春ですね。なまじっかスマホやタブレットがあるばかりに、最近の学生さんはPCを持っていない人も多いそうですが、買いましょう。親御さんに補助してもらうのもよいでしょう。役に立ちますし、何よりもお値段以上に遊べます。
PC不要論について
昨今、PCはもはや不要という声もチラホラ出てきました。確かに、昨今のスマホはヘタなモバイルノートPCよりもハイスペックですし、スマホの画面はいくらなんでも小さいということであればタブレットという選択肢もあります。
初代iPadが出たのは私が学生時分の2010年で、あの頃のタブレットはまだまだマシンパワーも低く、解像度も荒くて、メインにはなりがたいものでした。しかし2017年にもなると、先日発売された第5世代iPadなどはあと10年くらいは第一線で普通に使えそうな代物になっていますし、2万円くらいの廉価な中華タブレットでも十分常用に耐えうるものが多く出ています。
そんではPCはいらないのかと言えば、まず理工系については間違いなくNO。PCでしかできない処理はたくさんあります。周辺機器の制御にもPCが必要です。それでは文系は、となると、これは確かにちょっと微妙なところかもしれません。しかし、キーボード一体型で制限のないブラウザが使えるという点で、やはりPCは必要と思います。そして値段など考えると、Chromebookがいいのかな、と思います。
PCの利点について
PCのスマホやタブレットに対する利点をもう少し詳しく、私が思う大きなところを3つ、あげます。
- 大きな画面とキーボード
- Webブラウザ
- PC専用のソフトとハード
画面が大きいことによるメリットは言うまでもないのですが、キーボードはどうでしょうね。あのわけのわからんキー配置を覚えて、ブラインドタッチができるようになるまでの労苦があり、少なくとも「直感的」とはどう考えても言えない入力機構です。
しかし、今のところ、人類が最も速く楽に文字を入力することが出来る機器はキーボードです。スマホのフリック入力は革新的で、まぁまぁ速く、少なくともキーボード一本指打法よりかは良いのですが、しかしキーボードの打鍵速度と比べると、自転車とバイクくらい違います。特に記号が交じりだすとなかなか。レポートなど長文を入力するなら、やはりキーボードがよい。
そんなら、タブレットにキーボードを取り付けたら良いじゃないかという向きもありますが、これは漢字変換で気に入らないところがありますし、なにより毎回キーボードを取り付けるのが面倒臭い。ではキーボードカバーを常時取り付ければという考えもありますが、それこそ最初から素直にノートPC買いなされ、という話です。キーボードがあるのがPCのメリットなら、キーボードがないのがタブレットのメリットだと言えます。メリットを殺しちゃいかん。
そして大きいのが、Webブラウザ(SafariやChrome、Firefox、IEなど)の本領を発揮できるということ。スマホやタブレットのWebブラウザは拡張機能などに制限がありますが、PCのWebブラウザにそんな制限はなく、あまりにも高機能でなんでもできてしまうので、一時はもうWebブラウザだけでいいんじゃないの?という考えが流行ったほど。その極致にChromebookがあります。
また、PCでしか使えないソフトウェア、PCでしか制御できないハードウェアの利用は、理工系ならば必須です。マニアックなソフトウェアや機器を使うことになります。文系だと、人によりけりかも。
…一点。そういうマニアックなものには、Windowsのみ対応というものも少なくないのですが、その点を考慮しても、そういったものは結局学校にあるPCを使うということが多いので、個人の持つPCとしては、私はやはりMacを勧めますよ。
何を買えばいいか
では、PCを買うとして、何を買うのがよいのか。大いに悩めばよいのですけれど、オススメなのは、理工系ならばMac、文系ならChromebookです。
理工系ならば開発環境を作る必要がありますが、それが楽なのがMacです。ノートパソコンで一番安いMacBook Airでも10万円とちょっと値が張りますが(もうラインナップから消えそう)、理工系にとってPCは商売道具なので、しゃあないですね。
一方文系ならば、必ずしも理工系のようにマニアックなことをするわけではないので、何も高いものを買う必要はありません。安いPCはいくらもあります。
しかしこの安いPCというのがクセモノです。2017年現在でも、やはり安いPCには安いなりの理由があります。具体的には、挙動がめちゃ遅かったり、すぐに固まって動かなくなったり。イライラします。イライラすると、使わなくなります。ダメな循環です。
では、やはりそれなりのものを買うべきなのか。そこで登場するのがGoogle様が世に問うたChromebook。
Chromebookは、Webブラウザ最強だからもうWebブラウザさえ使えればいいんじゃないの、という思想をOSレベルにまで広げた、非常に尖ったデバイスです。上述のPCのメリット3、PC専用のソフトやハードについてはほぼ使えませんが、用途が限られているだけに、安い低スペックPCでも比較的快適に動作するという特徴があります。いや、最近のChromebookはAndroidアプリも使えるので、ある意味ハイブリッドかも。
ただ、ChromebookはMacと違い選択肢が多く、何を選べばよいのかが難しい。もっとも、少し前は日本だとほぼ選択肢がないような状況が続いていたので、選択肢があるのは嬉しい状況です。で、何を選べばよいのかは「後悔しないChromebook選び 2017 | Chrome速報」の記事がたいへん参考になります。
まぁ、私が今の学生に薦めるのであれば、そんなところです。
人に言えないものがたくさんある人もPC
ついでなので最後に閑話という名の(理解されない)本題。
あれこれと書いてきましたけれど、Chromebookはあくまでコスト上の観点から勧めているだけで、本音を言えば、やはりあらゆる人がMac,Windows,Linuxなどを搭載したPCを1台はを持つべきだと思っています。
その理由は、手元でデジタルデータを管理するのに必要だからです。私がもっとも重視していることです。
クラウドという言葉が流行って随分経ちました。スマートフォンやタブレット、またChromebookも、クラウドの利用を前提としたものです。このクラウドは便利なものですが、一つ注意しなくてはいけないことは、自分の財産であるデジタルデータを顔も知らない他人に預けているということです。
それはデータを人質に取られているようなものです。人に言えない動画とか画像とかをたくさん持っている人もいるかと思いますが、それらがある日突然消されたらどうでしょう。ありえない?ありえます。あったようです(参考「蹴茶: クラウドの罠 アカウント自動削除のリスク [2014.2.26]」…この例はいわゆる誤爆なのですが)。
データは財産です。己の軌跡です。人生です。クラウドを利用するのは結構ですが、最終的な管理は自分のもとでなされるべきです。そしてそのためには、PCが必要です。
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