[最終更新] 2017年5月13日
板ばっかり買ってどうするんだろうと思いつつ、Androidタブレットが欲しくて、BungBungameという、あまり耳に馴染みのないメーカーの製品KALOS 2を購入してしまいました。スペックの割にはお値頃価格なのですが、色々と訳ありな製品です。
使用して2週間、用途によってはなかなかよいデバイスではないかと思いました。iPad Air 2と比べると、さすがに落ちますが、Androidならではの自由さがウリです。
ハイスペックの割にお値頃
私はiPad Air 2を持っていますけれど、一つAndroidタブレットがほしいなぁと思っていました。AndroidはiOSにはない自由さがあります。スマートフォンでXperia Z3とiPhone 5を比べたとき、基本的な完成度はiPhoneの完勝というのが正直な感想ですが、それでもなお、AndroidにはiOSにはない魅力があります。AndroidとiOSの比較はこの記事の本旨ではないので、あまり深くはつっこみませんが、大事なことは、Androidであることです。
今回私が探したのは、大型の(といってもAndroidだと10インチクラスがせいぜいなのですが…)Androidタブレットです。それも、iPadに見劣りしないような、ハイスペックのものがいい……と思ったのですが、これがなかなかない。
HuaweiやASUSの「そこそこ」のスペックで安いものはまぁまぁあるのですけれど、それを超えると一気にXperiaになってしまうようで、そうなると、お値段的にもiPadに引けを取らない。
時折iPhoneやiPadをHuaweiの製品などと比べてボッタクリであるなどというような主張も見受けられますが、いやいや、ハイエンドはAndroidだって高い。まぁiPhoneはハイエンドの中でもちょっと高いなと思いますが、少なくともiPadについては、ハイエンドとしてはむしろ安いくらいだと思います。iPad Air 2の32GBなんて、現在実売はもう45,000円ほどで、これに対抗できるAndroidタブレットを、少なくとも私には見つけられませ……
見つけました。これです。KALOS 2。
公式ページは「BungBungame」。主なスペックは以下。
- CPU…Exynos 7420(オクタコア 2.1GHz, Samsung)
- 内蔵ストレージ…64GB
- RAM…3GB
- ディスプレイ…有機EL(Super AMOLED)、10.5インチ、2560 x 1600(WQXGA)
- OS…Android 6.0
- バッテリー…5800mAh
- 重量…430g
- USB Type-C
- microSDが使える
ええやん。これで、現在の市場価格4万弱です。元々は6万くらいしたそうですが。6万円と言われると微妙ですけれど、4万円ならば「ほぅ……」という感じです。特に10.5インチというのがいいですね。10:16ならば横幅14.1cmでしょうか。iPad Air 2がおおよそ14.8cmですから、3:4のiPadと遜色ない横幅とは、嬉しい。しかも有機EL。内蔵ストレージが64GBも地味に嬉しいですね。加えてmicroSDも使える。
ただ、ネックはメーカーです。BungBungame。どこだ。
BungBungameというメーカー
BungBungame、失礼ながらあまり馴染みがありません。調べてみると、どうやらPhoton2などWindowsタブレットを出したり、ゲームを出したりしているところらしい。そういえば、Photon2の名前は聞いたことがあるような。
ただ、年内の話で、社長に不幸があったそうです(参考「BungBungameの社長が死去、ハードウェア開発終息へ – PC Watch」)。享年33歳、そんな若い人が引っ張っていたのですか……まだまだこれからだというところで、うーん、無念だったでしょうね。
元々会社の信用度もぼちぼちと言ったところだったようですが、このような状況ですから、今後のサポートについては期待してはいけないのでしょう。OSのバージョンアップなんてとてもとても。実売価格の引き下げには、こんな背景があったのですね。
まぁ、私は元よりサポートには期待していません。OSだって、いまだに4.4が広く使われているのですから、6.0ならばあと数年は問題ないでしょう。初期不良の交換さえしてくれれば、それでいいのです。
使い勝手
スペックの割にたいへんお値頃、訳ありなのでそれも納得、ということで、えいやっと注文してしまいました。
さて、使い始めて2週間ですが……感じたのは以下。
- 軽い!!
- バッテリーはモリモリ減る
- 色味は鮮やかだが、赤がやけに強い
- ブラウジングや基本操作はiPadほどではないがサクサク動く
- 3D描画は多少もたつく印象
- サウンドは良くも悪くもない感じ
- USB-Type C リバーシブルは素晴らしい
- Androidである(当たり前)
私の初USB-Type Cデバイスでもあります。以下、見ていきます。
軽い!!
このデバイスを使って、一番感動したのはその軽さです。iPadより大きいのにiPadより軽い!まぁ、アルミ削り出しの高級感と比べると、多少チープな印象はありますけれど、角張ったデザインといい、私はけっこう好きです。
これを使ってからiPad Airを持つと、iPadが少し重たい印象さえうけます。この軽さはとてもいい。
バッテリー持ちは5時間程度
しかしながら、バッテリーはモリモリ減ります。最初の初期設定をしている間にもう10%近く減ってびっくり。Android自体、いまなおバッテリー食いのOSです。最初は種々のアプリのインストールでバッテリーもガンガン減りますが、5V-2Aの充電器で充電しながらなおバッテリーが減っていったのは目を疑いました。それでいながら、バッテリー容量は5,800mAhとこのサイズにしては少なめ。軽さの代償でしょうか。ディスプレイは有機ELで低消費電力なのでしょうけれど、プロセッサが頑張り出すと厳しい感じです。
参考までに、普通にブラウジングしていた時の電力消費のグラフを下図に示します。

アクティブに使っている時、1時間で約20%減っています。使い方、設定次第でしょうが、バッテリー持ちは5時間程度と考えておいたほうがよいかなと思います。
まぁでも、こういうタブレットは居室でしか使わない人も多いと思うので、実際のところあまり問題ないのではないですかね。待機中の消費はほとんどありませんし。
あと、充電端子がUSB-Type Cです。充電が5V-2.4Aで、12V-1.5Aの急速充電対応ですが、アダプタは本製品に付属しておらず、対応するものがありません。しかしながら、コネクタがリバーシブルである恩恵は受けられます。Lightningもそうですけれど、リバーシブルは素晴らしい。USBのいたずらな妖精に悩まされずに済むのは嬉しいことです。
ディスプレイは鮮やかだが赤々しい
そしてディスプレイですが……綺麗は綺麗なのですけれど、やや暖色系が目立つというか、赤味が強いといいますか。他のディスプレイで感じたことのない違和感があります。iPadやPC用のディスプレイなどと並べて見ると、やはり赤味が強い。うむむ。
カラーの画像を楽しみたい人は、ちょっとつらいかもですね。実際、人物を見ると、我々は黄色人種であることだなぁと思います。うーん、ゲームや映画のような、映像が重要な用途を重視すると、うーん。
白黒の文書を読む分には、綺麗です。解像度も高く滑らか。このサイトを見るのにはうってつけです。なにしろ文字ばかりで画像のないサイトなので。
基本動作はサクサクだが3Dはちょっともたつく印象
CPUはGalaxyなどでも使われるような、ハイエンド向けのものですので、オクタコアがどれだけ有効かは別にしても、さすがにブラウジング等は快適にできます。基本動作もひっかかりがありません。
ただ、これがグラフィックスとなると、3D描画などで、いくつか試してみた感じ、ちょっともたつきを感じます。iPadと比べた時、一番感じた違いは3D描画でした。
メーカー名やハイエンドタブレットであることを考えると、ゲーム用途に使われることを意識していると思うのですが、先のディスプレイのこともあり、個人的には、うーん、微妙です。やはり、ゲームやるならiPadが一番かなぁと思います。タッチ精度やレスポンスは、どうしたってiOSデバイスが現状強い。
サウンドは普通
音に関しては、特に良いとも悪いとも感じません。つまり普通ということだと思います。iPad Air 2などは、この筐体でこれだけの音が出るのだなぁと感心しましたが、この機体に関してはそういうこともなく。
でもAndroidはいい
この機種の魅力はAndroidのタブレットであることです。iOSは非常に完成度の高いOSだと思いますが、Androidの自由度は、iOSにはない魅力です。
個人的に嬉しいのは、Sambaサーバーとファイル同期が簡単にできることです。iOSはそもそもディレクトリツリーの概念を取っ払っているので、GoodReaderのようなアプリを使うことで、擬似的に同じようなことはできるものの、やっぱりデータ管理はしづらいなぁというのが本音。
しかもmicroSDが使えます。今は200GBのものが1万円切っているんですね。現在注文中で、届くのが楽しみです。→(2016/12/28追記)届きました。200GBの増量は単純に有難いですね。Android 6.0ではmicroSDを本体メモリとして扱う機能がありますので、これを使うことで取り扱いも楽に。NASにある大量の自炊書籍を同期しています。便利!
これで、私が管理している多くの電子書籍を、自由に持ち歩けます。技術書は、自炊したものや、DRMフリーのストアから購入したものがけっこうあるので、Sambaサーバーと同期できると使いやすい。
iOSだと、GoodReaderがいまだにepub対応していないのがつらかったので、これが有難い。iBooksで開けばepub読めるんですけれど、そうするとGoodReaderで一元管理できず、ファイルがあちこちに散在することになり気持ちが悪い。iOSのアプリ単位でのファイル管理は、個人的にはどうも好かない。
Androidは融通がききます。好き勝手に変なアプリを入れることもできますし、自前のアプリも入れやすい。まぁ、そこらへんを制限しているからこそ、iOSは完成度が高いのだとも思いますが。でも、Androidの柔軟性もいいもんです。
総評
色々と書いてきましたが、ハイエンドのAndroidタブレットをリーズナブルに手に入れたいなら、悪くない選択肢だと思います。薦められるかと言われると、別にお薦めはしません。
一番の難点はディスプレイかなぁと思います。ちょっと暖色系が強い。まぁ頑張れば調整できるのかもしれませんが、タブレットでこんなところ調整するのもなぁ。これについて言及しているところを見かけないけれど、ひょっとして個体差なのだろうか……。
なんだかんだありますが、色々納得したうえで購入するのであれば、リーズナブルなデバイスであることは確かです。
2017年3月11日追記:iOSにはない、Androidらしい大技(microSDを内部ストレージ化、sambaサーバと同期、ファイラを使ったファイル管理など)が使えるのがよいところで、なんだかんだiPad Air 2と併用できています。ただ比較対象ができたことで、iPad Air 2のそつない優秀さがかえって際立ったのも事実です。4万クラスになると、iPad Air 2が見えてくるので、やはり「Androidであること」に価値を感じる人向けということになると思います。というかもう割と入手困難ぽいですが…。
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