戦え酒税戦士たち

ビール系の税率が変わりました。酒税が生んだ悲しい飲み物、発泡酒と第三のビールたちが死ぬことになりそうです。実際金麦はビールになります(「金麦は、ビールヘ。ビールの金麦 金麦 サントリー」)。

酒税めっちゃ高いよ。SNSで税率の変化についての画像が流れてきて死んだ。

消費税も考えると、ビール1本40%くらい税金なんだなって。僕はもう酒税を払うために生きているようなものだよ。

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タバコ嫌いだった理由

しかしそれでも、共に税金戦争の最前線で疲弊しているタバコ戦士たちの姿を見るにつけ、まだマシなんだろうと思われます。同時に、タバコの轍を踏んではならないなぁと思いました。欧米のような懲罰的とも言えるほどの値上げにこそ至ってないものの、かつての地位を思うと、タバコの凋落ぶりは酷いものです。

かくいう僕も、一時期タバコアンチに傾倒していた時期が実はありました。人に向かってタバコはやめたほうがいいとガチで言っていたことがあります(上司だろうとお構いなく…)。今にして思うとそんな感じだったので嫌われたのはあったんだろうなぁとかも思います。

ただこれは僕なりに思うところもあるのです。20代の時に工場のタバコ部屋の思い出がしんどかったから、というのが強くあります。元々大学時代はバンドやっていたのもあり、周囲にタバコを刷っている人は多かったですし、そんなに強く嫌がっていたわけじゃないんです。普通に同じバンドで吸っているのもいたし。

ヘイト溜まったのは、やっぱり工場かな。二十代の時、プロジェクトの関係で工場に何度か行っていました。今にして思うと良い経験でしたが、つらいこともたくさんありましたね。

つらかったことの一つがタバコです。工場ってのはまぁなかなか特殊な現場だと思うのですけれど、そこで勤務すると、コミュニケーションが当然重要なわけですが、タバコ部屋に行かないわけにはいかなったんですよね。

実際、僕以外の吸わない人もタバコ部屋には行ってました。一時期僕と一緒に非タバコ部屋に行ってくれる人ともいたのですが、今にして思うとアレは若造で外様の僕に気を使ってくれていたんですね。ま、結局タバコ部屋に行くようになりましたが…。本当にコミュニケーション上必要だったのです。昭和ではなく平成の終わり、2010年代半ばくらいの話です。今もそうなのでは?

タバコ部屋はタバコ吸わないとかなりつらいものがあって、特に連日の勤務で身体がしんどいときは、本当に吐き気がしました。吐くわけには行かないので、買ったコーヒーも飲まずになんとか耐えていたわけです。

それが工場勤務のまぁ色々な思いでと合わさり、ついでに小学生の時に道端にポイ捨てされていた吸い殻を見て嫌だなぁと子供ながらに思ったことなども突然思い出したりなどしつつ、タバコへのヘイトが蓄積していったのだと思います。

そこに、タバコでかかる医療費はたばこ税の収入を上回るんだとか、まぁそんな言説も見聞きしたりして、タバコ非難の大義名分を得ました。また僕自身年齢を重ねてある程度発言力がある…ような気がした…とか、また、エンジニアにありがちなことですが、三十代半ばくらいまで無自覚に強くリベラリズム的な思想を内面化していたこともありまして、まぁ結果、タバコしね的な感じになっておりましたね。

たばこ税と酒税と砂糖税と正義のマジカルバナナ

僕のこの教条的な考え方に変化があったのは、税金について強く意識するようになったからだと思います。具体的には減税の考え方です。

元々投資をしていたので、確定申告でゲロを吐いていたのですが、負けた時には自己責任、勝った時には盛大に強奪されることに理不尽さを覚えたりなんだりして、少しずつ税制に対する違和感、不信感を募らせていました。

そんな折に、減税の考え方に触れて、政府は永遠に理屈をつけて増税するので、それに対抗しなければより多く取られ続ける、と考えるようになったことが一つ僕の考え方にとって転機となったと思います。これは組織人の時に既にそうだった記憶があるので、多分三十代半ばくらいの変化だったでしょうね。

社会人経験の中で、理屈に見せかけてるけど結局力だった、というシーンで何度も辛酸を嘗めたことも影響として大きかったでしょう。論理はただ経路に過ぎず、経路を通すのは結局力だし、絶大な力があれば浮遊ルートを作り出すことすらある。また、システムエンジニアの仕事をするうえで、何もかもシステムで捉えるようになったこともあります。システムとして見ると、税とは国家の力について強く実感させられるものでした。結びついたんでしょうね、色々なことが。

この考え方において、酒税は税金戦争の最前線であり、酒飲みは漏れなく酒税戦士となります。そして当然ながら、力の論理においては法的な直交性など関係なく、現実的に隣接した戦地であるタバコ戦線の影響を強く受けます。

タバコ戦線が突破されたら、次に来るのは酒税戦線です。したがって、酒税との戦いにおいては、まずタバコ戦線の戦いが重要なのです。

ここにおいて、「酒もタバコもやらないから関係ありませんわ」という人、甘党だったりしませんか。だったら是非とも知っておくべきなのですが、タバコも酒も突破されたら、次に来るのは砂糖です。砂糖税(ソーダ税)は既に多くの国で導入されています。

そりゃそうでしょう。タバコは身体に悪い、酒も身体に悪い、ではお菓子は身体に良かったでしょうか。糖尿病と甘味の関係は?糖尿病は医療費かかりますよね?迷惑ですよね?

とまぁ、そういう正義のマジカルバナナが発生することは想像に易いというか、既にあるわけです。

タバコ税と酒税と砂糖税は別だ、というのは理屈の話です。デジタルにおいて1Hz,2Hz,4Hzはそれぞれ直行ですが、現実には影響しまくります。理屈と現実は違います。

すべては繋がっているので

このようにして、僕は自分の戦地である酒税戦線で抗うためにも、まずタバコ戦線が重要であると考えるに至りました。タバコ戦線だけではなく、現実にはあらゆる戦線が繋がっており、独立した戦線など理論上にしか存在しないのだと理解しました。

タバコに対する個人的な心情は依然として複雑なものがあります。しかし理屈で考えて、タバコが突破されたら次は間違いなく酒なのですから、ここは踏ん張ってもらう必要がある。となれば、良いも悪いもなく、頑張ってくれ以外にないんです。

ただこれは僕が様々な知識と経験を経て、理屈と実感で理解したものです。ほんの10年前の僕を見れば、ヘイトにとらわれて正義の戦士になってしまっていたという現実があります。しかしあれも、概念上の正義のためではなく、僕自身の経験がそうさせていました。実際、僕のように両端に触れずとも、多くの人はなんとなく嫌な思いでのあるものについて、擁護したいとは思わないでしょう。

結局のところ、感情です。理屈なんか後からどうとでもなります。感情が問題です。

タバコについて言えば、やはり過去数十年から今に至るまでにおいて、どうしてもネガティブな印象を与えてしまうことがあまりにも多かったのではないでしょうか。最近になって分煙が進み、かつてほどのヘイトはないかもしれませんが、一部の現場などでは必ずしもそうでもないでしょう。

一方で酒もまた、無理やり連れてかれた飲み会や、酒も飲めないのとバカにされた経験などがあれば、酒に対するヘイトが溜まってもなんら不思議ではありません。というか、既にそういったことがあるから、酒に対する風当たりも強くなっているのだと思います。

しかし一方で飲まずとも飲みの席でみんなで愉快になるのは好きだという人や、居酒屋のご飯は好きという人もいるわけで、必ずしもネガティブなことばかりではありません。最近よく見る、酒を飲まない人は居酒屋控えろ的な言説に僕が賛成できないのは、酒税戦線において自軍に爆弾を投げ込んでいるようなものだからです。

まぁゴチャゴチャと言いましたが、結局のところ、全ては繋がっているのであり、巡り巡っていつか自分に返ってきてもまったく不思議ではないのだから、まず見える範囲においては、少しでも酒が好かれる、少なくとも嫌がられないようにしようという、まぁ穏当な話でおしまいです。

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