小型のメディアサーバー(兼NAS)をたてる その1 〜準備編〜

[投稿日] 2012年10月21日
[最終更新] 2016年11月1日

小型で安価に動画とかをいろんな端末で見られるメディアサーバーをたてたいなぁ、と思っていろいろした(してる)ときの記事です。最終的には、他のPCからサーバー内のファイルにアクセスして自由にやりとりしたり、DLNAクライアントからサーバー内の動画ファイルをストリーミングしたり、といったことをできるように実装します。選定したハードもソフトも特に目新しいところはありませんが、一連の流れをひとまとめにするつもりなので、サーバーをたてたことはないけれど興味はある、という人にはけっこう参考になるのではないでしょうか。なったらいいな。断片的な情報を統合するのも、特に初心者にはなかなか骨の折れることです。私自身も初心者のため難しいことはしていませんので、その分わかりやすく書けるところもあるはずだと、つらつら書いていきます。

今回は準備編で、準備物とその選定理由のみです。実際的なことは次から。

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目的

自宅で小型のメディアサーバー、NASを構築・運用し、PCのみならずiPadやスマートフォンなど、様々な端末から自由にアクセスできるようにしたい。もちろんコストはできるだけ抑え、安価であればあるほどよい。具体的には、私はWindowsのデスクトップ、Macノート、iPod Touch、iPad、Androidスマートフォンをもっているのですが、Windows、Macからはファイルに直接アクセスしてファイルの読み書きを行い(NAS)、またiPod Touch、iPad、Android機からはDLNAクライアントとしてサーバーにアクセスさせ、動画のストリーミングを行いたいのです。

必要なもの

必要な機能はだいたいこんなところです。

  • ハードウェア…小型サーバー、大容量のハードディスク
  • ソフトウェア…DLNAサーバー、NAS、ソフトウェアRAID構築

以上の実装として、揃えるものは以下のようになりました。

  • ハードウェア…HP Proliant MicroServer, 2TBのHD * 4
  • ソフトウェア…Ubuntu Server 12.04, minidlna, Samba

予算は多分5万円くらいです。タイの洪水前なら4万円で済みましたね…。

各種ハードとソフト選定理由

サーバー機本体

小型サーバー機としては、HP Proliant MicroServerを採用しました。自作も考えましたが、本機はなかなか評判が良いですし、なんといっても安い。さらにネット上はもちろんUbuntu Magazineでも取り上げられたりして情報量が多く、また小型で安価という条件を十分に満たしていたので、これにしました(参考:Ubuntu Magazine Japan vol.07記事を公開MicroServerとSambaで作るオリジナルNASというやつです)。

安価なサーバーといえばNECのExpress 5800、通称鼻毛鯖も有名ですが、いくらなんでもこれはあまりにでかい、でかすぎます。世の中にはこれをコレクションしている猛者もいるとのことですが、このクソ狭い日本でそんなことをするジャップはいったいどこのどいつですか、羨ましい。

ハードディスク

HD容量は4TBもあれば当面は十分なのですけれど、これからのことも考え大いに越したことはないと思いHDは2TBのものを4本購入しました。3TBもだいぶお値頃になってきましたし、3TBのHDで構成してもよかったのですが、HD容量が2TBを超えると取り扱いにいろいろ注意が必要らしいので、経験もないしいまのところそこまでの容量も必要ないので、2TBで構成することにしました。したがって計8TBですが、後述するRAID-5を構築するつもりなので実質の容量は6TB程度になります。RAIDとは複数のHDを一つのHDとして運用し、運用を楽ちんかつデータの保護などをするためのものです。HDはWestern DigitalとSamsungのものを2本ずつ購入しました。まとめて同じメーカーから買うと、ロットが同じであるため同時期に壊れやすいという話を聞いたので、分散させたほうがよいと思ったのです。同時期に壊れてしまってはRAIDもなにもあったものではありません。

RAIDはハードウェアとソフトウェアの両方で実現する方法がありますが、今回はソフトウェアで実装することにしました。そのほうが今後のためにも応用がききそうなので…。

メモリ

メモリも増設しています。Proliantのデフォルトは2GBで、それでもまぁ困らないだろうと思いますが、今回私はファイルシステムにZFSを使ってみたいと思い、ZFSは大量のリソースが必要とのことで8GBに増設してみました。メモリもすっかり安くなりましたし。ZFSとはSolaris生まれの先進的なファイルシステムで、FreeBSDなどでも用いることができます。ライセンスの問題でLinuxには標準搭載されておらず、使うには一苦労です(参考:第4回 ZFS、DTraceで管理が楽に! | Think IT)。

追記:後述しますが、ZFSは実装してみたのはよいものの、何が問題なのかパフォーマンスが出ず、結局ext4で運用することにしました。

OS

OSは悩みました。やりたいことを考えれば、Ubuntuが最も簡単であろうと思いました。で、UbuntuでRAID-5でも組もうかと思っていたのですが、いろいろと調べているうちにRAID-Zなる魅力的なRAIDがあることを知りました(参考:新世代のRAID「RAID-Z」で高速ストレージを構築しよう(1) | 寺脇のブログ | コンピューターのおっと)。しかしRAID-Zの構築には、ZFSというファイルシステムを採用する必要があります。Ubuntuでは普通ext4というファイルシステムが使われ、ZFSは前述したようにライセンスの問題でLinuxには標準搭載されていません。そうすると、ZFSが標準で使えるOpenSoralisかFreeBSDあたりが候補にあがってくるわけですが、OpenSoralisでメディアサーバーというのはどうにも茨の道らしいので、FreeBSDがよいだろうと思われました。それでFreeBSDをインストールしようと最初は試みたのですが…うまくいきません。どういうわけかちっともインストール画面にいきません。一度だけインストールすることができましたが…それっきりです。原因は不明です。ハードウェア的に使えないはずはないと思うのですが、工夫がいるのでしょうか…(参考:404 Blog Not Found:備忘録 – HP ProLiant MicroServer + FreeBSD + ZFS)。なんにせよ、これではどうしようもありませんから、悩んだ末やはり無難にLinuxで運用することに決めました。また、Linuxであればメディアサーバーのような軟派な用途ではUbuntuがもっとも使いやすいだろうと考え、Ubuntu Server 12.04をsshを入れるだけのミニマムちょい程度の構成でインストールしました。サーバー機ですのでCUIです。なおUbuntuでもZFSを導入することは可能です。私は/homeのみZFSで構築することにしました。あまりスマートではないように思うのでオススメしません。どうせやるなら/からZFSで構築するのがよいでしょう…が、それなりの手間はかかります。

2013/05/24追記。今はもうZFSは導入せず、普通にext4 + RAID-5の組み合わせで運用しています。どういうわけか、ZFSのRAID-Zでは書き込み速度がものすごく遅かったり、またあれこれいじって再インストールする羽目になったとき標準で対応していないzfsを採用していると色々面倒だったりしたためです。

DLNAサーバーソフト

iPadなどタブレット端末やスマートフォンでアクセスし、ストリーミングするためのものです。PS3とかでもできるのかな?DLNAサーバーにはたいていMediatombが用いられるようですが、今回私が参考にした資料の一つである、Ubuntu Magazineの記事では簡易なDLNAサーバーでは必要十分なものとして、より簡便に構築・運用が可能なMiniDLNAを取り上げていたので、私もそうすることにしました。

ファイルサーバーソフト

NASの機能を実現するためにSambaを導入することにしました。Windowsとのファイル共有の定番ソフトですね。これも巨大なソフトウェアなので、深入りするとたいへんですが、とりあえずLinux以外のマシンから任意のディレクトリの中身を見て編集できたらOKとします。

選定完了

モノはこんなところです。次回より構築編です。

次回
小型のメディアサーバー兼NASをたてる その2 〜RAID編〜 : 或る阿呆の記

 

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“小型のメディアサーバー(兼NAS)をたてる その1 〜準備編〜” への 4 件のフィードバック

  1. まさに自分のやりたいことをやられているようですので、参考にさせてもらいます。

  2. >通りすがりさん
    コメントありがとうございます。
    14.04LTSも出ている今となってはちょっと古いかもしれません。実用的には、SambaとMiniDLNAを入れられたらあとは何でもよいですが。参考にしまくったUbuntu Magazineも随分長いこと止まっているようです。
    なお追記にもありますがUbuntuでZFSは紆余曲折あってやめました。ext4で安定しています。そして個人用途でRAIDはけっこう自己満足かなぁとも思ったりします。外部HDに定期バックアップで十分だったり。

  3. 14.04LTS server を導入しました。ファイルサーバーはSambaですが、DLNAサーバーは MiniDLNA 、Media Tomb 両方導入して比較検討中です。
    ファイルシステムは、ext4 で RAID1 1T✕2 で運用中です。大切なファイルが多いので、個人的にRAID1は必須だと思っています。

  4. >通りすがりさん
    14.04導入されたのですね。私も次のLTSでは乗り換えることになるでしょう。
    MediaTombのほうが情報は多いと思います。私は偶々参考にしたものがMiniDLNAだったのと、実際に使って導入がたいへん容易で、その後も特に不都合がなかったのでそのまま使っております。
    別の機器へのバックアップもされていますか。私もRAIDを組んでいますが、バックアップとしては外付けハードディスクを使っています。けっこう助けられました。

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