イートイン脱税の原因は、そもそも国が「まさか国民が大真面目に制度を守ろうとすると思っていなかった」説

[最終更新] 2019年11月8日

まぁ与太話なんですけどね。イートイン脱税とかいうケッタイな言葉が爆誕して久しいですが、まぁこれはどう考えたって制度が悪いです。運用が死ぬほどややこしいうえにバカバカしいので、真面目にやればやるほど阿呆な気がしてくるし、正直者がバカを見る制度です。そんな制度作ったらあきません。

あまりの悪法ぶりに、巷では「増税から目を逸らすためにわざとおかしな制度にした」という陰謀論まで出てくる始末。でもこれ、思うんですが、この制度の大元を言い出した人は、そもそも国民がクソ真面目に軽減税率の境目を議論するなんて思わなかったんじゃないですかね。制度を作る人間の感覚が昭和のままなんじゃないかな、と。国民と政治家の間にレベル差ができているんじゃないか、と。そういう与太話。

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イートイン脱税とかいう謎ワード

軽減税率とかいう国民を誰も幸せにしない、コストばかりがかさむ平成の置き土産が、10月より施行されてしまいました。この軽減税率の問題を端的に象徴するのが、イートイン脱税とかいうものでしょう。イートインスペースで食べるつもりなのに、それを申告せず、軽減税率の対象となる持ち帰りでの税率を適用させる、というものですね。

とはいえ、イートイン脱税があった、ということを立証することは不可能と思われます。なぜならば、会計時の意思が問題なのであって、会計後に心変わりしてもなんら問題がないからです。そして、会計時の意思は会計時にしか確認できず、人の心の内など読めませんから、脱税であると言うことは難しい。

つまり、イートイン脱税と言われる行為は厳密には脱税ですらないわけです。これは国税庁の公式見解でもあり、「コンビニ「イートイン脱税」横行、客の9割が申し出ない店も 国は「制度上の問題ない」(税理士ドットコム) – Yahoo!ニュース」の記事で以下のように述べられています。

国税庁は「倫理上どうなのかという観点は別になりますが」と前置きした上で、「軽減税率が適用されるかどうかの判定は、事業者が客に飲食料品を譲渡した時点で行われます。コンビニではレジで飲食料品を販売した時点で、判定されるため、(その後に客が店内で飲食していたとしても)制度上の問題はありません」と説明します。また、「自己申告をしたのに、8%で処理された」というケースは、事業者が最終的に適正な納税をしていれば脱税には当たりません」という見解を示しています。

コンビニ「イートイン脱税」横行、客の9割が申し出ない店も 国は「制度上の問題ない」(税理士ドットコム) – Yahoo!ニュース

倫理上はともかく、制度上の問題はない、とハッキリ述べられています。なんかテレビで役人が「そもそも脱税じゃないからそれ」みたいなことをキレ気味で解説していたキャプチャがTwitterで回ってきたのが印象深かった(追記:コメントより「加藤博之」で画像検索すると出てくる旨教えていただきました)。軽減税率の適用基準がバカバカしいと、役人もわかっているわけです。整えたのお前らやろとは思いつつ、大枠が決められたら従うしかない役人の悲哀ですかね。

そもそも守らせる気がなかったのではないか

この軽減税率はあまりにもバカバカしく、かつその阿呆さがわかりやすいので、国民の間でも大いに話題になり、増税から目を逸らすために、わざとこんな意味不明な制度を作ったのだ、という陰謀論まで囁かれる始末。まぁでもそれは考えすぎでしょう。税制に不満が出ている、点においては変わりませんし。

自分が思うのは、この制度を制定した人たちは、そもそも国民がこんな大真面目に制度を運用しようとすると、思っていなかったんじゃないかということです。ましてや、他人の買い物を監視して「脱税だ」と告げ口する正義マンなどという人間の闇は想像すらできなかったのではないか、と。

実際、身近で法律が守られていない状況なんて枚挙にいとまがありません。みんな大好き労働基準法が令和になってなおお飾りなのは周知の事実ですし、一歩道路に出ればスピード違反の車が気持ちよく風を切っています。

まぁ労基についてはマジで守れよとしか言えないのですが、道交法については守るのが難しいという側面もあるでしょう。「道路交通法は守らせるための法ではない!罰するための法だ! | 【ゆきちよの合宿免許部屋】」の記事に無意識で違反しがちなものが挙げられていますが、一ドライバーとしてもかなり厳しいと思いました(もう2年くらい運転していませんが)。記事作成者さんの見解は、これらは守らせるためにあるのではなく、なにかあったときに「責任の所在を明らかにするため」というものです。なるほどなー。

まぁ本当のところはわからないわけですが、罰するため、という考え方は個人的に納得できます。現実的に常に守られるなんて国も思っていないけれど、何かあったときにしょっぴけるようにしとこ、的な。まぁ良い悪いは別にして、道交法なんかは違反が横行している状態で、とりあえず今日も日本は回っているわけです。

なんかね、この制度もそういう感覚で作ったんじゃないのかな、って。いい加減な法律を作っても、どうせいい加減に運用するんだからいいでしょ、くらいに思っていたのではないか

国民の遵法精神は上がっている

でもね、もう国民はそんな意識じゃないですよ。道交法だってね、どんなに危険でも自転車は車道を走るし、あの厳しすぎる制限速度だって守ろうとしている人は少なくないし、飲酒運転なんかやろうとしたら頭のオカシイやつだと思われて周囲から避けられます。

なんだかんだ言われつつも、日本国民の遵法精神は確実に上がっているわけです。そのことに政治家がいまだに気づいていない。法律はお上が決めてお上が都合よく利用するもの、程度の認識なんじゃないか。国民が少しずつでも前進しているのに、今なお政治の世界は昭和を引きずっている。その歪が、今回イートイン脱税として象徴的に現れたのだ、と私は思います。もし国民が政治家と同じくらいいい加減だったら、つまり誰も制度を守ろうとしていなかったら、この騒動はなかったはずだからです。

正義マンは現代の闇だけど

まぁでも、正義マンまでいくとちょっとどうかとは思いますけどね。正しいことをしてなぜ非難されるのか、という人もいますが、そうじゃないでしょ。ルールで人をぶっ叩いて気持ちよくなりたいだけでしょ(参考「脳は「他者への罰」に快感を覚える:研究結果|WIRED.jp」)。みんなバカじゃないから、そういう浅ましい精神をちゃんと見抜いているのです。

そう、たとえ立証できなくても人には人の心がわかる。だからこそイートイン脱税も問題になる。制度上立証できなくても、それが存在することを、実はみんなわかっているから。でもそれは守る意義があると思えないバカバカしいもので、本当はルールを変えるべきだと思うけれど、それは難しいことだから、まぁ暗黙の了解として皆スルーしているわけです。ただ守るのもバカバカしいが破るのも心苦しいから、そもそもフードコートで買わなくなった、という人もいれば、店側も対応に苦慮してイートインスペースを撤去する、などという本末転倒な事態(「“イートイン脱税” 後絶たず 座席撤去など店が対応 | NHKニュース」)も起きています。なんだかなぁ。

道交法については昔から続いているから、いまさら大きな騒動にはなっていませんが、もし道交法が今できたら、マジで警察署の前でカメラ回してご注進始める人が出るのかもしれないですね。正義マンもまた現代の闇だなぁとは思います。

なんだかなぁ

ルールは自分たちで作るからこそ守る意義があるわけですし、おかしなルールは変えられる、変わるんだ、と思えないと国民も場当たり的な対応しかできません。しかし政治の世界は昔のまま。どうにも政治家のレベルが国民のレベルより低い気がするんだけれど(前述したように、この騒動は国民と政治家のレベルの乖離からきていると思う)、いったいどうしたことだろうな。選挙が機能していないのか、いや、それとも国民の間にも溝があるのか?いずれにしても、なんだかなぁ。

ちなみにこの制度を推したのは公明党です。やらかしてくれましたなぁ。

参考URL

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3 Replies to “イートイン脱税の原因は、そもそも国が「まさか国民が大真面目に制度を守ろうとすると思っていなかった」説”

      1. 藪から棒に失礼しました。
        毎度ブログを楽しく読ませていただいています。
        新しい環境でご多忙にもかかわらず、コメントを返していただきありがとうございます。

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