とても嫌な気分になるニュースが流れてきました。
「本人でないと解約できない」母の死後に直面したNHK受信料トラブルがSNSで波紋…遺族対応の“真相” - ライブドアニュース
投稿主によると「母が亡くなったので解約したい」とNHKに連絡したところ、本人でなければ解約ができないと言われたという。
笑えないコントで草も生えない。
ただの阿呆だよ!
ちょっとツッコミを入れる気も失せるのですが、当然のことながら死人に解約手続きは不可能です。昨今話題のダークパターンの極致とも言える対応で、他の組織でも同種の対応が見られるとして、「政府が対応すべきだ」という意見も見られました。しかし、そうでしょうか。死人に手続きを求めるのは法制度に不備があるからではなく、信じられないほど阿呆だからだと思います。
母が亡くなったのでわざわざ解約に来られたご遺族に対して、本人による手続きを求める態度が根本的に間違えているのは、法律論を振りかざすまでもない、常識です。それが本当の本気でわからないのであれば、そもそも法治主義という制度を運用する知性がありません。もしこれが本当に社会的な問題で、法制度にその責を求めるのであれば、それは社会的な知性と良識の欠如の証左であり、とりもなおさず、既に法治主義の根幹が社会にはないということです。
いや…ほんとに、これ、法律や規約で決めないといけないんですかね。母が亡くなったという身内に対して取るべき態度は、法律で決めることでしょうか。
不備があるのは本当に制度か?
この行為について、どう理屈付けをしても、死人に手続きを求めたことの理由付けです。虚しい気持ちはありますが、この結果は明確に阿呆なのであって、そうなった原因を考える価値はあるかと思います。
非常に理解しがたい事例ですが、何が起きているのかを推察するならば、さすがにオペレータが本気で死人を連れてこいと考えたとは信じがたい。オペレータはなにを考えているのかというより、何も考えていないとしたほうがまだわかる。
であるとすれば、いったいなぜ?私はコールセンターで働いたことがないので、これは想像するしかないのですけれど、何か「本人確認の徹底」のようなマニュアルがあり、それを杓子定規に脊髄で反射してしまうような訓練がなされている、とかでしょうか。あるいは、頭の中で意味不明だと思いつつ、マニュアルに沿っている限りは免責されるという思い込みがあるのでしょうか。あるいは、マニュアル外の対応について厳しいペナルティがあるのか。
まぁ記事によると現実にはNHKの規約からは外れた対応のようですけれど、しかし現場のマニュアルはまた別ですからねぇ。マニュアルにはよくあること。
想像ではあるのですけれど、この考えでは、原因は決してマニュアルや制度の不備ではなく、むしろマニュアルがあるからに思えます。であれば、法整備の不備を唱えるのは、マニュアルの不備の言い換えであって、むしろ害悪であると考えます。
ここにおいて、必要なことは法整備やマニュアルの整備ではなく、法やマニュアルを杓子定規に当てず、現場当人に裁量を与えたり、その裁量の結果について組織全体で受け止めるという、そういう態度ではないでしょうか。それは決して非合理ではありません。少なくとも、個人の裁量によるミスよりも、裁量がまったくないことによる硬直化した対応のダメージが上回りつつあるのが、現実だと思います。
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