民:左派の壊滅

圧勝があれば大敗がある。自民党が歴史的圧勝ならば、中道改革連合は歴史的大敗であった。その陰に隠れて、共産党とれいわ、社民も壊滅している。れいわなどは、政敵・自民党の比例枠を1枠もらっているという体たらくだ。本来だったら0議席だった。山本太郎というカリスマの不在は大きかっただろう。また、中道改革連合は49議席のち28議席が公明党だから、旧立憲民主党からすれば実際的に野党第一党ですらなくなったと言えるかもしれない。

これを見れば、旧来の左派は壊滅した、と言っていいだろう。個人的には、今回の選挙の意味はここにあると思っている。

世界的にもリベラル批判が高まっている中だが、日本の左派はなんというかリベラルとも違う感じで、なんなんだろうね。戦争反対を叫ぶのはいいが、その解決として軍備をもたない、というのは現実に中国をはじめ他国の脅威を感じている国民からは相手にされない。経済的にも老人に阿るばかり。

しかしそれでも一定の支持はあったはずなのだが、ここまで跡形もないほどに壊滅したのは中道改革連合が悪手だったとしか言えない。明らかに中道ではないのに中道というものだから、ネットでは中革連と呼ばれていた。個人的にも中革連のほうがしっくりくる。

しかし彼らは中道と呼べと強いて、その結果、たった2,3週間だが、既に「中道」という言葉自体に「左派」というニュアンスが生まれ始めているのを感じており、言葉は生き物だと思った

そもそも中道で国民に訴求できると思ったのであれば、相当ずれている。国民は右派とか左派とか意識していない。日本保守党もニッチな支持があるに過ぎない。政治村の中で国民生活を知らないことが露呈した名前だと思う。改革という言葉もこの三十年言われ続けたが、言葉だけ弄され、もはやその意味を失っている。実際のところ、もはや革命が本当に意識され始めているのが、今の国民生活であると僕は思う。改革の段階はとおりすぎている。

国民の生活から乖離した、リベラルともなんだか違う、よくわからない日本の左派が壊滅したことは、今回の選挙のよかったところだ。

維新と国民民主の停滞:反省して

高市旋風の中で、維新と国民民主は停滞した。大いに反省が必要な二党だと思う。この二党は僕が投票することがなんだかんだで多い。そして毎回失望している。なお今回も、投票所の前で延々と悩んだ結果維新に入れたのだが、失望させられるのだろうと思っている。

維新に入れたのは、行革と社保改革を一応言い続けているのは彼らしかいないからだ。まぁ全然やれていないのだが…。唯一やったことが高校無償化というどうでもいい、というより僕からするとむしろ悪手ともいえるもので、しかもそれを国民民主党の減税潰しにやったのだから、最悪だった。それでも一応、党として歳出削減に名目でも前向きなのは彼らくらいしかいないのだ。このような感じだから、支持されないのも当然だと思う。

国民民主はかなり意味不明で、ガソリン減税の達成は明確に国民民主党の手柄だと言えるし、また骨抜きのスカスカとはいえ178万円の壁についても一応の成果は出している中で、今後についてまっっっっったく期待できない、という点については維新よりもひどいかもしれない。

終盤Xに流れてきた、国民民主党の政策乱れうちみたいなツイートも、奇妙なのがいくつもあり、自分でネガティブキャンペーンしていたら世話ないなと思った。僕は呆れて以下のような記事を書いている。

高市旋風に生理用品配給とエロ広告で立ち向かう馬鹿クソ不倫政党

かなり口が悪くなってしまったが、僕が今回一番呆れたというか、自民党単独2/3を達成させてしまったのは、国民民主党がクソだったからだという評価なので、彼らは大罪人だと思っている。彼らはマジメに仕事をすればもっと取れたはずだ。

チームみらいと参政党の躍進:新たな第三勢力

維新と国民民主が腐っている中で、新しい第三勢力として伸ばしたのがチームみらいと参政党だ。この両党は方向性としては真逆に見えるし、実際支持層は真逆に近いと思われる。たしか、東京都23区の比例票で、参政党とみらいは明確に逆相関がある、というような分析をしていたツイートがあったね。

参政党は高市旋風の直撃をうけた形で、もっと伸びるだろうと思われていた中だったから、敗北という雰囲気かもしれないが、僕は15という絶対値を重視する。彼らは伸びている。実際、選挙全振りみたいな政党なので、今後も伸ばしていくんじゃないか。

一方、自民党に次いで大勝利といっていいのはチームみらいだろう。彼らの支持層は参政党とほぼ真逆なのだが、今の停滞感を払拭したい層という意味では、根底に同じものがあると思う。国民民主党に対する失望票の受け皿にもなっていたのではなかろうか。

僕の友人にもチームみらいに入れていた人はいる。技術職だとけっこう多いかもしれない。一方で僕が彼らに対してかなり警戒心を抱いているのは、まぁ僕が主流ではないほうの技術の人間だからかね。以前チームみらいの資金透明化ツールみたいなのについて、批判的な記事を書いたことがある。

僕は2010年代のソフトウェア産業全体の趨勢についてかなり批判的だから、その残滓のようなチームみらいについてもやはり批判的だ。むしろ技術について人よりもわかる分、彼らの欺瞞が許せない、という気持ちがある。

しかし彼らもまた、参政党とは別のやり方になるが、今後も伸びるだろう。行き場をなくした日本のリベラル票をほとんどかっさらえるんじゃなかろうか。

所感

自民党の歴史的大勝利を見て、参院というのは意味不明だと思っていたが、リスクヘッジになるんだな、と思うなどした。比例票が多く解散もない参院は、確かにブレーキとして機能する感じだ。効率的ではないが、保険とはそもそもそういうものだ。

恐らく自民党は数か月で調子にのりはじめ、国民のためにならないことをゴリ押しし始めるだろうと思う。問題はそうなってなお高市早苗人気が続くのかどうか。なんだかんだでみんなまだ余裕があるのだなと思う。しかし本当に誰も彼も余裕がないとなった時は、すべてはもう遅いだろう。その意味で、加速主義者などは今回の選挙結果を歓迎しているかもしれない。

僕はこの解決は最終的に、歴史の教科書どおり崩壊という形で物理的になされるものと思う。わかりやすく、戦争または革命それに準じるものまで行き果てるだろうか。そしてそれを僕は見ることができるだろう。元気なら参加もできるかな?長生きしないとね。

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