AIによるまとめや議事録はどこまで使えるのか

僕はAIによるまとめ、議事録なんてのは本質的に使い物ににならない、と思っていたのだけれど、友人曰く、AI議事録をけっこう便利に使っているらしい。僕はAI議事録を実際に使っていないし、友人が言うならそうなのかなぁと思った。

しかし僕の普段AIチャットを使っている肌感だと、使い物になるとは思えない。どこらへんに違いがあるのだろう。

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AIには濃淡がない→濃淡がなければできる

僕がAI議事録やまとめに否定的なことの一つは、AIの回答には濃淡がないからだ。まぁあるように見せかけるかもしれないんだが、実際にはない。

「それとこれを並べるの!?」という驚きは、チャットではけっこうよくあるのではないか。たとえば「もう本当にあらゆるものが高くてつらい。卵も値上がりするし、こんなんじゃ家なんて……」と愚痴ったとして、あとでAIに「高いものの具体例をまとめて」と言えば

と列挙すること請け合いだ。もしジョークの一つでも挟めば、そのジョークもガッツリ取り入れるだろう。これはAIの根本的な理解のなさによる。AIにとってはどちらも「話者の提示した具体例としての文字列」なわけだ。なので、実務的にはどうでもいいタスクAと一大プロジェクトBが並列にならんだりもする。

そういう次第だから、まとめなんかさせると、なんだか何が言いたいのかよくわからないぼやけたものができる。だから僕はAIに分析などはさせないようになった。やるとすれば論点の列挙、くらいだ(しかしそれも抽象度の切り分けがいつも奇妙だ!)。

しかし逆にいうと、そういった濃淡が必要なければ、それはできそうだ。というかまさに、論点の列挙がそうなる。で、議事録として「何が話されたか」「タスクの割り当て」「Next Action」は、厳密には階層があるものの、実務的にはフラットで十分であるし、そのほうがわかりやすかったりする。

なので、機能的に確かに十分使えるかもなぁ、とは思えた。

AIは責任がない→責任が不要ならできる

もう一つ、僕がAI議事録やまとめについて否定的な理由は、AIは責任が持てないことだ。無責任なやつの言うことなど信用できない。したがって、AIの議事録やまとめにも責任がないため、それそのものは信ずるに値しない。よって、AI議事録は根拠にできない。以下のようになるだろう。

「AI議事録を見てください、あなたはこの日そういいました」
「はぁ?AIが間違えたんじゃないの?」

これを防ぐには、AI議事録の内容を全員が承認する、という儀式が必要になる。しかしそうすると、「今までなかった手間」が増えることになり、いったいそれでは楽になったと言えるかわからないし、また「毎回確認を求められるために、儀式化していた。内容を認めない。重要な議事録はAIにやらせるべきではないし、特別な承認フローがあるべきだ」と強弁するなどもあるかもしれない。力関係次第で全然あるだろうな。

逆にいうと、そういう言った言わないが発生しない、つまりもとよりAIによる議事録が純粋に参考として活用される環境ならば、使える。言い換えると、信用の根拠ではなく、あくまでも実務のためならば、使えるかもしれん。

まとめにおいても、そういえば僕はけっこうAIに技術的な質問の備忘録を記事にさせているので、これは考えるとAIまとめかも?信用の根拠にしない、という条件がつくならば、機能的にはある程度いけんのかもね。

ご利用の条件

以上より、AIによる議事録、まとめについては、以下の条件がそろえば使えるのかなぁと思った。

  • 項目をフラットに抽出する
  • 信用の根拠にしない

逆にいうと、これ以上を求めると、やっぱり使えないんじゃないかね。

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