全国で100万人の経営・経理初心者が会計ソフトについて悩んでいると思う。結局freeeがいいのかマネーフォワードがいいのか……。弥生会計もあるけれど。ここでは零細法人がやること前提で考える。
(追記: MFにした)
零細規模として
会計の実務経験がない自分にとって、目に見えるスペックは価格である。価格について考えるならば、現時点においてはfreeeのミニマムプランの25000円/年が安い。他の会計ソフトの法人向けが4万円/年程度かかるのを考えると、魅力的なものとなっている。
しかしfreeeは来月7月より値上げとなる見込みで、ミニマムプランは姿を消し、その変わりひとり法人プランが4万円/年程度、スタータープランが7万円/年程度と、けっこうな額になる。というか競合と同じくらいになる。実際、競争相手のMFクラウドは、スモールビジネスプランが4万円/年、ビジネスプランが7万円/年といったところだ。
まぁ恐らくお互い意識しまくっているだろうから、プランのラベルが違っても機能的にはだいたい価格帯で似通っているのだろうとは思う。しかし、僕が想定するのは一人ではない2,3人程度の法人であるため、freeeの「ひとり法人プラン」というラベルはさすがに面白くない。MFクラウドのスモールビジネスプラン(利用者目安3名以下)くらいがしっくりくる。
もしかすると機能的にはfreeeのひとり法人プランとMFクラウドのスモールビジネスプランは大差ないかもしれない。しかし名は体を表すともいう。利用者目安3名以下を想定するMFクラウドスモールビジネスプランと、「ひとり」を想定するひとり法人プランでは、使い勝手の細かな違いとして思想が反映される、ないしされていくのではなかろうか。
まぁそんなわけで、2年目以降のことを考えるとMFクラウドのほうが良さそうな気がする。まぁMFクラウドもまた値上げするかもしれないんだが……それはもうわからないので……。
イニシャルコストの観点から言っても、ちょうどMFクラウドはAmazonギフトで年額分バックするキャンペーンを実施していることから、MFクラウドのほうがおトクである。
経理の知識は不要と言うけれど……
MFクラウドとfreeeを比較する時、よく言われるのが経理経験がなければfreee、あればMFクラウドが良いと言われている。しかしそんな風に言うとそれっぽいというだけで、実態はそうとも言い切れないんじゃなかろうか。何かを比較するとき、「万人に対してこちらのほうがオススメです!」は言いづらい一方、「xxな人にはこっち、ooな人にはこっち」は非常に言いやすい。なので、そういう理屈があれば、飛びついてしまうのがブロガーという生き物である。なんならChatGPTとかもその傾向がある。いかにも中立的に見えるしね。
しかし実際のことはそう単純ではないだろう。少なくとも、MFクラウドも経理初心者をターゲット層に入れていることはサイトを見れば明らか(「未経験・初心者でも簡単 | マネーフォワード クラウド導入事例」)である(よく「経理の知識が必要」と言われる弥生会計も公式サイトにおいては経理初心者でも大丈夫!と謳っている)。
だいたい、この手のソフト「経理の知識不要」という謳い文句は、ノーコードツールが「プログラミングの知識不要」というのと同じくらいの温度感であろうと思う。本当にまったく不要とは思えない。
それに、こちらも勉強する気はある。できなくて困るのは自分なのだ。エンジニアでいえば、本当に重要なことは業務経験よりも当人のやる気と努力だが、それについては経理も、いやだいたいなんだって、同じだろう。最初の最初は知識がなくても、勉強して実務をこなしていれば、そのうちにできるようになるだろう。
なので、現時点における経理の知識というのは、あまり決め手にならんのかな、と思う。freeeだったら勉強しなくていいってこともないだろうし。
どっちもでいいんだろうけれど
まぁ身も蓋もないことを言えば、従量課金の発生しないような零細の法人においてはどちらでも良いんだろうなというのが実感だ。また価格にしても、従量課金がなければせいぜい4万か7万かという話である。たしかに小さな額ではないが、そうは言っても必要なものだし、赤字でも容赦なく取られる法人住民税を思えば大差ない。使い勝手で判断できればいいんだろうが、初心者にはその評価もおぼつかない。
決め手が無いなら、わかる範囲で決めるしかない。そうすると、コスト面でマネーフォワードかな、と今のところ思っている。
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