Windowsは1GBで天気を教えつつ8GB最適化を目指す

最近、Windows 11が天気を教えるのに1GB超のRAMを消費していたという話が話題になっている。

Windows 11標準の天気アプリがRAMを1GB超消費、広告まで表示する問題が浮上 | ゲームPC速報

1.6GBという報告もあるようだ(「マイクロソフトのWindows 11天気アプリ、1.6GBのRAMを消費し効率化推進に逆行 — BigGo ファイナンス」)。

もはやWindows 7くらいなら動かせそう。

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PCメモリ高騰の最中で

いつもの邪悪なMS仕草かもしれないのだが、これは昨今許されない。というのも、MSも加担するAIブームによって、PCメモリが尋常ではないほど高騰しているからだ。これには多くのメーカが悲鳴をあげており、その親玉たるMSも子分の悲鳴を無視できないようだ。推奨要件としてあげていた32GBをひっそり削除し、それどころか8GBでも快適に使えるような最適化を進めるとしていた(「Microsoft、Windows 11の32GB推奨を削除 8GB最適化を進める狙いとは | TECH+(テックプラス)」)。

…だったはずなのに、なんだってこんなことになっているのか。とりあえず天気予報に1.6GB使うのやめればいいんじゃあないのか。こういうことは一事が万事、ありとあらゆるアプリで似たようなことしてんじゃないのか。

…と、誰でも思うだろうし、実際そういう惨状で中の人も個別で問題意識はもってるのではなかろうかと思うのだが、実態としてこの迷走っぷりなので、誰も制御できていないようだ。各部門で異なるKPIをもち、各々が自分ところの最適化だけ考えると、全体としてこうなるのかもしれない。

MSの盛大な巻き込み自爆

この一連のニュースは、帝王MSの盛大な自爆に見える。まずMSとしてはAI PCを謳い文句に推奨要件をさらにガンガン上げてユーザにWindowsでAIさせよう、というものがあったと思われる。AIという一大ブームが、OSの外側で起きていることに危機感を覚えたのだろうか。なんとかOSに引き寄せたかったのかなぁという風に見える。

実際、OS側で制御する技術的な合理性はある。いちいちクラウドに送るのではリアルタイム性の制約があるし、なによりプライバシー問題(もはや今更過ぎるが…)でたびたび炎上している。ユーザにとってもローカルAIのニーズ自体はある。

しかし、AIの処理は重い。これを実現するにはどうしても多くの計算資源が必要だ。しかしその資源が高騰している、AIのせいで。すると、その高いコストに見合った価値が提供されなければいけない。しかしその価値は今のところよくわかっていない。少なくとも、一般的には高スペックとはいえ所詮PCにのせられる程度のCPU/NPU/GPU/RAMで出来る範囲では、よくわからない。

このAI PCで出来ることがない問題は、ローカルAIの性能的な限界はもちろんあるが、そもそもこれまでのクラウドファーストでローカルからあらゆるデータや作業を取り上げてきたことも無関係ではないだろう。その割に何故かPCの推奨要件は上がり続けてきたわけだが、それは何に使われていたかといえば、お天気アプリの広告ダウンロードに使われていた。こんな状態でローカルAIは何するんだ?広告の選別か?

ということで、バカ高いうえにそのバカ高い理由がマッチポンプで、しかもできることはよくわからん、という状態では、当然ユーザからそっぽを向かれるわけで、PC業界は今後しばらく停滞するだろう。しかしそれもこれも自業自得という感じはする

誤算の大元はなんだろか?

しかし、欺瞞とはいえこれまではこれでMSのビジネスがワークしていたのも事実。今回AIブームでそれが破綻しつつあるのだとすれば、誤算の大元はなんなのだろう。

というか、そもそもAIブームが問題なんだろうか?

AIブームは欺瞞を露呈させただけの気もする。お天気アプリが1.6GB使うのはAI関係ないし、そのうちお天気アプリが16GB使うようになったおきに噴出する問題が今起きた、というだけかもしれない。

つまり、ハードウェアの永続的な進歩を前提にしたソフトウェアの腐敗が根幹と思う。それはいつかハードウェアが資源という物理的な限界を迎えるまでのカウントダウンで、ジワジワと我々を蝕むものだった。それをAIが一気に顕在化させた、というのが本当のところに思える。

であれば、ソフト屋のやるべきことは、(資本ではなく)物理による制約の現実を再び直視して、リソースの制約のうえで最高の成果を出すという大昔はやっていたはずのことを、今一度思い出すことだと思うが、なんだか先は遠そうである。

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