年に一度のお祭WWDCが終わった。3年放置のminiがやっぱりスルーなのは規定事項として、ハードウェアが全般刷新。一番の大物はiMac Proだろうが、影響が大きいのは他Macのマイナーアップデートだろう。ソフトの発表も割と盛りだくさんで、なんのかんのいって去年のリズムに乗れないWWDCよりだいぶよかったのではなかろうか(「WWDC 2016雑感:macOSに名称変更。リズムに乗れない会場になんとなく安心」)。
Macとか
気になったところをいくつか。WWDCの本旨はソフトウェアとはいえ、やはり一番盛り上がるのはハードウェア。
5000ドル〜のiMac Pro(拡張性なさげ)
今回の一番の目玉はやはりXeon搭載iMac Proだろう(Apple的にはSiriを推したいかもしれないが、音声アシスタント分野はAmazonやGoogleに遅れを取っている。ついでにいうと個人的に興味が持てない…)。Xeon搭載、128GBのECCメモリ。最大18コアとはもう笑うしかない。スペースグレーはカッコいいな。RadeonでVRにも対応するスペック。発熱が気になる。
ただ、方向性的にはここ数年のApple的で、メモリの拡張性さえないらしい(「Apple says iMac Pro RAM won’t be user replaceable, Space Gray accessories not sold separately | 9to5Mac」「「iMac Pro」はメモリを自分で交換出来ない仕様らしい | 気になる、記になる…」)。つまり最初に盛る必要があるのだが、このクラスのものを求める人だとなんだかんだいって100万になってしまうような気がする。
MacBook Proならともかく、デスクトップ、それもハイエンドのプロユースでこのスタンスは、大きく間違えていると思えてならない。Mac Proは失敗を認めて再設計されることが示唆されているし、このiMac Proが今の方向の終点であってほしい。あるいは、iMacとmini、Proで別系統の進化をしてほしい。
マイナーアップデートされたMacたち
話題を集めるのはiMac Proにしても、実際に影響を受ける人が多いのはその他Macの刷新だろう。CPUはKabyLakeに置き換えられた。MacBookのCPUCore Mではなくi5やi7がオプションで選択できるようになったのは大きな驚き。いけるの?後はお値段さえもう少し熟れてくれれば…。メモリ16GBまで対応も素敵。
MacBookProは半年というスピード更新となったが、あまり変わり映えしない。タッチバーなし13インチが200ドルほど値下げされたが、今回円安レートが適用されたので(というより前のレートが為替に比して謎に円高だった)結果的には値上がりという罠。タッチバーなしの15インチが出ていたら暴れた人多かっただろうけれど、さすがにそれはなかった。2016買った人もこれならまぁいいかと思ったのではなかろうか。第3世代iPadを掴まされた身からするとどうってことない。逆に、2017を待ってた向きには肩透かしである。
自分が正にそうで、MacBook Air 2013をそろそろリプレースしたいと思っていたが、これだとだいぶ悩ましい。そういえばMacBook Airも地味にプロセッサがアップデートされるようで、ディスコンディスコンと言われながらもしぶとく生き残っている。Macノートのエントリーモデルポジションということなんだろうか。
個人的に一番気になるのは、Proではない普通のiMacたち(「速報:新iMac発表。ディスプレイ輝度向上、第7世代Core i、最大メモリ拡大など - Engadget 日本版」)。従来のUSBポートが残っているようで有難い。さらにThunderbolt 3に対応したことから、iMacを外部ディスプレイとして使うターゲットティスプレイモードに対応していることが期待される(追記:ダメだった!なんてことだ「iMacのターゲットディスプレイモード、今後も復活の予定はなし - iPhone Mania」)。あとは、27インチのメモリ拡張性が残されていれば(追記:こちらはできるようだ。有難い。参考「【レビュー】新型「iMac, 5K 27-inch (2017)」をチェック 「Kaby Lake」プロセッサと「USB-C/Thuderbolt 3」が搭載されてパワーアップ | CoRRiENTE.top」)。今のMac mini 2012が壊れた時、まだ来週が来なかったら(非常にありうる)iMacも検討しないといけないし、また当分手を付けられないのだろうから、今回のアップデートは重要である。
macOS High Sierra
この名前は予想外。マイナーチェンジっぽい名前だし、順番的にもそうだと思うのだけれど、ファイルシステムの変更があるらしいので波乱の予感。大丈夫だろうか。あとはVR対応だが、今のところ自分には関係のはない話である。興味はあっても中々手を出す資金も時間もないものだ。
それ以前にメインのMac miniはいまだEl Capitan。対応していないソフトも多く、あまりアップグレードしたくないのが本音である。
Mac miniはまた来週
ほとんどのMacが刷新される中、絶賛放置プレイ続行中のMac miniに来週は来るのか。どうしても希望を捨てられない。私のMac mini 2012は、五度目の夏を無事に乗り切れるだろうか…。
iPadとか
ここのところあまり目立っていなかったが、今回は久しぶりに大きく取り上げられた模様。
iPad Pro、512GB
10.5インチと12.9インチが発売。恐るべきスペックだが、タブレットはどこまでいってもタブレットである。でも欲しい。
512GBのストレージが圧倒的。ストレージはいくらあっても困ることはない。もっとも、それだけのお値段にはなってしまうが。
iOS 11
「「iOS 11」の新機能と変更点まとめ|携帯総合研究所」がとてもよくまとまっている。iPad向けのDockとマルチタスクが個人的にインパクトある。そしてついに、OS標準のファイラが。これらは確かにiPadの使い勝手をよくするものだろう。まぁどれもいまさらといえばいまさらなのであるが。
全体的に
去年色々とやるせない思いをしたうえに翌日寝坊するという憂き目を見たので、今年はリアルタイム視聴はしなかったのだけれど、全体的に去年よりもだいぶ楽しそうなWWDCであったようだ。ハードウェアの発表があったばかりでなく、マルチタスクなどiOS 11の機能にも楽しみなものがあった。
iMac Proは凄いとは思うけれど、欲しいとは思わない。ここ数年のApple的進化の究極系だろう。まぁ実際に買うとなれば普通のiMac 27インチあたりだろうし、これは順当なアップデートであったようなので、後はメモリの拡張性が潰されていないことを祈るばかりだが、できれば再設計されるMac Proや、一応忘れられてはいないらしいMac miniに期待したいところだ。
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