岸田文雄は嫌いだったけれど、それ以上に人間として石破茂に対して嫌悪感を抱く。石破茂はなんとか評論家の肩書きでなんか偏った新書でも書いていれば別に嫌悪するにも至らなかったが、為政者、しかも国のトップとしては、選挙権をもって18年過去最悪だと思う。日本列島を日本人だけのものではないと言い放ち、同盟国からルーピーと誹られた鳩山由紀夫よりさらに酷いと思う。
言葉の軽さ、国民を軽視
石破茂の醜さは「責任」という言葉の使い方に端的に表れている。
石破首相「政治家が国民に受けること言い始めると国は滅びる」…参院選前の大衆迎合的な発言に戒め : 読売新聞
石破首相(自民党総裁)は12日夜、東京都内で開かれた衆院自民党秘書会の総会で、「政治家が国民に受けることを言い始めると国は滅びる」と述べた。「責任政党」として、参院選前にポピュリズム(大衆迎合主義)的な発信や発言を戒めるよう強調したものだ。
うけるうけないの話がよほど気に入ったのか知らないが、性懲りもなくまたうけないことを言っている。まぁ受ける受けないはどうでもよいが、彼の発言から国民の声と真摯に向き合おうという姿勢を感じることは到底できない。むしろその対極にあると言って良いだろう。しかもそれを責任という言葉で誤魔化す。
いやまぁこの記事自体はいつものように政権迎合的な読売新聞が忖度して勝手に「責任」と付け加えているだけで石破茂は直接言っていないのだが、実際のところ、最近は責任政党という言葉をいたく気に入っているようでよく言っているから、別にいいだろう。
しかし責任政党とはいったいなんなんだろう。そもそも誰の何に対する責任なのか意味が不明瞭だ。まぁ、失われた三十年に対する政権与党の責任を指していないことだけは確かだが。
本来、責任とは先ず何よりも自らの過去に向けて使われるべき言葉だ。もし本当に石破茂に責任感があるならば、先ず失われた三十年を牽引してきた自民党の「責任」を問わねばならないはずだし、またその中で少なからず役割を担っていた自らの「責任」も免れ得ない。だが彼は自らの責任については素知らぬふりで、ただ未来の国民に向けて「責任」を語る。そして何をするかといえばどうやら国民にうけないことをやりたいらしい。
以下の発言についても非常に苛立った。
石破茂首相は12日の衆院予算委員会で、経済対策の財源を赤字国債発行で賄うべきだとする主張に苦言を呈した。「そういう主張をする方々は、金利のある世界を甘く見ていないか。低金利やゼロ金利の時代が続いたので、感性が鈍くなってしまったのではないか」と述べた。衆院会派「有志の会」の緒方林太郎氏に対する答弁。
経済対策として消費税減税を主張する国民民主党などが、財源として赤字国債の発行を掲げている。
赤字国債には慎重であるべきだ、は一般論として別におかしなことではない。ただし、これも彼の立場を見ると、一般論的な正しさとは別の思惑が浮かび上がってくる。
背景としては、急速に支持を集めている国民民主党への牽制と、あと「消費税減税はまかりならん」という決意があるだろう。消費税減税自体は必ずしも赤字国債に頼る必要はないはずだが、その方法について得意の検討をする余地もないところに彼の本音がある。
つまり減税したくないし、取り過ぎた分を返す気も無いし、歳出削減して利権を手放すなんてもってのほかだ、という為政者の傲慢に過ぎない。しまいに共産党を「立派」などと言い始めており(参考「石破首相、共産を「立派」と異例の評価 消費減税の財源巡り「協調」 | 毎日新聞」)、さきの国民にうけることをやれば国が滅びるという放言を見ても、自由民主を明確に否定しているようにしか見えないが、日本では共産革命が起きているのだろうか。
多分民主主義
まぁ発足当時から低かった支持率を順調に落とし続けているので、ムキになっているのかもな、と思う(参考「石破内閣支持率27.6% 発足後最低 ANN世論調査」)。しかしネット民ならともかく国のトップに子供のような意地っ張りを見せられても困る。当たり前だが国民の言葉や要求について「国が滅びる」と突っぱねるリーダーが支持されるほど民主主義は甘くない。望みどおり自民党は参院選に向けてさらに支持を落とすだろう。
……落とすかな?どうなんだろう、正直今でも2-3割くらいの支持率があるわけだが、これは4人に1人くらいは支持しているというわけで、実際他政党と比べると頭2つ抜けていることは確かだ。お前らの言うこと聞いてたら国が滅ぶんだよと見下してくる奴を支持する人の気持ちが、正直僕にはよくわからない。
こんなことは、政治思想以前の話だと思うんだがなぁ。
コメント