なんかこんな記事があった。
アップル、新SiriにグーグルAI「ジェミニ」起用を検討=報道
要は俺たちのSiriがGoogleアシスタントになるという噂話なわけだが、これで株価が上がるあたり、Siriさんの期待されてなさが察せられる。
誰もAppleに期待していないのか
短い記事なので全文引用したい。
[22日 ロイター] - 米アップル が、音声アシスタント「Siri(シリ)」の最新版に、米アルファベット傘下のグーグルが手掛ける生成AI(人工知能)「Gemini(ジェミニ)」の起用を検討していることが分かった。ブルームバーグ・ニュースが22日、事情に詳しい関係者の話として報じた。
報道によるとアップルは最近、グーグルに対し、来年のシリ刷新に向けカスタムAIモデルの開発を依頼したという。
この報道を受け、アルファベットの株価は一時3.7%、アップルの株価は1.6%上昇した。
両社のコメントは得られていない。
リークなのか噂話なのか知らないが、とりあえず株価は上がったらしい。これで株価が上がるあたり、投資家というのは素直なんだなと思った。誰もAppleのAIに期待していない。
たとえばAppleが次のMacはWindows OSです!と言ったら市場は大混乱でAppleの株価は暴落すると思うが、それはAppleの中核技術がヤベぇと猿でもわかるからだ。しかしSiriを実質Googleアシスタントにします宣言で株価が上がるならば、それはとりもなおさずAppleの音声アシスタントとAIを誰も使っていないし期待もしていない、ということを逆説的に証明している。
つまりAppleの株主は、Appleの先進的ブランド、ひいては株価が維持される根拠がほしいのであって、Appleの技術革新には期待していない、ということになるが、しかしそのような企業が長期的に世界有数の時価総額を維持できるかは疑問に思う。昔作ったiOSのエコシステムだけで永遠に食いつないでいくなろうか。
一方で、Alphabetの株価が上がるのは、技術提供側なので多少理解できる面もある。Google検索をiPhoneのデフォルトにすることによってGoogle検索は使われ続けているという事実もあり、見た目的にはそれと同じ格好だ。しかし一点、Google検索エンジンのケースと異なるのは、iPhoneユーザのほとんどは検索を使うが、Siriなんか誰も使っていない、ということだ。使っていないものの中身をどうしたところで、使っていないのだからどうにもならない。
そもそも日本語圏において、Siriは多少アクセントをいじったところで尻であり、しかもその前に「ヘイ」をつけないといけない変態仕様であるため、AIがどうとか以前にまず呼びかけづらい。ポケットモンスターは海を渡ると全然違う意味になるのでPokémonになったそうだが、同じような配慮があっても良いのではないかと思う。
黄昏連合軍は何を見る
僕は多少捻くれているとは思うが、しかし実際のところ、この記事を読んで思いだしたのは、かつてのMSとNokiaの黄昏連合軍だった。もはや覚えている人も少ないかもしれないのだが、2010年よりMSはNokiaと提携し(参考「世界最大の携帯電話メーカーNokiaがMicrosoftに買収された裏に何があったのかを明かす「Operation Elop」がついに全文英訳され公開へ - GIGAZINE」)、iPhone迎撃部隊を結成した。その後、Windows Phoneがどうなったかは改めて言うのもなんだか悲しい。
今のGAFAMは当時より盤石で、またMSにとってのスマホ市場と違い、AIを使うデバイス・OSそのものを握っているという強みがあるし、AIの基礎研究レベルでGoogleは今なお雄であるから、まったく異なる市場に王者気分で挑戦するMS & Nokiaほど裸の王様感はないのだけれど、しかし本質的に共通したところがあるように思われる。別分野の王者が、ユーザのニーズを捉えないまま、使えない強みと市場の独占、資本で勝とうとしている、というかな。
Geminiは無料枠もデカいので多少使っている人もいるんだが、後塵を拝しているのは否めないし、SiriとGoogleアシスタントとは結局天気の話しかしていない。っていうかSiriはまったく使ってないまである。だからさっきも言ったけど僕ですら尻にはヘイヘイ言えないわけだよ。
AIで世界を変える前に、まずウェイクワードを変えるべきだ。

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