DropboxでアカウントBANされた人がいるらしい

オンラインストレージ・サービスで垢BANされた人の話は定期的に流れてきますが、今回はDropboxのようです。

Dropboxのアカウントが規約違反により突然BANされて博士課程の研究データの一部や趣味の写真などが取り出せなくなった...問い合わせメールも全て無視されている - Togetter

垢BANによって、博士課程のデータや趣味データの一部が取り出せない自体になっているようです。問い合わせは無視されているとこのこと。これはたいへん。

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Dropbox、お前もか

いつものことではありますが、第一印象としては「Dropboxか」ではありました。垢BANというのは極めて重大なペナルティで(当事者にその自覚がないようですが)、ビッグテックが片手間でやっているGoogle DriveやOneDriveではちょくちょくきくものの、オンライン・ストレージがコアビジネスで、それ一本でやってきたDropboxではあまり聞いたことがなかったからです。

まぁまったく初めて聞いたということはなく、以前に調べたときも、Dropboxで垢BANされた人の話は見つけることができました。その人もデータが取りだせなくて困っていました。結局解決されたのかどうか、記憶になく、保存しておけばよかったと思います。記事は一期一会(なのでこうして記事にしている)。

一発BANが企業の合理

なぜこうもカジュアルにデータを凍結するのか、ユーザからは不可解ですが、企業側からすると、これがもっともコストが低いと判断されているのでしょう。

いちいち警告すれば、本当に悪意あるユーザが相手だったときに手の内を明かすことになります。また、担当者をつけるのはコストです。アルゴリズムで判断したら悪即斬、これがもっとも合理的、ということですね。ユーザからすれば横暴かつ不合理でしかありませんが。

スレッド内にもあったとおり、本来であれば日本国憲法に規定された財産権(第29条)の侵害にあたると考えられます。しかし相手は米国の企業であり、デジタールデータであり、また利用規約に同意したという建前があります。実態を考慮すると、法律は善意のユーザの味方になっていません。完全に、大きなもの、企業の味方になっています。法治国家(笑)

対策: クラウド最小権限

根本的な対策は存在しません

個人的には「クラウドを使う金でNASを買え」と言いたいところですが、それだとあんまりなので、「利用を最小限にとどめる」くらいにしておきましょうか。具体的には、以下の徹底です。

  • インターネットを介した同期が必要なファイルのみ
  • ローカルのバックアップとして位置付ける
  • 必要なデバイスにのみインストールする

多分これだったら無料枠で十分です。有料顧客になって機能をフル活用するほうが危険性が高いというバグみたいな仕様だから仕方ないですね。

オンライン同期を使わせたがってきますが、邪悪な企業にデータの本体を差し出す愚行をしてはいけません。

企業はユーザのことなんか考えていません。利益しか見てません。

データの保存は基本に忠実に

それではデータのバックアップはどうしたらいいのかという問題があるわけですが、大事なデータは3-2-1バックアップを実践しましょう

3-2-1バックアップは、一言で言えば3つのコピーを2つ以上の媒体で、1つは遠隔地に、です。元データはSSD、バックアップはNASまたは外付けHD、そして1つは遠隔地に持っていく、という形になります。遠隔地について、クラウドサービスを使ってもいいですが、こういう事件があるのですから、私としては実家など信頼できるところに、暗号化のうえで置かせてもらう、のが一番良いのではないかと思います。

これは前時代的に思えるかもしれませんが、謎の基準でアカウントBANされる現時代よりはいいでしょう?未来時代はきっともっとひどいですよ。

重要なことは基本です。基本は変わりません。ITの世界は進化が早いなどと言われますが、あんなもんはマーケティングのポジショントークですよ。

ルールの源を考える:我々は力を行使できない

最後に、規約について。スレッドで、投稿者の方は「規約違反だからBANは仕方ない」と物分かりよく考えられています。

「規約に違反したのは仕方ないからアカウントの復帰は諦めてるけど、それとは別にデータには財産権があるからダウンロードリンクを発行してほしい」とメールを送っても返信なし。選択的同期でローカル端末から消えてて救出できないデータが大量にあるんですが、なんとかなりませんか

https://x.com/fukusanity/status/2016445862315213287?s=20

規約は確かに強力な建前です。しかし一方で、財産権というより強力な建前が通用しない現実にも直面されたことと思います。メールを送っても音信不通であったとのことです。ではどうしたらいいのでしょうか?アメリカの企業に日本国憲法に基づいて法的措置をすれば?いやまさか。

しかし今回、SNSで大いに取り上げられ、トレンドにもなったことで、騒ぎが大きくなったためか、この投稿にDropboxからリプライがついていました。データを救済できる道筋がついたのかもしれません。

これは我々に、ルールとは何かを強く考えさせます。折しも、アメリカがトランプ大統領のもとに国際法なにそれおいしいの言わんばかりの蛮行で、しかし着実に成果を出し、また誰も実質的に文句が言えていない、という状況が思い出されます。これでは、ルールとは弱いものだけが守り、強いものだけが守らなくて良い特権にさえ見えてきます。

これについて、私はルールには裏付けがある、と考えております。そのもっともわかりやすい裏付けが暴力です。これは別に特殊な考え方ではないでしょう。私は専門ではありませんが、社会契約論とか好きな人たちはだいたい国家の暴力の独占についてそういうことを言うんじゃないですか。

しかし、何も直接的な暴力だけではありません。つまり、「筋の通らないことをするならこちらにも考えがある」という何かができるのか、ということにあります。たとえば商売であるならば、「そんな不義理をするなら、君との取引はこれまでだ」というのは力の行使になり得ます。ですが、DropboxをはじめSaaSに対し、月額1000円ばかりのユーザが取引停止をちらつかせたところでなんの抑止力にもならないことは明らかです。

では、法的措置。これも通常あるべきですが、現実的に市民の手に負えません。特に今回は外資が相手です。

ここで、SNSが最後の武器となります。「Dropboxにこんな仕打ちを受けた」というツイートがSNSの世界でトレンドになるほど広まるのは、これは企業にとって確かに困るわけです。ツイートをバズらせて初めてようやく、企業が話し合いの土俵に立ちますバズらないと絶対にいじめ(暴力)を調査しない学校と一緒です今をときめくIT企業も役所と一緒なんです

いったいぜんたい、こんなことでいいのかと義憤に駆られますが、現実はこうなっております。

私としては、この力の非対称性を考えると、今一度「所有すること」の意味について市民一人一人が考え直すべきときがきたと思います。

結論:セルフホストがすべてを解決する

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