10年くらい前に、自宅サーバはもうおしまい、みたいな記事を書きました。あの時はそれが正直な気持ちであったのだけれど、その10年後、自宅サーバをまたやり、あまつさえ隙あらばビッグテック批判記事書きまくってるとは、当時の僕には想像できなかっただろうなぁ。まったく生産的ではない。そもそも生産的な人はブログなんかしません(クソでか主語)。まぁ、あれから時代も僕も変わったのだよ。
さて、自宅サーバですが、最近はセルフホストと言われることが多いかと思います。これはVPSなんかも含むし、別にホームユースにも限らないのですが、その本質は自宅サーバの精神と同質と思います。いずれにせよ時代に逆行しているので、ビジネスとしては選択されづらいはずで、Redditなんか見てると基本的にはホームユースで好事家が集まっている感じがします。
とても盛り上がっていて、英語ネイティブじゃない自分が恨めしくなります。私が英語をスラスラ読み書きしたいと思うのは、もっぱらRedditであの輪の中に入りたいと思うためで、これはアニメを見て日本語覚える外人の気持ちに近いのかもしれません。匿名掲示板初心者のごとく、今はひたすらROMっております。
そんな感じでセルフホストの情報をちまちま仕入れて試していると、なんだか大昔にフリーソフトを喜んで使っていた頃を思い出して懐かしいですね。というか、こういうソフト作ればいいんじゃないか、と思っては「もうすでにゴージャスなのあるやん」を繰り返しており、つらさもあります。
まぁ使って運用するだけでもけっこう知識はいるものですし、またいろいろ使っていくうちに、誰もやっていない、あるいは自分にしか見えていないところが見えてくるかもしれない、という気持ちでいろいろと試しております。
実際、自分でも確かに何かと苦労するところはあるので、思うほど簡単ではないのかもしれません。セルフホストを使えば、実際ほとんどのサブスクは不要だとわかり、非常に手軽でかつ費用対効果の高いものですが、帰省の際にPCが好きな姉に勧めてみたのですが、かなり嫌な顔をされました。これを簡単と思うのは、前提となる知識が全然違うからだというようなことを言われました。
そうかもしれません。
それでも、セルフホストは本来あるべきだったソフトウェア文化の本当の進歩に思えます。各家庭で自分でサーバを運営し、自分の責任でもってデータを扱い、自分の責任でもって運営する。これは時流からするととんでもない、ということになるのかもしれません。なんでもかんでもプロにお任せ、が現代的には正しいとされます。これはソフトウェアに限りません。
しかし、たいていのことは案外自分でもできます。たいていのことが難しいのは、あらゆるケースであらゆる人に向けて常に一定以上の品質を保証しようとするからであって、自分(たち)だけが必要な範囲で必要な時だけ必要なことができればいいし、間違えてもつらいの自分、という状況であれば、求められる非機能は格段に落ちます。それこそ手が届く範囲までに。
そんなことをされては困るのが資本主義の論理です。資本主義はGDPとなるような取引を発生させてなんぼですので、自己完結されては困るのです。なので、いらない機能をいるように思わせたり、セキュリティの危機を針小棒大に取り上げて脅しをかけるなどして、ユーザの脳を停止させ、依存させ、不必要な機能を売りつける商売が流行っています。
そうして我々は、いつしか巨大企業に貢ぐばかりで、巨大企業の押しつけがましいサービスを享受する一方、ただ自分のやりたいことだけができない、そんな状態が続いているように思われます。
セルフホストは確かにあらゆる手間がかかりますが、多くの場合費用はほとんどかかりませんし、いらないサービスがないかわりに、ほしい機能を手にすることができます。なんとかこの素晴らしい文化を、広められないものかなぁと思っています。

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