なんかまたMSが余計なことしていたらしいです。
Windows 11のBing Wallpaperで壁紙が全面広告に。ハリー・ポッターなどを宣伝
これはひどい。
ちょっと前にあった、1.2GBだか1.6GBだかでお天気と広告を配信する標準アプリから何も変わってないですね。
- マイクロソフトのWindows 11天気アプリ、1.6GBのRAMを消費し効率化推進に逆行 — BigGo ファイナンス
- Windows 11's built-in weather app hogs more than 1.2 gigabytes of RAM just to tell the forecast — memory-sucking web wrapper filled with ads masquerades as an actual application | Tom's Hardware
8GB PCでも動かせるように最適化するとはなんだったのか。まぁ、このアプリを作っている人たちのKPIとは関係ないんでしょうかね。それにしても、全体の方針と明らかに矛盾しています。
資源高騰による問題の顕在化
この矛盾をつきつけたのは、直接的にはハードウェア価格の高騰なのですが、その原因は何かといえばAIですから、AIがいまのPC業界に突きつけた現実と言えるのではないでしょうか。資源は有限。有限の資源の取り合い。
当たり前のことですが、その当たり前が見過ごされる環境がソフトウェア界隈にはありました。ハードウェアの深化が、ソフトウェアの浪費を覆い隠してきました。クラウド、サーバレス、シンクライアント、XaaS…ソフトウェアが何の上にあるのか、それははるか雲の上に漂う電離した分子が自由に動いて出来ているかのような錯覚があります。
そして手元のPCは、せいぜい開発者がビルドのときにハッスルさせるだけの代物になりましたので、潤沢な記憶領域と通信帯域は、専ら広告とダウンロードと表示に使っても、特に問題ないだろう、という感じです。
まぁ問題ないわけはなく、というより、問題になるまで肥大化する、というほうが正しいかもしれません。結果、いまようやく問題になりました。それは計算資源の高騰によって、ユーザの使えるリソースがむしろ下がるという、Windows 95以来初めての事態によって顕在化しました。
ここで、確かに計算資源の高騰はAIのせいですが、しかしMS謹製の天気や壁紙のアプリに広告が差し込まれるのは、別にAIのせいではありません。AIがメモリ消費しているわけではないのです。AIに責任があるとすれば、それは問題が起きるのを少し前倒しした、程度でしょう。AIがあろうがなかろうが、資源は有限ですから、有限な資源で可能な限り余計なことをするKPIがあるならば、無視できなくなるまでの時間に多少のブレがあるだけです。
なぜWeb技術なのか
しかしそれにしても、やっていることは大したことではなく、そもそも許されないことをしているという問題とは別に、なんでこの程度のことでそんなに資源を消費するのか、という別の問題もあります。特にお天気アプリの利用するWindows 7並のメモリは、かなり意味不明なものです。実機で天気予報の演算しているんですか。
まぁそんなわけはなく、Web技術を濫用しているせいとのことで、裏で動きまくっているのはChromiumのようです。そりゃ重くなるわな。
ここでChromiumというのがまた泣けます。百歩譲ってOSの開発者特権でクソアプリを多少差し込むのは慈悲の心で許しても、なぜそのアプリがWebベースなのか。なぜOSの機能を直接使わないのか。OSに自信がないのか。それともGoogleにつくってもらったのか。
Web APIを叩いて難しいところはブラウザにお任せするクソアプリでいいなら、このAI時代私にも作れます。MSが自社OSを使ってそれをやりますか。特権を利用したテレメトリや広告が許されるはずはないのですが、それとは別に、まずOSを開発する会社として、技術的にも情けなくはないですか。そんなもの、金にならないからどうでもいいのでしょうか。
資本効率と歪み
ITの世界にいてわかることは、資本効率は色々なものを歪ませるということです。これに限らずですが、資本主義が現実社会を歪めるのは、金にしてはいけないものまで金にしようとし始めたときなんでしょう。それは常に起きることですが、その度合いが増すほどに、問題は無視できないところまで大きくなります。いや、無視できなくなるまで大きくなる、のか。
ソフトウェアに特殊なところがあるとすれば、そこに至るまでの速度が、異常なほどに早いことかなと思います。論理だけで構築できて、文字通り光速で配信されますのでね。しかし早く壊すことはできても、早く戻せるかといえば、それは別だろうな。なにごとも、デプロイよりもロールバックが難しい。ソフトウェアも例外ではありません。
なので、MSはまだまだ迷走するでしょう。いや、もしかすると時代の変化についに置いていかれるかも。ムーアの法則のない世界を彼らは知りません。まぁ、それはみんなそうですが。
でもそれによって、資源を意識しないといけなくなったとき、資本効率の歪みが少し、是正されるのでしょう。個人的には、歪みがもっと健在化されることで、オルタナティブの選択肢を一般の人の目につくくらいに浮上させられるので、いまの事態は実は悪くない、と思っています。
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