メモリ高騰によるAIヘイトが強い理由

メモリ高騰のバカ騒ぎはガジェッターの間ではもう周知の事実だ。

その反応について観測していると、皆やはり怒ったり嘆いたり悲しんだりしているのだが、その反応を見ていると、思っていたよりも強い反応があることがわかった。

それはAIヘイトだ。AI動画のツイートに対しても、「このゴミのせいでメモリが高くなっている」などの批判がつくようになった。「AIバブル早く終われ」のようなツイートも散見される。

AIへのヘイトはこれまでも各所で見られた。曰く、AIは仕事を奪っている。曰く、AIの作るコンテンツはつまらない。曰く、AIは泥棒だ。まぁよく言われているやつだ。

今回、それらとは異なるヘイトの強さを感じた。まぁ僕の観測範囲による影響かもしれないんだが、少なくともSNSを見ている感じ、空気感が変わったような実感がある。この理由は、2つほどあると思う。

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メモリの高騰はどう考えても自己責任ではない

1つは、メモリの高騰はどう考えても俺のせいじゃない、ということだ。これは今までのAI批判とは趣が異なる。

AIが仕事を奪っている、という時、現代社会的にはどうしても「AIに奪われるほうにも責任はあるのでは?」という論が出る。AIに置き換えられる程度の仕事だったんでしょ、というわけだ。その是非はともかくとして、よくある反論であろう。

しかし、メモリの高騰はどう考えても自分の責任とは言い難い。さらにあまりにも突然で、予測することも不可能だった。実際、誰も予想していなかった。対応不可能

経済的損失という客観的な形で定量化されている

もう一つは、価格の高騰、つまり経済的損失が、客観的に数値化されていることだ。21,680円で買えたものが126,680円になったと言われれば、そこに10万円の損害があったということが、誰の目からも明らかだ。

これは今までのAIつまらないとか、AIは泥棒、という批判とは異なる。それらは主観的で、客観的に数値化するのは難しかった。頑張って「AIによってこれだけの被害が生じている!」みたいなことを言っても、それが客観的に妥当かはなんとも言えなかった。

今回、メモリの価格チャートが、その経済的な損失を明らかにした

反論できない事実

以上2点、明らかに自分の責任ではないことで、見える形で定量的に経済的な実害を被った、という条件が揃ったことにより、ヘイトが強くなっている

この2点は客観的な事実であるため反論が難しい。これまでのAI議論のような逆方向からの相殺が少ない

結果、一方的かつ正当な怒りとして、ヘイトが強くなっている、と感じられたのだろう。

AIバブルの決壊点かも?

メモリだけでもこれだ。そしてPCなどへの影響が明らかになるにつれて、そのヘイトの輪も広がり始めているように見える。これがゲーム機にまで広がったら、さらなる反応を呼ぶのではないか。iPhoneについては今のところ不透明だが、もし影響があるようであれば、これも大きな反応を示すだろう。また、Appleはビッグテックの中では比較的AIに冷めた企業なので、AIが問題なら容赦なくそれを言うだろう。

AIバブルの決壊点はいくつか考えられるのだけれど、案外こういうところからヒビが入るのかもしれない。

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